ランニングが日課の27歳と皇居ラン→クラフトビールで乾杯した夜
withで出会った人材会社営業のカナ(27)はランニングが日課。初アポは夕方の皇居ラン1周からのクラフトビールで乾杯という初めての形だった。竹橋の坂でバテた俺の見栄と、一杯目で一気に素が出たカナ。走ってから飲む初デートのwith体験談。
人材会社の営業PLACE栄
現場レポHOOK会う前提の
導線
今回はwithで会った、ランニングが日課って子の話。カナ、27歳、人材会社の営業。この子との初アポが、飲みでも昼のカフェでもなくて、夕方の皇居ラン1周からの、クラフトビールで乾杯っていう、俺の歴史上はじめてのパターンだった。走ってから飲む。この順番が思った以上に効いた夜の話をする。
先に白状しとくと、この日いちばんダサかったのは俺の脚だわ。竹橋の坂ってやつに、見栄ごと全部持っていかれて、初アポの真ん中で歩いた。笑 ただ、あの情けないバテ方から空気が変わったっぽいのが、我ながら不思議なとこ。待ち合わせの前から、順番に実況していく。
withの趣味カード「ランニング」で、カナを見つけた

with体験談の入口、栄での空気、会った後の動きまで。場面ごとの温度を拾いながら、アキの現場感をそのまま読む記事です。
カナを見つけたのは、いつものwith。性格とか価値観の診断で相性が出るアプリなんだけど、今回引っかかったのは診断じゃなくて趣味カードのほう。プロフに好きなもんをカードで貼っとけるやつで、俺も「ランニング」を一応貼ってた。一応、ってのが正確なとこで、実態は月イチで5キロ走るかどうか。健康の話題になったとき用の、半分見栄のカードだった。
カナのプロフは、そのカードの向こう側にいた。写真の1枚目がハーフマラソンのゴールでゼッケン付けて笑ってる一枚で、2枚目が居酒屋でジョッキを持ってる乾杯の一枚。この並びだけで人柄が完結してた。自己紹介文がこんな感じ。
- 人材会社で営業やってます。平日2回と週末、走ります
- 走った後のビールのために走ってるところがあります
- 皇居、駒沢、目黒川沿いによくいます
- ペースはゆっくりでも全然。最後まで気持ちよく走れる人がいいです(笑)
「走った後のビールのために走ってる」で、もう面白かった。ストイックな写真の並びで、動機がビール。しかも隠す気がない。好きなものの欄にも「ランニング」「ビール」「銭湯」が並んでて、生活がそのまま透けてるプロフだった。好きの方向がはっきり見えてる子は、会ってからも話が早い。いいねを送ったら、その日の夜にマッチした。

趣味カード、月イチなのに「ランニング」貼ってたの、軽い詐欺じゃないっすか。笑

うるせえ。笑 ただこのカードが後でちゃんと俺の首を絞めにくるから、まあ見ててくれ。
メッセのテンポが良すぎて、初アポが皇居ラン1周になった

マッチ後のカナは、メッセが速かった。長文は送ってこない。こっちの質問に短く答えて、最後に必ずひとつ聞き返してくる。後で知ったんだけど、人材の営業って電話とメールで一日中この往復をやってるらしい。ラリーが途切れない設計の文面だった。
お、走る人だ。月どれくらい走ります?


正直に言うと月イチ。5キロでいっぱいいっぱいの、なんちゃってのほうです。笑
正直(笑)そこ、盛る人けっこういるんですよ。月100キロとか

初手がこの質問で、あ、ガチ側の人だ、と分かった。で、こっちが店を探し始めるより先に、カナから提案が来た。
じゃあ最初、走りません? 皇居1周だけ


走るんだ、初回。笑 飲みじゃなくて?
お酒の前に、素面でどんな人かお互い見れるし。あと走った後のビールが、ちゃんとおいしいので(笑)

筋は通ってる。通ってるんだけど、こっちは月イチランナーで、人と喋りながら5キロ走った経験なんか一回もない。二つ返事でOKした後、スマホを置いて、しばらく天井を見た。引き受けてから焦るやつ、久々にやったわ。
アポは金曜の18時、桜田門に集合。カナは「着替えとシャワーは竹橋のランステで」って、段取りまで先に全部組んでくれた。ランステってのはランナー用の更衣室とシャワーとロッカーがまとまった施設で、皇居の周りに何軒もあるらしい。知らない世界すぎる。俺は前日の夜、去年買ったきり玄関で寝てたランニングシューズを引っ張り出して、紐を結びながらちょっと後悔した。道具より先に、覚悟のほうが足りてなかった。
夕方の桜田門。現れたカナ、姿勢が良すぎる

金曜18時の桜田門は、ランナーが次々に流れていく場所だった。皇居ランって言葉は知ってたけど、現場に来たのは初めて。お堀の水面が夕方の色になってて、信号が無いから誰も止まらない。あの流れの脇で、部屋着みたいなジャージ上下の俺がぽつんと立ってた。
カナはすぐ分かった。写真のまんま、ポニーテールに、ちゃんとしたランウェア。なにより立ち姿。背筋がすっと伸びてて、遠目でも「走る人」の輪郭をしてた。
あ、アキさん? どうも。……その靴で走るんですか?


挨拶より先に靴。笑 これでも一応ランニングシューズなんすけど、まずい?
靴はいいんですけど、紐がもう解けかけてます(笑)

しゃがんで結び直してる俺の横で、カナはもう伸脚を始めてた。営業っぽい愛想で場をつなぐんじゃなくて、必要なことを必要な順番で淡々とやる。開始1分で、この子の骨格みたいなもんが見えた気がした。ちなみに自己紹介は、走る前の30秒で終わってた。「カナです。今日は無理させない予定なんで、安心してください」って、初対面なのに段取りの説明みたいな挨拶。敬語はきれいなのに、目の奥だけずっと面白がってて、ああ営業の人の顔だ、と思った。
ふくらはぎだけ伸ばしといてください。明日の自分が助かるんで


明日の俺はもう死んでる予定だから平気。笑
死ぬのは今日です(笑)行きましょうか

反時計回りに走り出す。夕方の風がまだ少しぬるくて、お堀沿いの緑の匂いがする。横に並んだカナの足音が、たん、たん、って一定なのに対して、俺の足音はもうばたばた言ってた。走り出して300メートルで、嫌な予感の輪郭がはっきりしてきた。
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皇居ラン5km、竹橋の坂で俺の見栄が終わった

最初の2キロは、正直いけてた。たぶんカナが、こっちに合わせて入りをゆっくりにしてくれてたんだと思う。走りながら仕事の話なんかして、カナの息はまったく乱れないのに、俺の返事はだんだん「うん」と「へえ」だけになっていく。
ペース、上げてないですよ。これ、喋りながら走れるくらいのやつです


喋れてる。俺、いま、ぎりぎり
もう切れてるじゃないですか、息(笑)

で、竹橋。皇居ランを走ったことある人なら分かると思うけど、竹橋から半蔵門にかけて、じわじわした上りが続く区間がある。地図で見ればただの道なのに、脚には崖。序盤に調子に乗って喋ってた俺は、ここで一気に来た。ふくらはぎが重い。心臓がうるさい。会話、無理。
ここから坂です。……歩きます?


いける
はい(笑)

いける、と言い切った60秒後に歩いた。情けな。笑 見栄の賞味期限、1分もたなかった。カナは声を出して笑って、でも置いていくでも馬鹿にするでもなく、普通に横で歩幅を合わせてくれた。そしたら不思議なもんで、歩き出した途端に会話が戻ってきた。
無理して走って無言の人より、歩いてても喋れる人のほうがいいですよ


フォローが優しい……。デートの主導権どころか、ペースの主導権が一回も無かったわ。
それは最初から無かったですね(笑)

あと、これは負け惜しみじゃなくてほんとの話なんだけど、歩いた区間の会話が、この日いちばん素だった。走ってる間の俺は、かっこつける余裕を坂に全部吸い取られてて、口から出るのが「きつい」「靴が重い」「カナさんの背中、全然ブレないのが腹立つ」って、本音しか残ってなかった。カナはそれをいちいち笑ってた。デートの序盤でこんなに取り繕いが利かなかったの、たぶん初めてだったと思う。
半蔵門のあたりで視界が少し開けて、お堀の向こうにビルの灯りが並んでた。カナが「ここの景色がこのコースでいちばん好き」って言うから、二人で少しだけ立ち止まった。汗だくで見る夜景ってのは初めてで、これはこれで贅沢だなと思った。そこから桜田門までは下り基調で、脚が少し戻ったのもあって、最後だけちゃんと二人で走った。ゴールでカナが手のひらを上げて、汗だくのハイタッチで1周が終わった。

初アポで歩かされて笑われて、それ大丈夫なんすか。株、下がってません?

俺も一瞬終わったと思ったんだわ。でも、ここからのビールで空気が全部変わる。そこが今日の本題。
汗が引いてからのクラフトビールで、カナが崩れた

竹橋のランステでシャワーを浴びて着替えた。ロッカーの並びで、知らないおっちゃんランナーたちが今日の周回数の話をしてて、あの空間だけ部活の匂いがした。外に出ると、走り終わった体に夜風が当たって、これがもう気持ちいい。カナと合流して神田方面へ歩いて、カナが「タップの並びがいいんですよ」って言うクラフトビールの店に入った。カウンター主体の狭い店で、壁の黒板に10種類くらい、ビールの名前がチョークで書いてある。カナはメニューをちらっと見て「これの、いちばん大きいサイズで」って即決した。俺は分からんから同じものにした。
乾杯の瞬間の話をさせてくれ。カナ、一口目を飲んで、目を閉じて、グラスを持ったまま3秒くらい止まった。で、開口一番がこれ。
……はい。今日の分、これで全部回収しました


俺の失速も回収された?笑
あれも込みです(笑)これのために走ってるんで、私

ここからのカナは、桜田門で会った時と別人だった。いや、別人っていうより、同じ人の素のほう。敬語が半分タメ口に崩れて、笑うときに声が出るようになって、営業の話も走る話もぽんぽん出てくる。
営業ってさ、頑張っても数字にならない月、普通にあるんですよ


あー、水物なんだ。やっぱり
そう。でも走った距離は、走ったぶんだけアプリに増えるんで。裏切られたことない(笑)


じゃあ今日の1周も、カナさんの記録に入ってんの?
入ってます。アキさんが歩いた区間も込みで(笑)

2杯目は、カナが黒板を指して選んでくれた。「アキさん、苦いの平気そうなんで、こっち」って言われて飲んだら、しっかり苦かった。苦っ、て顔をしたのが伝わったらしく、カナが自分のグラスと半分交換してくれて、そっちは柑橘っぽくて飲みやすかった。こういう小さいやり取りをしてる間、カウンターの肩の距離がずっと近い。走る前は他人だったのに、5キロと一杯を挟んだだけで、隣にいるのが当たり前みたいな空気になってた。
朝ラン派か夜ラン派かの話にもなった。カナは平日は夜、休みの日は朝派。朝の空気のよさを力説されたんだけど、俺が朝の時間帯にちょっとだけ詳しいのは朝活の会に通ってた時期くらいで、それでも、あの時間の人が変に正直になる感じの話は普通に通じた。カナ曰く、朝走った日は一日ずっと機嫌がいいらしい。
2杯目からは、互いのしょうもない話。カナの営業先の理不尽な話、俺の仕事の小さい失敗の話。カナはよく笑うんだけど、相槌で流すタイプじゃなくて、話の変なところに食いついてくる。
え、待って。それ、なんでそこで引き返したんですか


いや、なんか、勝てる気がしなくて。笑
ふーん。竹橋でも思ったけど、引き際は早いんだ(笑)

いじられてる。でも嫌な感じが全然ない。きっぱりした物言いの子って、こっちの失敗もきっぱり面白がってくれるから、こっちも隠しごとをしなくなる。気づいたら3杯目が空いてて、時計は22時を回ってた。汗をかいた日の酒がこんなに早く回るってのも、この歳になって初めて知ったわ。
その後。週末の夜ランが定番になってる

その日は駅の改札で解散した。LINEは店で2杯目のときに交換してて、妙に清々しい別れ方だったから、帰りの電車で「今日のあれは、ありだったのか?」って一人で考えてた。そしたら家に着く前にスマホが鳴った。「次、いつ走ります?」。あとから本人に聞いたら、なしの人とは二軒目に行かないし次の話もしない主義らしいので、たぶんあの3杯目のあたりで判定は出てた。
そこからは、週末どっちかの夕方に走って、そのままどこかで飲む、ってのがゆるい定番になってる。2回目は目黒川沿いを走って中目黒で飲んだ。川沿いは皇居より道が細くて、並んで走れない区間はカナが前に出るんだけど、ときどき振り返ってこっちの息を確認してくれるのが、なんか、ずるかった。3回目がカナの家の近所の商店街の店で、その夜は店を出た後もなんとなく解散にならなくて、そのまま、いい感じの夜になった。この先はいつもの決まりで書かないでおく。乗り気じゃなさそうなら流すつもりでいたけど、その心配は要らなかった、とだけ。
いまのカナからのLINEは、だいたいランアプリのスクショと一言。「今日6キロ。ご褒美なし。えらくないですか」みたいなのが週に何回か来て、俺が「えらい」って返すだけの日もある。この前は雨続きで走れなかった週に「今週の私、記録がゼロなんですけど」って、不機嫌な猫のスタンプ付きで来た。数字で生きてる子だなあと思って笑った。俺のほうも、走った日は報告するようになった。月イチだった男が、いまは月4。カナのおかげっていうより、送ったら「えらい」って一言返ってくるのが単純にうれしいだけなんだけど、動機なんてそんなもんでいいわ。
来週、10キロいきますよ。竹橋の坂、今度は歩かせないんで(笑)


その自信はどこから来るんだよ。俺のふくらはぎと相談してくれ。笑
ビール、大きいサイズ2杯までOKにするんで。頑張りましょう

カナとはwithで出会ったわけだけど、お互いの趣味カードに「ランニング」があったから、初回のラン提案がすんなり成立したんだと思う。カナ側も、俺のカードを見て「一応走る人」と分かってたから誘いやすかったらしい。月イチのなんちゃって趣味カードでも、貼っといて助かった。アプリの選び方みたいな話はランキングのページにまとめてある。
- 余裕のある大人の子が多い印象だから、変な探り合いが少なくてやり取りが楽だった
- 「会う前提」で繋がる空気だから、いいなと思った子とも上品なまま話を進めやすい
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健康系の趣味の子つながりだと、サウナ好きの子とタップルで会った回が今日の話と近い空気なんで、合わせて読んでみてくれ。同じwithだと、真逆に一歩も走らず純喫茶で午後まるごと長居した回もある。で、俺はいま、風呂上がりにふくらはぎを伸ばしながらこれを書いてる。来週の10キロ、先週の疲れがまだ脚に残ってる気がすんだけど。笑
会った後の流れまで、次に読む。
アプリで会ったあとに失速しないように、連絡、待ち合わせ、次のデートへ繋がる記事を置いています。


