弁護士の31歳と、理詰めの奥のやわらかさを見た夜
Omiaiで出会った企業法務の弁護士カナコ(31)。言葉が正確で隙がなく、雑な言葉は容赦なく拾われる。最初は反対尋問でも受けてる気分だった俺が、理屈が一本通った瞬間に一気に砕ける彼女のやわらかさを見た夜を実況したOmiai体験談。会計士の潔癖とも銀行員の堅実とも違う、言葉で武装した人の素を覗いた回です。
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今回はOmiaiで会った、企業法務の弁護士カナコ(31)の話。先に言っとくと、この子は「言葉が正確すぎる」人だった。こっちが雑に投げた一言を、ぜんぶ拾って返してくる。最初の一時間は、正直、デートっていうより反対尋問を受けてる気分だった。笑 でも、こっちの理屈が一本ちゃんと通った瞬間に、武装してた言葉がふっとほどけて、別人みたいに笑う。その落差にやられた、っていう回。
弁護士の子って、会う前がいちばん身構える。論破されそうだし、揚げ足取られそうだし、こっちの薄っぺらさが言葉の端から漏れそうで。実際カナコは言葉に厳しかったんだけど、その厳しさの奥に、妙に熱い正義感と情の厚さが見えた瞬間があって、そこからは一気だった。一組、まったく噛み合わなかった日もあるんで、それは正直に後で書く。Omiaiで士業の子とマッチしたらどんな感じか、気になる人の参考になればと思う。
Omiaiのプロフが、注意書きのない準備書面だった弁護士の子
Omiai体験談の入口、現場での空気、会った後の動きまで。場面ごとの温度を拾いながら、アキの現場感をそのまま読む記事です。
カナコのプロフは、Omiaiの中でも一発で「あ、地頭いい人だ」とわかる文章だった。盛ってもないし、自虐で逃げてもいない。一文一文が短くて、無駄がなくて、でも冷たくない。読点の打ち方まできれいで、なんか、ちゃんと推敲された文章だなと思った。
写真は、本棚の前で横を向いてる一枚と、海外旅行先っぽい風景に小さく写ってる一枚。盛れてる自撮りのドアップは無し。で、自己紹介がこう。
- 士業です(職種は会ってからお話しします)。平日は読めない時間に働いています
- 言葉の仕事なので、文章を細かく見てしまう癖があります。先に謝っておきます
- 理屈っぽいです。これは欠点ではなく仕様だと思っています
- 「怖そう」と言われがちですが、たぶん半分は誤解です
「理屈っぽいのは欠点ではなく仕様」。この一行で、お、と思った。自分の面倒くささを、ちゃんと言語化した上で、笑いに変えてる。これ書ける子は、自分を外から見られる。隠して会ってから幻滅させるより、最初に手の内を開示しちゃうタイプだ。たぶん、不利な事実を後出しにする怖さを、仕事で知ってる人。

弁護士って、喋ってて言葉尻つかまれそうで怖くないすか…?アキさん臆さないんすか

怖いかは会ってみないとわからん。でもな、「理屈っぽいのは仕様」って自分でいじれる時点で、たぶん話せる子なのよ。本気で面倒な人は、自分の面倒くささを笑えない。

あー、自分を笑えるかどうか、っすか
いいねは俺から送った。マッチして、最初のメッセはカナコから。
マッチありがとうございます。プロフ、固そうで引きませんでした?


いや、「理屈っぽいのは仕様」のとこ、笑いました。仕様って言い切るの強い。笑
バグ扱いされると直さなきゃいけなくなるので(笑)仕様なら直さなくていいんです

「仕様なら直さなくていい」。初手からこの返し。固いって自分で言ってたけど、ユーモアの瞬発力がある。読めない人より、よっぽど面白そうだなと思った。
Omiaiの”真剣度の高さ”が、時間の読めない弁護士に効いてた理由
ここで一回、Omiaiってアプリの話をしておく。使ってて思うのは、登録のハードルが地味に高くて、軽いノリの暇つぶし勢が少ないこと。年齢確認も本人確認もちゃんとしてて、プロフを読むだけで温度の違いがわかる。「とりあえず会お」みたいな空気が薄い場所だ。
で、これがカナコみたいな子にはハマってた。企業法務の弁護士って、案件が動くと平気で深夜まで読めない。会える窓がいつ空くか自分でも分からないから、無駄打ちが一番きつい。何往復もメッセして、やっと会えたら全然温度が違った、みたいなのを心底嫌う。だから、最初から真剣度が高い人が集まってる場所じゃないと、そもそも入る気にならない。カナコが後で「依頼者の重い相談を一日中聞いた後に、軽いノリのメッセを捌く体力はもう無いんです」って言ってた。
だから逆に、男側が軽く突っ込むと一発で見切られる。「今日ヒマ?」みたいなのは、忙しくて選んでる子からすると最初に弾くやつだ。カナコとはOmiaiで出会ったわけだけど、俺がやったのは押すことじゃなくて、「木曜と来週どっちが読めます?」って先に向こうの空き枠を聞いたことだけ。急かさず、決まった枠に合わせた。それで「この人とは雑にならなそう」って思われたんだと思う。

忙しい子ほど、押すより「会って楽そう」に見えるかが勝負。会ってがっかりさせなさそう、って思わせた時点で、もう半分進んでる。
メッセは反対尋問だった。けど、理屈が通ったら一気に潮目が変わった
メッセを数日続けて、わかったことがある。カナコ、言葉を一字一句拾う。雑な誘いには、すぐ「それは具体的にどういう意味ですか」が返ってくる。

カナコさん、なんか話しやすそうですね
「話しやすそう」の根拠ってなんですか?まだ三往復しかしてないのに(笑)


あ、ほんとだ。今のはノリで言いました。すいません、根拠ゼロです。
……正直に「根拠ゼロ」って認めるの、逆に好感です。ごまかす人が多いので

「ごまかさない人が好き」。これがカナコの全部だった。盛った言葉や、雰囲気だけの褒めは、ぜんぶ反対尋問で潰される。でも、ごまかさずに「今のは適当でした」って認めると、態度がふっと変わる。論破して勝ちたいわけじゃなくて、ただ、嘘や誤魔化しが生理的にダメな人なんだなと思った。逆に言うと、こっちが正直でさえいれば、言葉の関所はちゃんと通してくれる。

いちいち根拠詰められるの、しんどくないすか

最初しんどい。笑 でもな、嘘を嫌う子って、一回信用すると裏表がないのよ。腹のなか読まなくていいから、こっちも結局ラク。
LINEの交換は、アポが固まってから。これもカナコが「当日に連絡がつく方が確実なので、日が決まってから交換しましょう」と先に線を引いてきた。一個一個が筋っぽい。アポの決め方とか最初の文面で詰まる人は、LINE攻略のまとめに症状別で書いたんで、そっち見てくれ。
アポは平日の木曜、20時で確定。「今週は読めるので木曜なら。来週は裁判の準備で消えます」って、自分で空き枠を逆算して提示してきた。仕事の波を把握してる感じが、もうプロだった。
木曜20時、ちょい良い店で「言葉の正確さ」を浴びる
店は俺が予約しといた、駅から少し奥に入った静かな割烹。カウンターの端の二人席。今回は落ち着いて喋りたかったんで、騒がしくない場所を選んだ。ちょい良い、でも肩肘張りすぎない店。
カナコは時間ぴったりに来た。きれいめのジャケットに、背筋がしゃんとしてる。第一声から、もうカナコだった。
はじめまして。この店、予約しづらいって口コミありましたよ。よく取れましたね


来る前に口コミまで読んでくるの、調査入ってる。笑
事前に情報を集めるのが仕事なので。…あ、別に身辺調査じゃないですよ、念のため(笑)

最初の三十分は、はっきり言葉の関所モードだった。黙るとかじゃなくて、よく喋るんだけど、一つひとつの言葉が正確で、こっちの曖昧な相づちも拾ってくる。「『たぶん』ってどのくらいの確度ですか」みたいに。仕事の話は、守秘義務でぼかしながらだけど、面白かった。契約書の「てにをは」一個で何百万も意味が変わる話、相手方の代理人と一文字単位で交渉する話、依頼者が泣きながら相談に来た話。
「及び」と「並びに」で、契約の意味が変わるんですよ。だから言葉を雑に使う人を見ると、つい


及び、と、並びに。違いがあるのも知らんかった…。俺の日本語、たぶん全部却下されるわ。
却下はしません(笑)でも、訂正したくてうずうずはします

言葉に厳しい理由は、仕事で「言葉が武器であり凶器」だからだった。一文字の曖昧さが、誰かの権利を削る。だから、雑な言葉が許せないように体ができてる。「怖そうが半分誤解」って書いてた意味が、だんだん分かってきた。本人は人を裁きたいわけじゃなくて、ただ、不正確さが許せないだけ。そこは譲らない一線で、でもそれ以外は、わりと熱くて感情的な人らしい。
正義感の話で、武装してた言葉が一気にほどけた
潮目が変わったのは、カナコが仕事の話をしてる途中だった。守秘義務でぼかしながら、立場の弱い依頼者がちゃんと守られた、っていう話をしてる時、ふと声のトーンが変わった。
泣き寝入りしかけてた人が、最後にちゃんと報われると、もう、こっちが泣きそうになるんですよ


お、急にトーン変わった。さっきまで言葉の精度の話してたのに、今は熱いっすね。
……あ、バレた。私、理屈っぽいくせに、根っこはわりと熱血なんです。それで損もしてます

そこで俺が「言葉に厳しいの、結局その人を守りたいからっすよね」ってポロッと言ったら、カナコが少し黙って、それから笑った。理屈じゃなくて、ちゃんとこっちの言葉が芯に当たった感じの笑い方だった。
……それ、初対面で言われたの初めてです。みんな「怖い」で止まるので


怖いっていうか、なんか、まっすぐな人だなと思って。
もう、そういうの不意打ちで言わないでください(笑)反論できないじゃないですか

そこからのカナコは、別人だった。言葉の関所が、ふっと開く。一字一句拾ってた人が、自分の失敗をベラベラ喋りだす。学生時代に正義感で先生に噛みついて職員室に呼ばれた話、依頼者に感情移入しすぎて先輩に叱られた話、料理が壊滅的でレシピの分量を法律みたいに守らないと作れない話。理屈っぽいのに、根っこは情で動く人だって、自分でバラしてくる。

言葉に厳しい人が、レシピの分量は守れないの、面白いな。笑
守るんですよ、守りすぎて、塩少々で十分悩みます。少々って何グラムですか


少々に根拠求めるの、ほんとブレないな。
曖昧な指示が世界でいちばん苦手なんです(笑)

「少々って何グラムですか」が、もうさっきの言葉の関所と別人。同じ目で、別の人が喋ってる。武装してたのは言葉だけで、中身は熱くて、ちょっと不器用な人だった。緊張して構えてた相手が、芯に当たってほどける瞬間って、見てて気持ちいいんだよな。
正直、俺は言葉も理屈も大ざっぱな人間で、カナコの前だと粗が目立つはずなんだけど、不思議と萎縮しなかった。本人が「私も熱血で損してる」「料理は壊滅」って先に自分を割ってくれるから、上から来ない。完璧な人なんじゃなくて、仕事の言葉だけ完璧で、あとはわりと人間くさい。そのバランスが、一緒にいて楽だった。
「言質取りますよ」が、口説き文句に化けた夜
二時間ちょっと喋って、会計も済ませて、店を出た。木曜の夜、まだ22時前。割烹を出たところで、夜風が少し冷たくて、カナコがコートの襟を立てた。ここからどうするかな、と思ってたら、向こうが先に口を開いた。
さっき「また会いたい」って言いましたよね。あれ、言質として取っておきますね


言質。笑 弁護士に口説かれてる気がしてきた。
口説いてません。事実確認です。…という建前で、口説いてます(笑)

「建前で口説いてます」を、自分でバラすの、もう降参してるようなもんだろ。笑 理屈の人の大胆さって、ノリじゃなくて、こうやって「言質を取る」みたいな仕事の言い回しの皮をかぶってやってくる。皮の下が、ちょっと甘い。
……あの、明日、午前のアポ、入ってないんですよね、私


え。
あ、これは単なる事実の陳述です。陳述(笑)

事実の陳述、って自分でフォローするの、もうほぼ自白だろ。笑 言葉のプロが、いちばん肝心なところは仕事の言葉で武装して言ってくる。耳がちょっと赤いのは、日本酒のせいだけじゃなさそうだった。逆算して空けてきたんだろうな、と思った。
一組、完全に噛み合わなかった日も正直に書いとく
ここで一回、正直な話を挟んどく。カナコの前に、同じOmiaiで別の士業っぽい子と会って、まったく噛み合わなかった日があった。その子は逆に、こっちが何を言っても「へぇ」と「そうなんですね」しか返ってこない。盛り上げようとしても、終始反応がフラットで、壁打ちしてる気分だった。

……今日、楽しかったすか?正直
あ、まあ、普通です。…たぶん

「たぶん」で終わった。笑 無理に粘らず、一杯だけで解散にした。これは相手が悪いとかじゃなくて、ただ単に温度が合わなかっただけ。無理に火をつけようとしても、向こうの炉に薪が無い日はある。一杯で「ごちそうさまでした」って言われて、お互い軽く会釈して、それで終わり。こういう日もふつうにある。

噛み合わない日って、引きずらないんすか

引きずらん。合わなかっただけだしな。次いこ次、で終わり。笑
その後。言葉のプロが、肩の力を抜いた夜のこと
- 余裕のある大人の子が多い印象だから、変な探り合いが少なくてやり取りが楽だった
- 「会う前提」で繋がる空気だから、いいなと思った子とも上品なまま話を進めやすい
- 下見だけなら無料。本気で会いに行くなら、男は有料で動くのが結局いちばん早かった
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カナコとはその後も続いてる。連絡のリズムは合理的で、案件が立て込むと「来週は完全に消えます。死活問題なので、生存報告だけします」って先に宣言が来る。そのかわり、空いた時期は自分から木曜あたりの枠を提示してくる。「来週は地獄、再来週は天国です」みたいな予報が毎回来るのが、もうカナコだなと思って笑う。
木曜の夜のあと、いい雰囲気のまま、そのままお持ち帰りになった。ここから先はいつも通り書かない。まっすぐで誠実な子ほど、なおさら。一つだけ言っとくと、ちゃんと相手の表情と間を見て、乗ってるのを確かめてから。俺は乗ってこないなら引く、それだけ。
で、続けてみてわかったのが、言葉が完璧なのは仕事だけで、肩の力を抜いたカナコはわりと不器用でかわいい人だったこと。プロフ通り、根は熱血で情で動く。この前、好きな映画の話で泣きそうになってて、「これは涙腺の生理現象であって、感傷ではありません」って真顔で言い張ってた。理屈で武装してるけど、いちばんの弱点は自分の感情らしい。
今のは、泣いてません。目に水分が分泌されただけです


それを言い換えで乗り切ろうとするの、職業病えぐいな。笑
事実を正確に述べただけです(笑)

俺は会った子のことをEvernoteでメモしてて、カナコの欄には「企業法務の弁護士・言葉が正確で雑な言葉は拾われる・嘘と誤魔化しが嫌い、正直なら通る・根は熱血で情に厚い・料理壊滅でレシピは厳守・案件が立て込むと消える・感情を言い換えでごまかす癖」って書いてある。次に会うときの取説。記憶力ないんで、こうやって補ってる。…まあ、カナコに関しては、メモ見なくてもだいぶ覚えてるんだけど。
同じOmiaiの士業つながりだと、公認会計士の数字に潔癖な子と会った回がカナコと近い匂い。ただ、あっちは「数字の一円」に潔癖で、カナコは「言葉の一文字」に正確。同じきっちりでも、武器が数字か言葉かで、緩み方がまるで違うのが面白い。あと、堅実さつながりで銀行員の子と会った回も書いたんで、士業・かたい職業の子の空気を知りたい人はそっちも。
ちなみにカナコとはいつも使ってるアプリで出会った。あの「死活問題なので生存報告だけします」っていう宣言、たぶん仕事のメールの文体がそのまま出てるんだろうな。読むたびに笑う。
最後に余談。この前、俺が口約束をうっかり破りかけたら「契約は守るものです」って真顔で言われた。デートで契約遵守を説かれたの初めてだわ。笑 でも、言われた通り、約束したことはちゃんと守るようにしてる。…悔しいけど、言葉の人に言われると、効く。
会った後の流れまで、次に読む。
アプリで会ったあとに失速しないように、連絡、待ち合わせ、次のデートへ繋がる記事を置いています。


