映画オタクの28歳と、ミニシアターで語り明かした夜
withで出会った広告会社勤めのアサミ(28)。性格診断で映画の趣味が近いと出て会ったら、ミニシアターで一本観たあと、カフェで閉店まで語り明かす夜になった。好きを共有できる相手に飢えてた子の、観た後に喋りたい欲を受け止めただけの一日を実況するwith体験談です。
広告制作会社勤務PLACE現場
現場レポHOOK会う前提の
導線
今回はwithで会った、映画オタクの子の話。アサミ、28歳、広告の制作会社で働いてる人だった。先に言っとくと、この日は俺が口説いたっていうより、一本観たあとに「この映画どうだった?」を喋り倒すアサミに、最後まで付き合った夜だった。笑
最初に正直なとこを書いとくと、俺、映画は嫌いじゃないけど、観たら観っぱなしのタイプ。エンドロールで席立って、コンビニ寄って忘れる。なのにこの日は、観終わってから何時間も同じ映画の話をしてた。なんでそうなったのか、待ち合わせから順番に実況していく。塩で終わらなかったぶん、長くなるけど。
withの性格診断で「映画の趣味が近い」と出てた
with体験談の入口、現場での空気、会った後の動きまで。場面ごとの温度を拾いながら、アキの現場感をそのまま読む記事です。
アサミを見つけたのは、いつもどおりwith。withって登録のときに性格診断とか価値観診断みたいなのをやって、考え方とか好みが近い人がマッチ画面に上がってきやすいアプリなんだけど、アサミとは「映画・エンタメの好み」みたいなとこで共通点が出てた。出てたんだけど、これ正直に言うと、俺の診断、ちょっと盛れてたと思う。笑 話題のやつをたまに観るくらいの俺と、向こうのガチが、なんかいい感じに噛み合っちゃった。
プロフの写真が、まず映画館っぽい赤い椅子の前で小さく笑ってる一枚と、もう一枚はカフェでコーヒー持ってるやつ。自己紹介がこんな感じだった。
- 広告の会社で制作やってます。基本ばたばたしてます
- 休みはだいたいミニシアターに一人で潜ってます
- 映画は観るより、観たあとに誰かと喋りたい派です
- 「で、あれどうだった?」を言い合える人、募集中(笑)
「観たあとに誰かと喋りたい派」「で、あれどうだった?を言い合える人募集中」って書いてある時点で、もうこの子おもしろそうだなと思った。映画好きって星の数ほどいるけど、観て満足じゃなくて、観たあとに語りたくてうずうずしてる人。たぶん周りに付き合ってくれる相手がいなくて、ちょっと飢えてるんだろうなって、文章から透けてた。会ってみたくなった。

映画オタクって、こっちの知識ないとマウント取られそうで怖いっす。笑

それ俺も警戒した。でも「語りたい派」って自分で書いてる子は、たいてい聞いてくれる相手のほうが嬉しいんよ。マウント取りたい人とは書き方が違う。
俺の診断結果は相変わらず「思いつきで動く」「飽きっぽい」みたいなやつで、映画への関心とやらもたぶん下駄を履いた数字だった。なのに「趣味が近い」って出てたの、いま思うと診断が俺を底上げしてくれてたんだと思う。笑 とりあえず、共通で引っかかってた「ミニシアター」って単語を一個拾って、最初のメッセを送った。
メッセは普通。でも「最近なに観た?」で別人になった
メッセを始めた最初のうちは、わりと普通だった。アサミ、返信は早いけど、内容は「お仕事お疲れさまです」「広告って大変そうですね」みたいな、当たり障りのない感じ。仕事の話を振っても、ちょっと淡白。あれ、思ってたより乗ってこないなって、少し不安になったくらい。
流れが変わったのは、俺が雑に「最近なんか観ました? 俺、全然映画館行けてなくて」って送ったとき。これに対する返しだけ、急に文章が三倍になった。
それ聞いちゃいます?(笑)この前ミニシアターで観たやつが、もうほんと良すぎて。誰にも言えてなくて困ってたんです


困ってたんかい。笑 どんな話なんすか。
ネタバレになるんで止めときます…でも、ラスト五分でぜんぶひっくり返るやつで。一緒に観た人いたら絶対語りたいやつでした

それまでの淡白な返信がうそみたいに、ここだけ前のめりだった。あ、これがプロフに書いてた「語りたい派」か、と画面越しに分かった。仕事の話より、好きな映画の話に火がつくと別人になるんだなと。それが面白くて、俺は「じゃあ次なんか一緒に観て、そのあと語りに付き合いますよ」って誘った。LINEはアポが固まってから交換した。交換のタイミングでいつも迷う人は、LINE攻略のまとめに症状別で置いといたんで、そっち見てくれ。
待ち合わせのアサミは、ちょっと早口だった
アポは休日の昼。アサミが「ちょうど今しかやってない単館の作品があって」って言うんで、その映画館の前で待ち合わせた。来たアサミは、写真の印象どおり、小柄で落ち着いた感じ。なんだけど、挨拶のあと上映作品の話になった瞬間、ちょっと早口になった。
これ、監督が前撮ってたやつもすごく良くて。でもまだ何も言いません、観る前に言うと損なんで(笑)


我慢してる感じすごいな。笑 言いたそう。
言いたいです(笑)でも観た後にしましょ。そのほうが百倍楽しいので

「観た後にしましょ」のとこで、ちょっと嬉しそうだった。語る相手が隣にいる、っていう状況自体に、もうテンション上がってる感じ。俺はこの日、最初からガツガツ会話で詰めにいくのを放棄してた。喋りたいことを大量に抱えてる子に、こっちの話で割り込むのは違うなと思ったから。とりあえずチケット買って、二人で薄暗い場内に入った。場内、ちっちゃくて、客は十人もいない。こういう箱の独特の静かさ、ちょっとドキドキする。
観てる間より、観終わった瞬間がすごかった
これが、この日のいちばんの話。映画は、正直に言うと俺には半分くらいしか分からなかった。台詞が少なくて、説明もなくて、じわじわ進むタイプのやつ。途中「これ今どういう状況?」ってなったとこも何回かあった。でも、アサミの言ってた「ラスト五分」だけは、俺でも分かった。あ、そういうことか、って背筋がぞくっとした。
問題はそのあと。エンドロールが流れ始めた瞬間、横のアサミが、はーっと長い息を吐いた。で、まだ場内暗いのに、ちっちゃい声で「やばい」って漏らした。出て、明るいロビーに着くなり、こうだった。
どうでした? ねえ、あのラスト、気づきました? 最初のシーンと繋がってるの


え、繋がってた? 俺ラスト五分で「うわ」ってなっただけで、最初のとこ覚えてないわ。笑
もったいない!(笑)あれ最初の鏡のカットがあるから効くんですよ。ちょっとカフェ行きましょ、立ち話じゃ無理

立ち話じゃ無理、で笑った。語りたい欲がもう限界突破してて、座って喋れる場所を本気で探してる。俺、半分も分かってなかったから、むしろ「教えてもらう側」として完璧だったと思う。アサミからしたら、観たばっかりで何も染みついてない俺は、ぜんぶ喋れる相手だったわけで。すぐ近くの古い喫茶店に入った。
カフェで、閉店まで一本の映画を喋り倒した
席に着いてから、アサミのターンが始まった。さっきの映画の、どのシーンがどう効いてたか、なんであの順番なのか、監督の前の作品とどう違うか。早口なんだけど、不思議と置いてけぼりにならない。アサミ、専門用語をほぼ使わない。「あの長回し」とか言わずに「カメラがずーっと切れずに追いかけてくとこ、あったでしょ」って俺レベルに翻訳してくれる。知らない俺が「それどういう意味?」って聞くと、嫌な顔ひとつせず、むしろ嬉しそうに答える。
面白かったのが、アサミの語りが「正解の押し付け」じゃなかったこと。「私はこう思ったんですけど、アキさんどう感じました?」って、ちゃんとこっちの感想を聞いてくる。俺が「俺はあの主人公、最後まで好きになれんかった」って正直に言ったら、ぱっと食いついてきた。

あの主人公、最後まで好きになれんかったわ。なんか身勝手じゃない?
あ、それ!(笑)私それ大好物なんですよ。好きになれない主人公の映画、なんでか好きで


いや好きになれんって言うてるやん。笑
だからいいんです(笑)好きになれないのにずっと気になる、ってけっこう難しいんですよ作るの

このへんで気づいたんだけど、アサミは「分かってる人」と語りたいんじゃなくて、「ちゃんと反応してくれる人」と語りたいんだなと。俺が知ったかぶりして「あの監督の作家性が」とか言ってたら、たぶん白けてた。俺は「分からんかったけどあそこは効いた」「あの主人公むかつく」って、観た感想を素のまま投げてただけ。それがアサミの「語りたい欲」と、ちょうど噛み合った。

映画詳しくないのに、逆にハマったってことっすか。ずるい。笑

ずるくない。笑 詳しくないからこそ素で「むかつく」って言えただけ。にわか知識で語ってたら一発で見抜かれてたわ。
気づいたら一時間半くらい、ずっと一本の映画の話をしてた。コーヒーお代わりして、まだ喋ってる。途中で店員さんに「そろそろラストオーダーです」って言われて、二人して「もうそんな時間?」って顔を見合わせた。あの、時間が溶ける感じ、久しぶりだった。
映画から離れたら、アサミは少しおとなしくなった
店を出て、まだ陽が残ってたから、もう一軒、軽く飲める店に移った。面白かったのが、映画の話がひと段落して、普通の話になった瞬間、アサミのテンションがすこし落ち着いたこと。あの早口、ほんとに好きなものの話の時だけなんだなと笑った。

今気づいたけど、映画の話のときと今、別人だよな君。さっきまであんな早口だったのに。笑
やだ、バレてる(笑)映画のことになると、自分でも止まらなくなるみたいで


いや、いいと思うよ。あんだけ熱量持って喋れるもんがある人、なかなかおらん。
それで初めて、映画じゃない話を少しした。広告の制作って実は地味な締め切り作業の連続で、土日に映画館で一人になる時間が、唯一の逃げ場なんだと。「友達とも観には行くんですけど、みんな観たら満足しちゃって、私だけ語りたくて余っちゃうんです(笑)」って言ってて、あ、プロフの「募集中」はこれかと腑に落ちた。語りたいのに受け止めてくれる相手がいない、ってずっと余ってたわけだ。
今日、ちゃんと最後まで語りに付き合ってくれて。正直、こんなに喋ったの久しぶりです(笑)


いや俺、半分しか分かってなかったけどな。笑
それがよかったんですよ。分かってる人だと、答え合わせみたいになっちゃうので

このへんで、お互いちょっと素になってた。映画の話の間はアサミがずっと喋る側だったけど、ここからはこっちの仕事の話とか、普段なに観るかとか、普通の探り合いになった。声のトーンは落ち着いてるけど、目を合わせる回数が増えてた。詰めにいかずに、向こうが喋りたいことを喋らせて、こっちは正直に反応してただけ。それで距離が縮んでいく感覚があった。俺は乗ってこない素振りが見えたら引くつもりでいたけど、その日はその気配がなかった。最後は、ちゃんといい雰囲気のまま、その日が終わった。ここから先はいつも通り書かない。
その後。次は二本立て、って予告された
アサミとはその後も続いてる。連絡のリズムは穏やかで、向こうから「今日の現場、修正地獄で死んでた」みたいな仕事のグチが来たり、俺が「この前の映画、まだ最初の鏡のシーン思い出してる」って報告したり。返信はわりと早い。でも、たまに「これ観た!?」って配信のリンクと一緒に長文が飛んでくると、あ、また語りたい欲が溜まってるなって分かって笑う。
次、同じ監督の前のやつ、二本立てでやるとこ見つけたんで。連続で観て、そのあと語りましょ(笑)


二本立て。笑 俺、二本目の途中で寝ない自信ないわ。
寝たら起こします(笑)感想言えなくなると困るので

この前は、アサミが自分の観た映画リストみたいなのを見せてくれて、星と短いメモがびっしり付いてた。「これアキさん好きそう」「これは観なくていい」って、自分用の記録がそのまま俺へのおすすめになってた。俺は会った子のことをメモする癖があって、アサミの欄には「普段は淡白なのに映画の話だけ別人みたいに早口になる」って一行だけメモってある。次に会うとき困らないように、こういう取説を作っとくのが俺のやり方なんよ。
あのおすすめリスト、俺なりに一本ずつ消化してて、星五個のやつは次に会うまでに観とくつもりでいる。アプリでどう出会うかはこのへんに置いといた。with繋がりだと、作品の前で別人になる美術館の学芸員の子、静かなとこで語る図書館司書の子、理屈っぽさが面白い理系の院生の子の回もそのうち読んでくれ。
- 余裕のある大人の子が多い印象だから、変な探り合いが少なくてやり取りが楽だった
- 「会う前提」で繋がる空気だから、いいなと思った子とも上品なまま話を進めやすい
- 下見だけなら無料。本気で会いに行くなら、男は有料で動くのが結局いちばん早かった
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最後に余談。二本立ての話、俺はちょっと身構えてる。前回一本でも、観終わってから店が閉まるまで喋ったわけで、二本観たらアサミの語りたい欲はどうなるんだ、と。たぶん日付が変わるまでコーヒー飲むことになる。まあ、それはそれで悪くない。星五個のやつ、本人には黙ってるけど、ちゃんと予習していくつもり。バレない程度に。
会った後の流れまで、次に読む。
アプリで会ったあとに失速しないように、連絡、待ち合わせ、次のデートへ繋がる記事を置いています。


