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【七夕の出会い】短冊の前で笑い合った25歳と、願い事は言わない夜

【七夕の出会い】短冊の前で笑い合った25歳と、願い事は言わない夜
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NIGHT REPORT / 現場

短冊の前で笑い合った25歳と、願い事は言わない夜

7月7日、仕事帰りに通った商店街の笹飾りで、短冊を書いてる25歳と隣り合った。和菓子屋の販売のアサヒ。お互いの短冊を覗き見て「何書いたか言わない」攻防が始まって、夏の夕暮れの笹の下でじわじわ距離が縮んだ。お持ち帰りはなし。願い事は最後まで言わなかった、甘酸っぱい連絡先交換までの夜。

七夕の出会い現場読了 14分
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TYPEアサヒ 25歳
和菓子屋の販売
PLACE現場
現場レポ
HOOK現場感を
そのまま読む

7月7日。仕事帰りに、いつもは通らない方の商店街を抜けて帰ろうとしたら、アーケードの天井から笹が何本もぶら下がってた。

短冊がびっしり。色とりどりの細長い紙が、夕方の生ぬるい風でいっせいに揺れてて、近所の子どもが書いたであろう「ぷりきゅあになりたい」みたいなやつの隣に、わりとガチな「健康第一」とか「宝くじ」とかが並んでる。商店街の七夕飾りって、あの本気とふざけが同居してる感じが妙にいいんだよな。

で、今日はその笹の下で隣り合った子の話。先に言っとくと、この話にお持ち帰りは出てこない。笹の下で立ち話して、短冊を一枚ずつ書いて、最後に連絡先を交換した。それだけ。それだけなんだけど、夏の入り口の夕暮れの色と、あの「何書いたか言わない」やり取りが、しばらく頭に残るやつになった。

Scene 01

7月7日の商店街、笹の下に短冊を書ける台があった

FIELD MEMO

七夕の出会いの入口、現場での空気、会った後の動きまで。場面ごとの温度を拾いながら、アキの現場感をそのまま読む記事です。

笹の根元に、長机が一つ置いてあった。短冊が箱に山盛りで、マジックが何本か転がってて、「ご自由にどうぞ」の手書きの紙。子ども向けっぽいけど、注意書きには「大人の方もぜひ」ってちゃんと書いてある。商店街の振興組合がやってるやつだ。

正直、最初はスルーするつもりだった。25過ぎたおっさん…いや、まだおっさんじゃない、けど、いい年した男が一人で短冊書いてるの、字面だけだとなかなかの絵面だろ。笑 でも、笹の揺れ方が良すぎて、なんとなく足が止まった。夕方の6時半くらい。空がまだ完全には暗くなってなくて、青と橙が混ざった、あの一年で一番きれいな時間帯。アーケードの照明がつき始めて、短冊の色がふわっと浮かび上がってた。

机の前に、一人だけ先客がいた。

アキ
アキ

仕事帰りに笹見て足が止まるとは思わなかった。七夕の商店街、不意打ちで来るんだよな。

短冊を一枚手に取って、マジックを構えて、けっこう長い時間止まってる子だった。書こうとして、書かない。手は止まってるのに、目はずっと真剣。あれ、なに書こうか迷ってる顔じゃなくて、もう決まってるけど書くかどうか迷ってる顔だな、って思った。

Scene 02

短冊を書こうとして止まってる25歳がいた

声をかけたのは、こっちが机に近づいてマジックを取ろうとしたら、置いてあった箱がぐらついて、短冊が数枚ふわっと落ちたから。彼女のほうに2枚くらい流れていって、彼女がそれを拾ってくれた。

アサヒ

あ…これ、落ちました。

アサヒ
アキ
アキ

すいません。俺が机ぶつけたせいです。…ってか、さっきからすごい真剣に止まってますね。

アサヒ

え、見られてました…?(笑) なんか…ちゃんと書こうとすると、急に難しくて。

アサヒ
アキ
アキ

わかる。子どもの頃は秒で書けたのに。今書こうとすると、願いが急に重くなる。

アサヒ

それです…。重いんですよ、大人の願い事って(笑)

アサヒ

これが最初の会話。短冊が落ちて拾ってくれた、っていう本当にしょうもないきっかけで、しかも「俺が机ぶつけたせい」だから、向こうからしたら警戒する筋合いもない。

七夕の笹の下って、ナンパの場として独特なんだわ。何が独特かって、そこにいる時点で、お互い「願い事を書きに来た側」っていう同じ立場になること。クラブとか相席屋みたいに「狩る側/狩られる側」の構図がそもそも生まれない。二人ともマジック持って短冊の前で困ってる、ただの間抜けな大人同士。この、最初から横並びになれる感じが、めちゃくちゃ効く。

それと、夕暮れ。これがデカい。七夕の夕方って、人が一年で一番センチメンタルになりやすい時間帯だと思う。空がきれいで、笹が揺れてて、子どもの願い事が目に入って、なんとなく自分の一年を振り返るモードになる。普段なら絶対しないような、ちょっと素の話が、するっと出てくる空気がある。

コウ
コウ

いやでもアキさん、七夕で短冊書いてる女の子に話しかけるって、めちゃくちゃ間抜けな絵にならないすか…?

アキ
アキ

なるよ。でもそれがいいんだよ。お互い間抜けな絵なんだから。かっこつけようがない場所のほうが、変に気負わずに喋れる。下駄で笑った浴衣の子の話も前に書いたけど、ああいう”特別な日”の緩さに近い。

ちなみに今日いい感じになったのが、和菓子屋の販売をしてるアサヒ(25)。仕事帰りで、地元のちょっと有名な和菓子屋で店頭に立ってるらしい。はにかみ屋で、最初は語尾がふわっと消えるんだけど、好きなものの話になると目がちょっと変わるタイプ。浴衣と和菓子が好き、っていう、令和に貴重な古風さの持ち主だった。

Scene 03

「何書いたか言わない」攻防が始まった

二人とも、結局なかなか書けなかった。だから先に、どうでもいい話のほうが進んだ。

机を挟んで斜めに立って、お互いマジックを持ったまま、まず「重い願い事問題」について話した。子どもの「プリキュアになりたい」を二人で読んで、「これは強い」「迷いがない」「大人が一番失ったやつ」とか言い合ってるうちに、自然に喋れてた。

アキ
アキ

この「ぱぱのはげがなおりますように」、子どもの願い、容赦なくないですか。笑

アサヒ

ふふっ、それさっき私も読んで…。パパ、見たらどうするんだろうって(笑)

アサヒ
アキ
アキ

泣くか笑うかですよね。…で、アサヒさんは結局なに書くか決まったんですか。

アサヒ

あ、教えないです。

アサヒ
アキ
アキ

はや。即答だったな今。

アサヒ

だって…言ったら叶わなくなるって、子どもの頃から思ってて(笑)

アサヒ

ここで、この夜の遊びのルールが決まった。「願い事は言わない」。お互いそれを守る。守るんだけど、相手のは見たい。この、言わないけど覗きたい、っていう矛盾が、そのまま会話の燃料になった。

俺が短冊を書くフリして手で隠すと、彼女が「えー」って軽く身を乗り出してきて、すぐ「あ、見ない見ない」って引っ込む。今度は彼女が書こうとして、書き始めた瞬間に手のひらでガードする。お互い、相手の短冊を覗こうとしては「ずるい」「そっちが先」ってやってる。中学生か、っていう。笑 でも、こういう中身のない攻防が一番、距離を詰めるんだよな。

アキ
アキ

じゃあ取引しません?俺のジャンルだけ教えるから、そっちもジャンルだけ。中身は言わない。

アサヒ

ジャンル…(笑) 願い事にジャンルあります?

アサヒ
アキ
アキ

あるでしょ。健康系・お金系・恋愛系・仕事系。俺は…仕事系、ってことにしときます。

アサヒ

ふうん…。「ってことにしときます」が、なんか嘘くさい(笑)

アサヒ
アキ
アキ

鋭いな。…で、アサヒさんは?

アサヒ

私は…内緒のジャンルです。

アサヒ
アキ
アキ

新ジャンル作るな。笑

「内緒のジャンル」で逃げられた。でも、その逃げ方がちょっと嬉しそうだったから、まあいい。願い事を言わせようとするほど、向こうも守りに入って、その攻防そのものが楽しくなってくる。七夕って、本音がちょっとだけ漏れる装置なんだよな。「言わない」って決めてるからこそ、その周りの言い方とか、ガードする手つきとか、目線で、その人の素がちらっと見える。

Scene 04

和菓子屋の話になると、声がちょっと前に出る

会話が進んで、なんの仕事してるのって流れになった。和菓子屋の販売、って聞いて、俺はわりと素で食いついた。

アキ
アキ

和菓子屋。渋い。今どき逆にレアじゃないですか、その趣味というか、仕事。

アサヒ

よく言われます…。友達にも「渋いね」って(笑) でも、季節ごとに上生菓子が変わるのが、本当にきれいで。

アサヒ
アキ
アキ

上生菓子。…あの、見た目が芸術品みたいなやつですよね。

アサヒ

そうです、それです。今の時季だと、天の川を模したのとか、笹をかたどったのとか…あ、ちょうど七夕の。

アサヒ

ここで、声がちょっと前に出た。さっきまで語尾が消えてた子が、和菓子の話になった瞬間、目線が上がって、説明が止まらなくなる。寒天で天の川を表現するとか、職人さんが一個一個手で作るとか、季節の和菓子には全部意味があるとか。前にコインランドリーで偶然隣り合った子の話を書いたとき、その子は洗濯の待ち時間の過ごし方に妙なこだわりがあったんだけど、ああいう「好きなことになると人が変わる瞬間」って、見てて飽きないんだよな。

アキ
アキ

いま完全にスイッチ入りましたね。和菓子の話、声でかくなった。

アサヒ

え、うそ…(笑) やだ、語っちゃってた。

アサヒ
アキ
アキ

いや、いいと思います。さっきの「内緒のジャンル」のときより、よっぽど生き生きしてる。

アサヒ

もう、それ言わないでください…(笑)

アサヒ

ちなみにこの、酒も入ってなくて、変なテンションも作らずに、目の前の人とただ好きなものの話をする感じ。これ、夜の繁華街の声かけよりずっと、休日の昼ナンパに近い温度なんだよな。押すんじゃなくて、相手の好きなものの温度に合わせにいく。七夕の場合は、笹と夕暮れが勝手に温度を整えてくれてる。

Scene 05

結局、二人とも短冊は書いた。中身は伏せたまま

そろそろ書くか、ってなった。お互い、ちゃんと書く。ただし、中身は見せない。

俺は壁のほうを向いて、手で隠して書いた。彼女も机の角で背中を向けて書いてた。書き終わって、二人とも短冊を伏せたまま、結び紐を通して、笹の枝に結ぶところまで。背伸びして高いとこに結ぼうとしてた彼女が、ちょっと届かなくて、

アサヒ

あ…ここ、結びたいのに、届かない…

アサヒ
アキ
アキ

貸してください、やります。…これ、どこに結べばいいですか。

アサヒ

えっと…じゃあ、その、一番上の枝の…あ、でも中身は見ないでくださいね。

アサヒ
アキ
アキ

見ないですよ。…って言いつつ、いま渡されたら普通に見えるんですけど。

アサヒ

あっ、だめ、ちょっと待って…!(笑)

アサヒ

慌てて短冊を折りたたんで、文字が見えないようにしてから渡してきた。その慌てっぷりで、逆に「絶対これ見られたくないやつ書いたな」っていうのが伝わってくる。笑 俺は律儀に、折りたたまれたまま受け取って、見ないで一番上の枝に結んだ。

二人分の短冊が、ほかの何百枚かに混ざって、夕暮れの風で揺れてる。どれが俺ので、どれが彼女のか、もう自分でもわからなくなる。それでいいんだと思った。言わない・見せない、を最後まで守ったから、その願い事は二人の中だけにある。なんか、それが妙にロマンチックで、自分で書いといてちょっと照れた。

正直に言うと、この時点で下心がゼロだったかっていうと、嘘になる。俺もナンパ師の端くれなんで。笑 でも、順番の話で。先に短冊で、先に和菓子の話で、それが楽しかった。連絡先のことは、まだ一回も口に出してなかった。困ってる人を「チャンス」として数える感覚は俺にはないし、七夕の笹の下で素で笑ってる子に対して、いきなりガツガツいくのは、この場の空気に対しても失礼だと思う。

Scene 06

笹の下で連絡先を交換した。願い事は言わないまま

短冊を結び終わって、空がだいぶ暗くなってた。アーケードの外、笹の隙間から見える空に、気の早い一番星みたいなのが一個出てた。本物の天の川は都会じゃ見えないけど、まあ、笹と短冊があれば気分は出る。

そろそろ帰る流れになって、連絡先の話は、俺からした。理由も込みで。

アキ
アキ

あの、アサヒさんの店の天の川の上生菓子、普通に食べに行きたいんで、店どこか教えてもらっていいですか。

アサヒ

あ、それは…全然。むしろ宣伝なので(笑)

アサヒ
アキ
アキ

じゃあ、いつ行ったら天の川あるとか、聞きたいんで…連絡先、聞いてもいいやつですか。だめなら店だけでいいです。

アサヒ

……(笑)。なんか、すごい慎重に聞きますね。

アサヒ
アキ
アキ

七夕で出会った子にガツガツいくの、なんか違う気がして。笹に見られてるし。

アサヒ

笹に(笑)。…いいですよ。じゃあ、交換しましょ。天の川、なくなる前に来てくださいね。

アサヒ

LINEを交換してくれた。最後に、ダメ元で聞いた。

アキ
アキ

最後に一個だけ。さっきの短冊、結局なに書いたんですか。

アサヒ

教えないです。

アサヒ
アキ
アキ

即答。さっきと一文字も変わってない。笑

アサヒ

叶ったら、教えるかもしれないです。…たぶん。

アサヒ

「叶ったら、教えるかもしれない」。これだけ置いて、彼女は下駄じゃなくて普通のパンプスでカツカツ歩いて、人混みのほうに消えてった。願い事は最後まで言わないまま。でも「叶ったら教える」っていうのは、つまり、また会う前提の言い方なわけで。そこに気づいて、一人で笹の下でニヤけてたのは、たぶん俺だけだった。

Scene 07

後日談。短冊の願い事と、偶然を待たない人へ

後日談を少し。

LINEは続いてる。和菓子の写真がたまに送られてきて、こっちは「これは天の川か?」「いや、それは紫陽花です」みたいな、しょうもないやり取りをしてる。例の天の川の上生菓子は、結局七夕が終わる前に店に食べに行った。ちゃんと、寒天の中に金箔が散らしてあって、本当に夜空みたいだった。レジに立ってたアサヒが、俺に気づいた瞬間ちょっと笑いそうになって、でも接客モードで「いらっしゃいませ」って言ってたのが、なんか良かった。

短冊の願い事は、まだ聞けてない。叶ってないのか、叶ったけど教える気がないのか、それは知らない。聞かないでおくのが、たぶんあの夜のルールに合ってる。交換したあとの間合いの作り方はLINE攻略まとめのほうに書いたから、距離の詰め方が気になる人はそっち見て。

で、毎回しつこく書くけど、現実の話もしておく。

こういう七夕の出会いは、最高なんだけど、狙えない。7月7日に、たまたま通らない方の商店街を通って、たまたま笹の下に短冊を書ける台があって、たまたまそこで止まってる子がいる。この確率、冷静に考えてみてほしい。そもそも七夕は年に一回だ。英会話のミートアップで隣になった子の話みたいな日常の中の出会いも書いたけど、ああいうのですら週一・月一ペース。七夕にいたっては、年一回のボーナスステージで、来年まで来ない。偶然を待つだけだと、母数が圧倒的に足りないんだよな。

だから俺は、普段の母数はマッチングアプリで回しておいて、七夕とか、雨宿りとか、季節の偶然は「来たら全力で乗る」枠にしてる。普段ちゃんと回してるから、笹の下で短冊書いてる子に話しかける度胸も、変に気負わずに出せる。偶然頼みだと、こういう一回がやたら重くなって、逆に動けなくなるからな。

どのアプリで会えるかは、こっちにまとめた出会えるアプリランキングを見る

全部実際に使った俺の本音ランキング。目的別の使い分けも載せてる。

コウ
コウ

アキさんが「笹に見られてるし」って自重してるの、初めて見たかもしれないっす。

アキ
アキ

な。あの場であれ以上いったら、なんか七夕に怒られる気がしたんだよ。短冊の願い事って、お互い言わないからいいんだと思うわ。全部言っちゃったら、たぶんつまんない。

天の川の上生菓子は、来年もまた食べに行く。そのとき、彼女の短冊の願い事を聞けてるかどうかは、まあ、その時の天の川次第ってことで。

NEXT ROUTE

この流れの次に読む記事。

読み終わったあとに動きやすいように、連絡、街での流し方、次の場づくりに近い記事を置いています。

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アキ
ナンパ歴10年ちょい。アプリ・ストナン・相席・遠征までなんでも行く30代。実際に行って出会って、どうなったかをそのまま書いてます。