市役所勤めの27歳と、堅実すぎて逆に新鮮だった話
Omiaiで出会った市役所勤めのマサミ(27)。三ヶ月先まで予定が書き込まれた手帳、初回から普通に出てくる将来の話。堅実そのものの子だと思って会ったら、休日の趣味で意外な顔が出てきた。安定志向の裏にあった冒険心を、そのまま書いた体験談です。
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今回はOmiaiで会った、市役所勤めの子の話。マサミ、27歳。地方公務員。先に言っておくと、会う前の俺は完全に「堅実な子」一色で身構えてた。プロフも文面も、隙がないくらいきっちりしてたから。ところがフタを開けたら、その堅実さの下から、まったく予想してなかった顔が出てきた。その落差が面白かった夜の話。
Omiaiは前にも何回か書いてて、客室乗務員の回がわりと読まれてるんだけど、今回はあれともまた違う。CAは「予定が読めない人」だったけど、マサミは「予定が三ヶ月先まで決まってる人」。真逆だった。
プロフの自己紹介が、ほぼ将来設計の表だった
Omiai体験談の入口、現場での空気、会った後の動きまで。場面ごとの温度を拾いながら、アキの現場感をそのまま読む記事です。
マサミを見つけたのは、Omiaiのいつもの流し見の中で。Omiaiって他のアプリより真剣度が高めで、プロフにも「将来こうしたい」がはっきり書いてある人が多い。その中でも、マサミの自己紹介は群を抜いてきっちりしてた。
写真は二枚。一枚は顔がちゃんと写ってる(化粧薄め、まじめそうな笑顔)。もう一枚が、登山口の標識の前で帽子を目深にかぶってる、ほぼ後ろ姿の一枚。この二枚目が後で効いてくるんだけど、この時の俺はスルーしてた。で、自己紹介がこれ。
「地方公務員(市役所事務)です。安定した環境で、長く一緒にいられる方を探しています。お休みはわりと体を動かしています。計画を立てるのが好きです」
最後の「計画を立てるのが好きです」で、ああ堅実な人なんだなと思った。安定、長く、計画。並んでる単語が全部まじめ。マッチングアプリでこういう硬い自己紹介、嫌う男もいると思うけど、俺はわりと信用する。盛った自撮り十枚より、こっちのほうが情報量があるから。

いいねしたら、返信がちゃんと来た。文面が、なんか役所の窓口みたいに丁寧でな。笑 誤字ゼロ、敬語きっちり。
マッチありがとうございます。プロフィール、堅すぎませんでしたか…? よく友達に言われるんです(笑)


いや、逆に安心したっす。何考えてるか分かる人のほうが、俺は会いやすいんで。
よかった。盛るのが下手なので、もう正直に書くことにしてて(笑)

盛るのが下手だから正直に書く。この一行で、ちょっと好感を持った。自分のスペックを把握して、無理に背伸びしない感じ。

公務員の人って、やっぱ会うまでが慎重なイメージあるっす

それな。でもマサミは慎重ってより「段取り型」だったわ。慎重で動かないんじゃなくて、決めたらきっちり動くタイプ。
初回の予定調整で、三ヶ月先まで埋まった手帳が出てきた
メッセを何往復かして、アポの話になった。ここで早速、マサミの段取りっぷりが出た。
お会いするの、再来週の土曜はいかがですか? 今、手帳を見てるんですけど…再来週なら、午後がまるっと空いてます


再来週か。けっこう先まで決まってるんすね、予定。
あ…はい。三ヶ月先まで、だいたい埋まってます。我ながら、ちょっと引きますよね(笑)

三ヶ月先まで埋まってる、と聞いて、てっきり仕事の予定かと思った。役所だし、行事とか会議とかで詰まってるんだろうと。違った。後で店で見せてもらった手帳には、仕事じゃなくて「自分の予定」がびっしり書き込まれてた。それも、けっこう動きのある予定が。この時点では俺はまだ知らない。
ということで初回は再来週の土曜、午後一からに確定。Omiaiの子は土日でも普通に動けるのが、CAやシフト勤務の子と違うところだなと思った。会いやすさが段違い。LINEはアポが固まってから交換、これもマサミから「当日に連絡がつくほうが安心なので」って提案だった。手順がいちいち先回りしてる。交換のタイミングとか最初の一通で詰まりがちな人は、LINE攻略のまとめに症状別で置いてあるんで、そっち見てくれ。
当日、もし私が五分でも遅れたら、たぶん何かあったと思ってください。普段、遅刻しないので(笑)


予告された。笑 じゃあ俺、絶対先に着いとくわ。
土曜の午後、待ち合わせに来たマサミは八分前に立っていた
当日。待ち合わせは駅前のカフェ。俺は十分前に着いたんだけど、店の前にはもうマサミが立ってた。八分前。完全に先に着かれてた。

早いっすね。俺、先に着いとこうと思ってたのに。
あ、すみません。早く着きすぎる癖があって…。一本前の電車で来ちゃいました(笑)

写真どおりの人だった。化粧薄め、清潔感のあるきれいめの私服、姿勢がいい。ただ、思ってたより日に焼けてた。事務職の公務員、ってイメージから想像する色白とは、ちょっと違う。この焼け方、なんだろうと思ったけど、最初は聞かなかった。
カフェに入って、向かい合って座る。最初の三十分くらいは、マサミは予想どおりだった。喋り方が丁寧で、相槌が的確で、こっちの話をメモするみたいにちゃんと聞く。仕事の話になっても固有名詞はぼかしつつ、住民票がどうとか窓口がどうとか、地に足のついた話が続く。堅実な子と話してるなあ、っていう、いい意味で予想を裏切らない時間だった。
仕事は、わりと地味なんです。書類と、窓口と、たまにクレーム対応で(笑)


でも安定してるって、すごいことっすよ。俺なんて来月の収入も読めないですもん。
安定だけが取り柄なので…。代わりに、お給料は跳ねないですけど(笑)

将来の話が、すごく自然に出てくるのも公務員の子の特徴だなと思った。何歳までにこうしたい、家はどうしたい、っていう話を、重くも軽くもなく、普通の天気の話みたいにする。婚活ってこういうことか、と少しだけ背筋が伸びた。

初回で将来の話って、アキさん的にはどうなんすか。重くないんすか

マサミの出し方が上手かったんだわ。詰めてくるんじゃなくて、ただ自分の地図を見せてくれる感じ。聞いてて疲れなかった。
日焼けの理由を聞いたら、堅実さの下から別の顔が出てきた
話の流れで、さっき気になってた日焼けのことを聞いてみた。事務職なのに、なんでそんなに焼けてるんすか、って。そしたらマサミの喋り方が、ここで一段変わった。
あ、これ…休みの日、ほとんど山にいるからです


山。登山ってことっすか。
はい。あと、たまに沢登りとか。先週は、ロープで岩を…って、引きますよね(笑)


え、待って。ロープで岩。沢登り。さっきまでの住民票の話どこ行った。笑
ここで全部つながった。三ヶ月先まで埋まってる手帳。プロフの登山口の写真。日焼け。「お休みはわりと体を動かしています」のひかえめな一文。あれ、全部これだったのか、と。
実際に手帳を見せてもらった。土日のページに、几帳面な字でびっしり書いてあった。「○○岳 日帰り」「縦走 一泊」「沢 装備点検」。仕事のスケジュールより、こっちのほうが本気の書き込みだった。三ヶ月先の連休には、もう泊まりの遠征が入ってた。
平日は、ほんとに地味な事務員なんです。その反動かもしれないです。休みになると、できるだけ遠くの、高いところに行きたくなって


反動か。なるほどな。役所で書類さばいてる人が、休みにロープで岩登ってんの、ギャップえぐいな。
職場の人、誰も知らないんですよ。「マサミさん休日なにしてるの」って聞かれても「家でのんびり」って答えてます(笑)

ここからのマサミは、別人みたいに喋った。さっきまで的確な相槌でこっちの話を聞く側だったのが、急に前のめりになって、装備の話、ヒヤッとした下山の話、山頂で食べるカップ麺がいかにうまいかの話を、目をきらきらさせて喋る。丁寧な敬語は崩れないんだけど、テンポと熱量がまるで違う。安定志向の手帳の裏に、こんな冒険のページが挟まってたのか、と。

なんで一人で行くんすか。普通こわくない? その、沢とか。
こわいですよ。だから準備するんです。私、計画立てるの好きって言ったじゃないですか。あれ、山のためなんです(笑)

これは効いた。「計画を立てるのが好き」っていうプロフの一文が、堅実さの話じゃなくて、危ない遊びを安全にやり切るための計画力の話だったわけだ。同じ几帳面さが、書類にも岩場にも向いてる。一人の人間の中で、それがきれいにつながってるのが面白かった。
カフェを出て、二軒目を提案したのは向こうだった
カフェで二時間以上、ほとんど山の話で盛り上がって、外を見たら夕方になってた。普段なら俺から「もう一軒どう」って誘うところなんだけど、この日は先に向こうから来た。
あの…もしお時間あれば、もう少し。山の話、こんなに聞いてもらえること、あんまりなくて


お、いいっすよ。じゃあ軽く飯でも。明日、山の予定なかったっけ?
明日は、装備の手入れの日って決めてあるだけなので…大丈夫です(笑)


手入れの日。笑 手帳に書いてあるやつね。
近くの落ち着いた居酒屋に移った。マサミ、お酒はそこそこいける口で、ハイボールを頼んで、山の遭難ニュースを見るたびに装備の何が足りなかったか分析しちゃう癖があるとか、雪山だけは一人では行かないと決めてるとか、自分の中のルールの話をした。危ないことをやってるのに、語り口は徹底して理屈っぽくて安全志向。この人、無謀じゃないんだなと安心した。
無茶はしないんです。引き返す判断が、たぶん一番得意なので。山頂まで行けなくても、下りてくるのが正解の日ってあるんです


それ、なんか格好いいな。俺、引き返すの下手なんで。だらだら粘っちゃう。
山だと、粘ると死ぬので(笑)

粘ると死ぬ、ってさらっと言うのがおかしくて笑った。ちなみにこの「引き返す判断が得意」っていうの、俺はけっこう真に受けて聞いてた。乗ってこない相手にだらだら粘るのは、俺もやらないようにしてる。お互い、引き際の話をしてたのかもしれない。

山ガールっていうより、なんかガチっすね、その人

ガチだった。でも普段は役所の窓口でにこにこ書類さばいてんだぜ。その二重生活が、もう全部おもろかった。
「次の山、付いてきます?」の言い方
居酒屋でだいぶ打ち解けて、終電にはまだ余裕がある時間。会計のとき、マサミは自分の分をきっちり出そうとしたんだけど、ここは「山の話を二回ぶん聞かせてもらったお礼」って言ったら、わりとあっさり「じゃあ、次は私が」って引いた。貸し借りを変に重くしない感じも、堅実な子らしかった。
店を出て、駅に向かって歩いてるとき、マサミがふいに足を止めて、こっちを見た。
あの…次、もし良かったら。低い山なんですけど、初心者でも登れるところがあって。付いてきます?


え、誘ってくれるんすか。山。
はい。私、人を誘うこと、ほぼないんですけど…なんか、アキさんなら大丈夫かなって。装備、貸せるので(笑)

人を誘うことはほぼない、って言いながら誘ってくる。しかも誘い文句が「装備、貸せるので」。色気もなにもない誘い方なんだけど、マサミの口から出ると、これが一番の口説き文句に聞こえた。三ヶ月先まで埋まった手帳の、誰も入れたことのないページに俺を入れようとしてる、ってことだから。
そのあと、駅まで送って、その日はそこで解散した。いきなり山に誘うくらいだから、なんならもっと先まで行ける雰囲気もあったけど、この子は段取りで動く人だ。一回目はここまで、っていう線が、たぶんマサミの中にあった。だから俺もそれに合わせた。引き返す判断が得意な人の前で、粘って印象を悪くするのは違うと思った。
その後。三週間後に、また休みを合わせて
帰ってから、その日のうちにマサミから連絡が来た。「今日はありがとうございました。山の話、引かずに聞いてくれて嬉しかったです」って、最後まで律儀だった。それと一緒に、おすすめの低山の候補が三つ、標高と所要時間つきで送られてきた。デートのお誘いというより、もう登山計画書だった。
で、三週間後。お互いの休みを合わせて、その低山に登った。早朝に駅で待ち合わせたマサミは、私服の時とは別人みたいで、ザックを背負って、登山靴で、表情がもう完全に「現場」の顔だった。借りた装備で、ひいひい言いながら登った俺を、マサミは振り返り振り返り、ペース配分しながら待っててくれた。窓口でクレーム対応してる人とは思えない、頼れる先導っぷりだった。
山頂で食べたカップ麺は、マサミの言うとおり、確かに人生で一番うまかった。これは認める。
下山して、汗を流して、夜は近くの温泉街で飯を食った。山では完璧に先導してたマサミが、温泉上がりにビールを飲んだら、急にふにゃっとして、足が筋肉痛で笑っちゃうくらい動かなくなってた。そのギャップで、また一個、この人のことが分かった気がした。
あの…正直に言うと。今日、誘ったの、ちょっと賭けだったんです。山に付き合ってくれる人、なかなかいなくて


賭けに乗ってよかったわ、俺も。筋肉痛やばいけど。
ふふ。明日、立てなくなりますよ(笑)

そのあとのことは、まあ、いつもどおりぼかしておく。山を一日一緒に歩いた相手との距離って、街で二時間飲むのとは縮まり方が違うんだな、とだけ言っておく。
恋愛としてどうなるかは、正直まだ分からない。マサミの手帳の三ヶ月先には、相変わらず一泊の遠征がぎっしり入ってて、俺が入り込める隙間は、まだそんなに多くない。ただ、その手帳に俺との予定が一行ずつ書き込まれていくのは、悪くない感じだ。次は俺の体力がもう少しついてから、もうちょっと高い山に連れてってくれるらしい。
マサミとはOmiaiで出会った。真剣に将来を考えてる層が多いぶん、初回から「この人とこの先どうか」を普通に話せる相手と当たりやすい。ただ、真剣層は会えるテンポがゆっくりで、マサミの手帳の三ヶ月先を待ってるだけだと、こっちが先にそわそわしてくる。俺はその間、別の何人かとも緩くやり取りしてた。
- 余裕のある大人の子が多い印象だから、変な探り合いが少なくてやり取りが楽だった
- 「会う前提」で繋がる空気だから、いいなと思った子とも上品なまま話を進めやすい
- 下見だけなら無料。本気で会いに行くなら、男は有料で動くのが結局いちばん早かった
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同じOmiaiの回だと、予定の読めない客室乗務員の回や、固有名詞をぼかしつつ仕事の本音が出てきた銀行員の回も書いた。あと公務員つながりだと、ペアーズで会った市役所勤めの子の回もあって、こっちは職場バレを徹底警戒する別タイプ。同じ「公務員の堅実さ」でも、出方は人によって全然違うのが面白い。
最後に余談。マサミと山に行くようになってから、俺の部屋に、いつのまにか登山用の靴下とヘッドライトが増えた。「アキさんも一個ずつ揃えたほうがいいですよ」なんて言われてないのに、楽しそうに装備の話をされてるうちに、気づいたらポチってた。影響されやすいんだよな、俺は。
会った後の流れまで、次に読む。
アプリで会ったあとに失速しないように、連絡、待ち合わせ、次のデートへ繋がる記事を置いています。


