ソムリエの29歳と、ワインの語り方に惚れかけた夜
ペアーズで出会ったレストランのソムリエ・レミ(29)。ワインの味と香りを言葉にするのがプロ級に上手いのに、自分の店を出るとへなっと脱力する。夜営業で生活時間が遅い飲食職の女性と、ワインバーで一杯やった——蘊蓄を嫌味にしない、ぼかし安全なマッチングアプリ体験談。
レストランのソムリエ(夜営業中心)PLACE現場
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今回はペアーズで会った、レストランでソムリエやってるレミの話。29歳。先に書いとくと、最後はちゃんといい関係になれた回。ただこの子、生活時間が世間と完全にズレてて、初アポにこぎつけるまでが一番難しかった。お店が夜営業中心だから、向こうが起きてる時間と俺の暇な時間が、最初なかなか噛み合わなかったんだわ。
あと正直に言っとくと、会う前は「ソムリエ=ワインの蘊蓄をひたすら聞かされる夜になるのでは」ってちょっと身構えてた。これが完全に外れた、っていうのが今回の一番のオチ。この子、味と香りを言葉にするのはプロ級に上手いのに、それを一個も押し付けてこなかった。そのへんも含めて、順番に書いとく。
ペアーズの体験談はこれまでも何本か書いてて、予定が読みにくい子だと、前に会った助産師の子の回がそうだった。あの子は「いつ呼ばれるか分からない」タイプ。レミは方向が違って、「毎晩決まって遅い」タイプ。同じズレでも、急に消えるか、ずっと夜型かで、付き合い方が全然違うんよ。そのへんのサンプルとして読んでもらえればと思う。
プロフが「お酒の写真ばっかり」だった
ペアーズ体験談の入口、現場での空気、会った後の動きまで。場面ごとの温度を拾いながら、アキの現場感をそのまま読む記事です。
レミを見つけたのは、ペアーズの「お酒好き」だか「美味しいもの巡り」だかのコミュニティ経由。写真が四枚あって、これがちょっと珍しかった。一枚目は本人のカフェっぽい横顔なんだけど、残り三枚が全部、料理とワインの写真。グラスに注がれた赤、湯気の立った皿、薄暗い店のカウンター。顔より「自分の好きなもの」を並べてくるタイプ。
自己紹介がこれ。
- 飲食で働いてます。夜が遅いので、連絡まちまちでごめんなさい
- お酒と食べるの大好き。でも家ではコンビニ飯です(笑)
- 休みの日は基本だらけてます。外でシャキッとしてるぶん反動がすごい
- 真剣にお付き合いできる人を探してます
「夜が遅いので連絡まちまちでごめんなさい」。この一行で、ああ飲食の人か、ってすぐ分かった。職業は「飲食」としか書いてなくて、ソムリエだって知ったのは後のメッセでのこと。あと地味に良かったのが「家ではコンビニ飯」。お酒のプロっぽい写真を並べといて、自分でハードル下げてくる感じ。盛り倒してくる人より、こういう人のほうが俺は会ってみたくなる。

ソムリエって聞くと、なんか緊張しません?ワイン詳しくないとバカにされそうっす。

それ俺も最初思った。笑 でもプロフ見た感じ、そういう感じの子じゃなさそうやなって。コンビニ飯って書く人がワインでマウント取ってこんやろ、っていう謎の読み。
マッチして、最初のメッセは俺から。返信のテンポは、来る時間がとにかく遅い。昼に送ると、返ってくるのは決まって深夜一時とか二時。波があるんじゃなくて、生活がまるごと後ろにズレてる感じだった。
返信ほんと夜中ですみません…今ようやく店上がったとこで(笑)


全然いいすよ。お疲れさまです。ってか今上がりって、めっちゃ遅くまでやってるんすね。
飲食あるある(笑)世間がもう寝てる時間がスタートみたいなとこある

「世間が寝てる時間がスタート」。この一言で、この子の生活のリズムがだいたい掴めた。じゃあ会うとしたら、こっちが向こうの時間に寄せにいくしかないな、っていうのも、この時点で腹をくくった。
メッセが深夜にしか来ないと、最初のうちは正直ちょっと不安にもなった。返事が遅いと「脈ないのかな」って勝手に勘ぐるのが俺の悪い癖なんだけど、レミの場合はそうじゃなくて、単に物理的に手が空く時間が深夜なだけ。それが分かってからは、こっちも昼に送って、返ってくるのは寝る前か翌朝でいい、っていうリズムで付き合うようにした。急かさない。これ、夜型の相手とやり取りする時の、地味だけど一番大事なとこだと思う。
「ソムリエって、お酒を売る仕事じゃないんですよ」
何の仕事か聞いたら、あっさり「ソムリエです」って返ってきた。俺、ワインの知識ほぼゼロなんで、正直に「すいません、ソムリエって、おすすめのワイン選んでくれる人、くらいの解像度しかないです」って言ったら、これがウケたらしくて、ちゃんと教えてくれた。
だいたい合ってます(笑)あとは、その人が今食べてるものとか、気分に合わせる係かな


気分に合わせる、っすか。
そう。お酒を売る仕事っていうより、今日のあなたにこれ、って手渡す仕事(笑)

「お酒を売る仕事じゃなくて、今日のあなたにこれ、って手渡す仕事」。この言い方、ちょっとぐっと来た。蘊蓄じゃなくて、人を見る仕事として説明してくる。レミ曰く、ワインの名前を覚えるのが仕事じゃなくて、目の前の客が今日どんな一日だったかを読んで、それに合う一杯を出すのが本職なんだと。
俺、その話を聞いてて、なんかちょっと感心してしまった。味と香りを言葉にするプロだから、説明が異常に分かりやすい。「このワインはこういう味です」じゃなくて、「雨上がりの土みたいな匂いがして、最初は渋いけど後から甘さが来る」みたいに、知らない俺にも情景で渡してくる。これがメッセの段階でもう面白くて、会う前から会話のテンポが良かった。
正直、マッチングアプリのメッセって、最初の数往復で「あ、これ続かんな」って失速することが多い。趣味の話を振っても「いいですね」で止まったり、向こうから何も聞いてこなかったり。でもレミは、こっちが投げた雑な質問を毎回ちゃんと膨らませて返してくる。たぶん仕事柄、目の前の人の言葉を拾って広げるのが体に染み付いてるんだろうなって、メッセの時点で思った。会う前に会話が成立する子は、会ってもだいたい外さない。経験上そうなんだわ。

説明うますぎません?俺ワイン分からんのに、なんか飲みたくなってきた。
それが仕事なので(笑)分からない人に飲みたくさせるのが一番たのしい

会えたのは、向こうの遅番明けの「夜スタート」
初アポを組むのに、けっこう難航した。俺が「土曜の夜どうですか」って送ると、土曜は店がかき入れ時で無理。じゃあ平日の昼は、と聞くと、昼は寝てる。結局、向こうの遅番が早めに上がれる日の、夜九時スタートっていう、普段の俺なら「二軒目か?」みたいな時間に、一軒目を始めることになった。

夜九時に一軒目スタートって、もう深夜じゃないすか。

そう。でも向こうにとっては夜九時が普通の「夕方」みたいなもんなんよ。そもそも時間が逆な人と会うって、こっちが感覚を寄せるとこから始まるんやなって、改めて思ったわ。
店は、レミに選んでもらった。ソムリエにワインバー選んでもらうの、贅沢すぎん?と思ったけど、向こうが「気を遣わなくていい、私が普通に好きな店」って言うから甘えた。連れていかれたのは、看板も控えめな、カウンター八席くらいの小さいワインバー。レミが扉開けた瞬間、店主と目で挨拶してて、ああ常連の店なんだなっていうのがすぐ分かった。
来たレミ、写真より自然体で、髪も適当に結んでて、想像してたソムリエの隙のない感じとは全然違った。席につくなり、メニューも見ずに「とりあえず軽めの白からでいい?」って聞いてきて、俺が「全部おまかせします」って言ったら、ちょっと嬉しそうにしてた。
おまかせって言われるの、実はいちばん燃える(笑)


じゃあ遠慮なく。俺の今日の気分、当ててもらっていいすか。
ふふ、緊張してるでしょ。だから最初は飲みやすいやつ(笑)

当てられた。笑 初対面のワインバーでちょっと固くなってたのを、一発で見抜かれた。出てきた一杯目は、確かに軽くて飲みやすくて、変な蘊蓄なしで「美味しい」が先に来る感じだった。
蘊蓄が、一個も嫌味じゃなかった
飲み始めて、ここが今回いちばん書きたかったとこなんだけど。レミ、ワインの説明を、聞いてもないのに垂れ流す、みたいなことを一切しなかった。俺が「これ何が違うんすか」って聞いた時だけ、すっと答える。しかもその答えが、毎回ちゃんと面白い。
二杯目に出てきた赤を飲んで、俺が「さっきのよりなんかどっしりしてる」って雑な感想を言ったら、レミが嬉しそうに拾った。
そうそう、どっしり。いい表現(笑)これは皮ごとぎゅっと潰してる感じのやつ


皮ごと。なんか急に分かった気がする。
でしょ?難しい言葉いらないの。飲んで思ったこと言ってくれるのが一番うれしい

俺が雑な感想を言うと、それを否定せずに「いい表現」って受けて、そこに一個だけ知識を足して返してくる。だから会話が、教える・教わるじゃなくて、ちゃんとキャッチボールになる。マウント取られてる感じが本当に一回もなかった。プロって、こういう力の抜き方できるんだなって、飲みながらちょっと感心してた。
俺、過去に一回、別の趣味のプロっぽい子と会って、ずっと専門用語で説明されて完全に置いてかれた夜があるんよ。あっちは悪気ないんだけど、聞いてるこっちは相槌しか打てなくて、最後まで会話の主導権が向こうにあった。あれと真逆だった。レミは知識の量で勝とうとしてこない。むしろ俺が分かる言葉まで毎回降りてきてくれる。詳しい人ほどこれができないことが多いから、よけいに「この人、頭いいな」って思った。
途中、レミが自分の店の話をしてくれた。クレーム対応の話とか、酔っ払った客に絡まれた話とか、ぜんぜん華やかじゃないやつ。ソムリエ=優雅、みたいなイメージを、自分で笑いながら崩してくる。
優雅に見えるでしょ?裏ではグラス割って店長に怒られてます(笑)


急に親近感わいた。笑
ほんとそれ(笑)私もただの飲食店員なので

店を出るころには、ソムリエの顔が消えてた
ワインバーを出て、まだ帰る雰囲気じゃなかったんで、近くの静かなバーに移動した。一軒目でいいペースで飲んでたレミ、二軒目に着くころには、店で見せてた「お客さんに合わせる係」の顔が、すっかり消えてた。プロフに書いてた「外でシャキッとしてるぶん反動がすごい」が、これか、と。
カウンターに並んで座って、ワインの話はもう全然しなくなった。代わりに、なんで飲食やってるのとか、休みの日に何してるとか、もっと素の話になった。レミ曰く、店ではずっと客の気分を読んで一杯選んでるから、頭がほんとに疲れる。だからオフの日は誰の気分も読みたくなくて、家でへなへなしてたい、って。
今、人の気分まったく読んでない(笑)こんな緩んでるの、店じゃ絶対見せない


なんか、レアな顔見てる感じすね。
…そうかも。あんまり人に見せないとこ(笑)

ワインを言葉にするプロが、酔って語彙をなくして「これ美味しい、なんか美味しい」しか言わなくなる瞬間が、正直いちばんかわいかった。一軒目では「皮ごとぎゅっと」とか情景で渡してくれてた人が、二軒目では出された一杯を一口飲んで「うん、美味しい。以上」みたいになってて。仕事のスイッチが完全に切れてるのが、その雑な感想で分かる。店で見せる隙のない感じより、こっちのへなっとした顔のほうが、距離が近い気がした。歩いてる途中で肩が当たって、そのままちょっと近い距離で座る感じになって、声のトーンも変わってた。
バーのカウンターで、お互いの恋愛の話みたいなのにもなった。レミ曰く、夜が遅い仕事だから、付き合っても相手に「また今日も遅いの」って言われて続かなかったことが何回かあるらしい。生活の時間が違うって、それだけで結構な数の人とすれ違う原因になるんだな、っていうのを、その話を聞いてて思った。逆に言えば、こっちがその時間に合わせられる人間なら、それだけで「貴重な人」になれるってことでもある。

店のレミと、今のレミ、別人すぎません?
どっちも本物だよ(笑)でも今のほうが…まあ、素

「まあ、素」のあとの間が、もう答えだった。まだ帰りたいとは言わない。けど、帰りたい人の座り方じゃなかった。
このへんからは、いつも通り書かない。お互いいい大人だし、流れは自然だった。ぼかしておくと、その夜はちゃんといい関係になれた。会う前に「蘊蓄聞かされる夜になるのでは」って身構えてた相手と、こういう着地をするんだから、先入観って当てにならんわ。笑
その後。「店、来てよ」が、社交辞令じゃなかった
帰り際、レミが「今度、私の店来てよ。ちゃんと選ぶから」って言ってきた。飲食の人の「店来てよ」って、社交辞令で言うこともあるから半信半疑だったんだけど、後日ほんとに「○曜なら空いてるカウンターあるよ」って具体的に連絡が来て、ああ本気だったんだ、と。
実際その後、連絡のテンポは相変わらず夜中に寄ってる。昼に送っても、返ってくるのは深夜。でも、店が早く上がれた日に「今ひま、電話していい?」って急に来たり、遅番明けの解放された夜に「飲みたい」って一言だけ来たりする。その一報が来ると、こっちも夜更かし覚悟で会いに行く。先週も二時に呼び出されて、結局そのまま朝まで飲んだ。眠いけど、まあ悪くない。
- 余裕のある大人の子が多い印象だから、変な探り合いが少なくてやり取りが楽だった
- 「会う前提」で繋がる空気だから、いいなと思った子とも上品なまま話を進めやすい
- 下見だけなら無料。本気で会いに行くなら、男は有料で動くのが結局いちばん早かった
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レミとはペアーズで出会った。正直、夜営業中心で生活が世間と真逆の飲食職の子と、街でナンパして会うのはほぼ無理だった。だって俺がナンパしてる時間、向こうは仕事の真っ最中なんだから。レミのプロフには最初から「夜が遅いです」「連絡まちまちでごめんなさい」って書いてあって、深夜にしか返信が来なくても「ああ、そういう人だ」って最初から思えた。街で声かけてたら、たぶん一生すれ違ったままだったと思う。
同じく生活がズレてる職業だと、前に薬剤師の子と会った回も書いてる。あと、どのアプリでどんな子と会えたかを全部まとめた使ってみたアプリのまとめもあるんで、これから始める人はそっちも見てみてくれ。
レミの店には、その後ちゃんと行った。カウンターで「今日のあなたにこれ」って一杯出された時、デートで見たへなっとした顔じゃなくて、完全に仕事モードのソムリエの顔に戻ってて。その切り替えを間近で見て、ああこの人ちゃんとプロなんだな、ってちょっとだけまた惚れ直したわ。笑
会った後の流れまで、次に読む。
アプリで会ったあとに失速しないように、連絡、待ち合わせ、次のデートへ繋がる記事を置いています。


