愛犬家の26歳と、柴犬に審査された日
ペアーズの犬コミュニティで出会った、雑貨店員のモモカ(26)。生活の中心がぜんぶ柴犬で、初デートはドッグラン。会話より先に、まず彼女の柴犬に品定めされた——犬に気に入られるかが全部の関門だった、ぼかし安全なマッチングアプリ体験談。
雑貨店の店員PLACE現場
現場レポHOOK会う前提の
導線
今回はペアーズで会った、雑貨店で働いてるモモカの話。26歳。先に書いとくと、最後はちゃんといい関係になれた回。ただこの子、相手が俺じゃなかった。正確に言うと、俺の前にもう一人、審査員がいた。柴犬の「だいず」っていう。
会う前から薄々わかってたんだけど、この子の生活、ぜんぶ犬が中心で回ってる。デートの場所も、連絡の取れる時間も、最終的にこっちが気に入られるかどうかも、ぜんぶ犬が握ってた。俺は人生でいちばん犬に気を遣った夜を過ごすことになる。順番に書いとく。
ちなみにペアーズで趣味系のコミュニティから入る出会いは前にも書いてて、ワインの語りに惚れかけたソムリエの子の回がそれ。あっちは「相手の専門知識に引き込まれる」パターンだったけど、今回は方向が逆。相手の世界に、こっちが審査されて入れてもらう側だった。
プロフ写真が、本人より犬のほうが多かった
ペアーズ体験談の入口、現場での空気、会った後の動きまで。場面ごとの温度を拾いながら、アキの現場感をそのまま読む記事です。
モモカを見つけたのは、ペアーズの「犬が好き」みたいなコミュニティ経由。俺は別に犬を飼ってるわけじゃないんだけど、実家にいた頃にずっと犬がいて、まあ嫌いじゃない。コミュニティ覗いてたら出てきた子だった。
写真が四枚あって、これがちょっと面白かった。一枚目は本人とその犬。二枚目、犬。三枚目、犬。四枚目、犬の寝顔。本人より柴犬の登場回数のほうが多い。顔より「うちの子、見て」が先に来るタイプ。
自己紹介がこれ。
- 柴犬(♂・だいず)と暮らしてます。生活の8割はこの子です
- 雑貨屋で働いてます。かわいいもの探すのが好き
- 休みの日はだいたいドッグランにいます
- 犬好きな人だと嬉しいです(必須ではないけど…)
「生活の8割はこの子です」。この一行で、ああこれは犬が主役の人だな、ってすぐわかった。あと括弧書きの「必須ではないけど…」が地味にいい。本当は犬好きがいいくせに、押し付けないように一歩引いてる感じ。盛ってくる人より、こういう人のほうが俺は会ってみたくなる。

犬飼ってる子って、なんかハードル高くないすか。犬の世話で忙しそうっていうか。

忙しいのは間違いない。笑 でもさ、好きなもんがはっきりしてる子は、話すこと最初から決まっとるから楽なんよ。犬の話だけ振っとけば、まず会話は死なん。
マッチして、最初のメッセは俺から。だいずの写真に触れたら、これが正解だった。返信のテンポが一気に上がった。
え、気づいてくれました?(笑)一枚目より三枚目のほうがいい顔してるんですよ、だいず


めっちゃいい顔してた。笑 あの寝顔の一枚、ずるいでしょ。
ずるいんです(笑)あれで大体の人がやられる

犬の話に振ったら、もう止まらない。散歩のルートとか、好きなおやつとか、最近覚えた芸とか。聞いてもないことまで出てくる。でも嫌な感じが一個もない。好きなものを語る人って、見てて気持ちいいんよな。
「会うなら、だいずも一緒でいいですか」
何回かメッセして、そろそろ会いたいなって流れになった時。普通なら「カフェでも」とか「軽くごはん」みたいな提案になるとこなんだけど、モモカから返ってきたのが、ちょっと予想外だった。
あの、変なお願いなんですけど…会うなら、だいずも一緒でいいですか?(笑)


お、いいすよ全然。むしろ会いたい、だいずに。
よかった…!実は犬NGだと無理なんですよね、私の場合(笑)

「犬NGだと無理」。これ、笑いながら言ってるけど、本音だなって思った。後で聞いたら、過去に「最初は犬いいって言ってたのに、付き合ったら散歩めんどくさがられた」みたいなことが何回かあったらしい。だから今は、最初から犬込みで会って、嘘がつけない状態で判断したいんだと。
正直、これは俺にとっても楽だった。初対面で気まずい沈黙が流れがちなマッチングアプリの初アポで、間に犬が一匹いるだけで、場が全然違う。話題に困らんし、犬を撫でてる間は無言でも気まずくならん。待ち合わせの店選びで悩むこともない。場所は自動的に「犬がいられるとこ」一択になるから。

え、初デートに犬同伴って、緊張しません?粗相とかされたら詰むじゃないすか。

それ言うなや。笑 まあでも、犬がいると逆に楽な部分もあんのよ。沈黙が怖くない。犬がボール追ってる間、こっちは黙って見てりゃいいんやから。
そんなわけで、初デートの場所は、向こうの行きつけのドッグラン併設のカフェに決まった。犬連れで入れる、芝生のあるやつ。俺、ドッグランってちゃんと足を踏み入れるの初めてで、ちょっとワクワクしてた。会う相手より、その日は犬に会うほうがちょっと楽しみだったかもしれん。笑
到着して三分で、柴犬の審査が始まった
当日。芝生のあるカフェの前で待ち合わせ。モモカ、写真より小柄で、リードを持った手をぶんぶん振ってきて、隣に柴犬。茶色いやつが、しっぽをぐるんと巻いて、俺をじっと見上げてる。これがだいずか。
挨拶もそこそこに、まずだいずだ。俺がしゃがんで手の甲をそっと差し出すと、だいずはふんふん匂いを嗅いで、しばらく動かない。審査中。モモカが横で固唾をのんでる。
あ、嗅いでる…これ審査です(笑)この子、人見知りなんで


え、急に緊張してきた。笑 俺いま試されてんの?
試されてます(笑)ここでウーって言われたら、正直その先ないんですよ

さらっと怖いこと言うやん。笑 でも本気なのが伝わってきた。この子にとって、だいずの反応は冗談抜きで「その先があるかどうか」の判断材料なんだ。人を見る目より、犬の鼻を信じてるタイプ。
たっぷり十秒くらい嗅がれて、だいずがふっと顔を上げて、しっぽが、ふりっと一回振れた。それを見たモモカが「あ」って小さく声出した。
…しっぽ振った。これ、合格です(笑)


よっしゃ。人生で犬に合格もらったの初めてかもしれん。
おめでとうございます(笑)だいず、ほんとに最初の判定きびしいんで

正直ほっとした。デート相手の女の子じゃなくて、その犬に気に入られて安心するっていう、よく考えたら変な状況なんだけど。でもこの第一関門を越えてから、モモカの態度が明らかに柔らかくなった。だいずがOK出した=この人は信用していい、っていう変換が、彼女の中で本当に起きてる。犬を通して人を見てる子なんだなって、この瞬間にはっきりわかった。
ドッグランでは、俺より犬のほうがモテてた
カフェで軽く飲んだあと、併設のドッグランにだいずを放した。リードを外した瞬間、だいずが芝生をすっ飛んでいって、他の犬たちと匂いの挨拶を始める。それを目で追いながら、モモカはずっと笑ってる。
見てくださいあれ、もう友達つくってる(笑)人見知りのくせに犬には強気なんですよ


さっき俺のことは十秒審査したのに、犬には一瞬かい。笑
人間にだけ厳しいんです、この子(笑)

ベンチに並んで座って、だいずが走り回るのをただ眺める時間。これが思いのほか良かった。会話を無理に続けなくていい。犬が転んだとか、よその犬とじゃれてるとか、目の前で勝手にネタが供給されるから、沈黙が怖くない。マッチングアプリの初デートで一番しんどい「話題が尽きる瞬間」が、この日は一回も来なかった。
モモカは、芝生に転がってきたボールを投げてやりながら、ぽつぽつ自分の話をしてくれた。雑貨屋で働いてること、休みの日はほぼここに来てること、だいずを飼い始めたのは一人暮らしが寂しかったからだってこと。語るときの目が、犬を見るときと、自分のことを話すときとで、全然違う。犬を見てる時のほうが、ずっと素だった。
私、人といるよりこの子といるほうが正直ラクで(笑)だから、犬込みでいいって言ってくれる人、ほんと貴重なんです


わかる気がする。だいず見てる時のモモカさん、いちばん自然っすもん。
え、そう?(笑)やば、見られてる

途中、だいずが俺のとこに戻ってきて、足元に転がってたボールを咥えて、俺の膝の前にぽとっと落とした。投げろ、っていう。モモカが「えっ」て声出した。
今、自分からボール持ってった…これ、なついてる時のやつなんですけど


マジか。柴犬に好かれる才能、俺にあったんかも。
調子のんないでください(笑)でも…まあ、うん、めずらしい

「めずらしい」のあとの間で、ああこれ、犬が距離を詰めてくれた分、彼女も少し詰まったな、ってのがわかった。
犬を預けたあとの二軒目で、急に距離が近くなった
夕方になって、だいずもさすがに疲れて、芝生でへばってきた。モモカが「この子いったん家に置いてきますね、近いんで」って言って、一回解散みたいな空気になりかけたんだけど、戻ってきた時、だいず抜きのモモカは、ちょっと別人だった。
犬がいる間は「飼い主の顔」だったのが、犬を置いてきたら、急に一人の26歳の女の子に戻った感じ。少し緊張してて、でも逃げてはいない。近くの静かな店に移動して、ワインを一杯ずつ頼んだ。
だいずいないと、なんか…ちょっと心細い(笑)あの子が間にいると安心するんですよね


わかる。さっきまで三人だったのに、急に二人になった感あるもんな。
そうそれ(笑)二人になると、ちょっと意識しちゃう

犬という緩衝材がなくなったぶん、会話がまっすぐ二人のことになった。モモカ曰く、これまで何人かと会ったけど、だいずが最後まで懐かなかった人とは、結局うまくいかなかったらしい。犬が嫌う人は、なんだかんだ自分とも合わなかったって。経験則として、彼女はもう犬の判断をほぼ信じきってる。
俺、その話を聞いて、変なプレッシャーじゃなくて、なんか嬉しかった。今日だいずに合格して、ボールまで持ってきてもらったってのは、この子の前でいちばんデカい一発だったってことらしいから。なんか、ちょっと誇らしかったわ。笑
肩が近くなって、声のトーンも少しずつ落ちてきて。二人とも、まだ帰る雰囲気じゃなかった。このへんからは、いつも通り書かない。お互いいい大人だし、流れは自然だった。ぼかしておくと、その夜はちゃんといい関係になれた。柴犬の審査からここまで来るとは、朝の俺は思ってなかったわ。笑
その後。柴犬の機嫌が、俺の連絡の優先度を決める
その後も、モモカとは続いてる。連絡のテンポは、まあ犬中心。「今からだいずの散歩いってきます」「だいずが病院でぐったりしてる」「だいずが新しいおやつ気に入った」、こんなのが毎日のように飛んでくる。半分は犬の近況報告だけど、これがこの子の「元気にしてるよ」の言い方なんだなって、だんだんわかってきた。
この前は、休みの日にまた三人でドッグラン行った。だいずは俺を見ると、もうしっぽを巻いて寄ってくる。初回の十秒審査がもう嘘みたいに、今はリードを俺に持たせてくれる。モモカがそれを見て「だいず、完全にあなたのこと家族判定してますね」って笑ってた。柴犬の家族判定、人間の好感度よりよっぽど重いやつ。
- 余裕のある大人の子が多い印象だから、変な探り合いが少なくてやり取りが楽だった
- 「会う前提」で繋がる空気だから、いいなと思った子とも上品なまま話を進めやすい
- 下見だけなら無料。本気で会いに行くなら、男は有料で動くのが結局いちばん早かった
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モモカとはペアーズで出会った。これ、街でナンパしてたら絶対に成立してなかった出会いだと思う。だって「犬を飼ってて、生活の8割が犬で、犬込みで会ってくれる人を探してる子」を、路上で見分けるなんて無理なんよ。ペアーズには「犬が好き」みたいな趣味のコミュニティがあって、俺はそこから入った。最初から「犬を飼ってる子」を狙って探せたから、だいずの審査も含めて、お互い前提を共有した状態で会えた。これはアプリじゃないとできない出会い方だった。
趣味のコミュニティから入る出会いは前にも書いてて、ワインの語りに引き込まれたソムリエの子の回がそれ。あっちは相手の専門知識に惚れかけたパターン。あと、休日のドッグランでそのまま声をかけたドッグランで出会った日常回も別であるんで、犬きっかけの出会いに興味あるならそっちもどうぞ。どのアプリでどんな子と会えたかを全部まとめた使ってみたアプリのまとめも置いとくんで、これから始める人は見てみてくれ。
先週も三人でへばるまで遊んで、帰りにだいずが俺の足にもたれて寝てた。眠そうなその顔見て、こいつのおかげで今があるんよなあ、ってちょっと笑った。次の休みもまた三人でドッグランの予定。だいずのおやつ、今度は俺が買って行くって約束させられてる。笑
会った後の流れまで、次に読む。
アプリで会ったあとに失速しないように、連絡、待ち合わせ、次のデートへ繋がる記事を置いています。


