イラストレーター26歳と絵の話で深夜まで盛り上がった日
Tinderでマッチしたノノ(26・在宅のフリーイラストレーター)と会った話。昼夜逆転の不規則な子で、最初はぽつぽつ話すだけ。なのに好きな絵の話になった途端に早口になって、気づいたら深夜のファミレスまで。人見知りなのに作品の話だと止まらない、独特の感性を持った彼女との一日を、ナンパ師アキが実況するTinder体験談。
フリーのイラストレーター(在宅)PLACE現場
現場レポHOOK会う前提の
導線
今回はTinder(ティンダー)の話。相手はノノ(26)、職業がフリーのイラストレーターで、家でずっと絵を描いてる在宅の子。マッチしてから会うまで、向こうの生活リズムがめちゃくちゃで、けっこう振り回された。けど会ってからは逆で、気づいたら深夜のファミレスまで一緒にいた回。
先に言っとくと、人見知りで、最初は本当にぽつぽつしか喋らない。なのに好きな絵の話になった瞬間だけ別人みたいに早口になる、っていう極端な子だった。塩のまま終わるかと思った時間帯もあったんで、そこも正直に書く。
プロフが「作品っぽいけど本人が写ってない」やつだった
Tinder体験談の入口、現場での空気、会った後の動きまで。場面ごとの温度を拾いながら、アキの現場感をそのまま読む記事です。
ノノのプロフ、最初に目に留まったのは写真の埋め方が変だったからだ。4枚あって、本人がちゃんと写ってるのが1枚。あとの3枚が、自分で描いたっぽいイラストと、散らかった作業机と、ペンタブの画面のドアップ。顔写真の子はおとなしそうで普通に可愛いんだけど、それより「絵で自己紹介してる」感じが珍しかった。
自己紹介文も短くて、「家で絵を描いてます。昼夜逆転気味。返信おそいかも」って、ほぼ予防線だけ。普通こういう「返信おそい」アピールの子はスルーすることも多いんだけど、机の写真に描きかけのキャラが置きっぱで写ってて、そこが気になって聞いてみた。

3枚目の机、描きかけのキャラ置いてあるけどこれ仕事のやつ?
あ…それ仕事じゃなくて、勝手に描いてるやつです


勝手にって(笑)仕事じゃないのに描くんだ。
仕事のは納期あるんで…これは現実逃避です(笑)

この「現実逃避です(笑)」で、ちょっと笑った。喋り方は控えめで、語尾が小さい。いかにも人見知りっぽい。なのに自分の机の散らかり具合は隠さないし、「勝手に描いてる絵」のほうを先に見せてくる。盛ってる感じが全然ない子だった。
正直、Tinderってこういう「写真より中身が変な子」が混ざってるのが面白い。きれいに盛った写真だけ並べてる子より、好きなものが机ごと写ってる子のほうが、会話の入口がはっきりしてる。ノノの場合はそれが絵で、しかも「仕事じゃないほう」を先に出してくる感覚が、なんか信用できた。

アキさん、絵とか詳しいんすか? よく話広げられましたね。

いや全然。上手いか下手かくらいしかわかんない。でも描いてる人の話って、聞いてるだけで面白いんだわ。
俺は絵は描けないし、有名な作家とかも知らない。詳しいフリもしなかった。「全然わかんないから教えて」のスタンスで聞いてったら、これがあとで効いてくる。
返信が来る時間が、毎回深夜だった
メッセが始まってまず気づいたのが、ノノの返信時間。昼はほぼ既読もつかなくて、返ってくるのが決まって深夜1時とか2時。最初は「夜の仕事の子かな」って思ったんだけど、本人いわく、家で描いてると夜のほうが集中するから、自然と昼夜逆転してるらしい。
普通、アプリで昼に返信ゼロだと「脈ないな」って引くことが多い。けどノノの場合、深夜に返ってくる文が毎回ちゃんと長くて、しかも妙に正直だった。「今日は手が動かなくて一日中ごろごろしてました」とか、隠さないでそのまま送ってくる。打つのは速くないみたいで、一個の返信に時間かけてる感じが伝わってきた。
すいません昼に返せなくて…朝寝てるんで


いいよ、こっちも夜のほうが暇だし。何時に起きんの?
昨日は夕方…(笑)人としてだめなやつです


夕方起きはなかなかだな(笑)でも締切ある仕事でそれ回せてんのすごくない?
回せてないから今こうしてるんですけど(笑)

この「回せてないから今こうしてる」の返しで、あ、ちゃんと会話できる子だなと思った。自虐をそのまま流せる子は、会っても変に気張らない。こっちも急かさずに、向こうの深夜のペースに合わせた。昼に追いLINEみたいなのは一切しないで、夜だけぽつぽつ続けた。
で、何日かそれを続けたあと、会う流れになった。ノノが「外に出るの久しぶりすぎて服がない」って言い出して、それが逆にリアルで笑った。日付を決めるとき、向こうから出てきたのが昼でも夜でもなく「夕方」。起きる時間に合わせた集合だった。
このゆるさがTinderだなと思った。前に書いたTinderでジムトレーナーと会った回は相手がストイックで時間きっちりだったけど、今回は真逆で、生活リズムから全部相手任せ。同じアプリでも、相手のタイプで会うまでの流れが全然変わる。
会った直後は、想像以上に喋らなかった
待ち合わせは夕方、駅前のチェーンのカフェ。来たノノは写真通りおとなしそうで、パーカーにスニーカーの、いかにも「家から無理やり出てきました」って格好だった。座って、最初の30分くらい、これがけっこうしんどかった。
質問しても「はい」「そうですね」で終わる。目もあんまり合わない。メッセであんなに正直に喋ってたのに、対面だと急に貝になる子だった。あー、これはメッセ向きの子で、対面だと無理なタイプかもな、って一瞬よぎった。正直、その時間帯は「今日は早めに切り上げよう」くらいに思ってた。

家出るの久しぶりって言ってたけど、最後に外出たのいつ?
えっと…画材買いに行ったのが、たぶん先週…


それ以外で外出る用事がない(笑)
ないですね…コンビニくらい

会話が続かない。けど、無理にナンパっぽく押すと一発で引くタイプなのは見てて分かったんで、こっちもガツガツいかなかった。沈黙が怖くて喋りすぎるのは逆効果だと思って、コーヒー飲みながら、向こうが乗ってきそうな話題を探ってた。で、何気なく聞いた一言で空気が変わる。
「好きな絵の話」になった瞬間、別人になった
きっかけは本当にしょうもない質問だった。スマホのケースにキャラのシールが貼ってあったんで、「それ何のキャラ?」って聞いただけ。そしたらノノが、それまでの貝が嘘みたいに、急にスイッチ入った。
そのキャラがどの作品の誰で、その作家の線がどう好きで、どこの塗りが他と違って、っていうのを、目を見て早口で喋り出した。さっきまで「はい」「そうですね」だった子が、いきなり止まらなくなる。声のトーンまで上がってて、あ、こっちが本体だったのか、って分かった。
この人の線、ほんとにすごくて…一本の線で勢い出すんですよ。私それ全然できなくて


おお、急に早口(笑)線って、そんな違うもんなんだ。
違います全然…あ、すいません一人で喋っちゃって


いや続けて。さっきまでの三倍喋ってるの面白いから。
…好きなものだと、止まらなくなるんで(笑)

この子、人見知りなんじゃなくて、興味のない話に労力使わないだけだった。好きな絵の話になると、人見知りも対人もどっか行く。俺は線の良し悪しなんてさっぱりわかんないんだけど、「全然わかんないから、何がそんなにすごいのか教えて」って素直に聞いてったら、もう延々と喋ってくれた。
しかもノノの喋り方が、独特で面白かった。「この塗りは雨上がりの匂いがする」とか、絵の感想なのに感覚で言うタイプ。最初は何言ってるかよくわかんないんだけど、聞いてくうちに、あ、この子はそういう変換で世界見てんだなっていうのがだんだん面白くなってくる。気づいたら俺のほうが質問しまくってた。

それ、わかんない話されて退屈じゃなかったんすか?

むしろ逆。自分の好きな話してる時の顔がいちばん良かったんだわ。内容より、そっち見てた。
気づいたら深夜のファミレスにいた
カフェが閉まる時間になっても、ノノの絵の話が終わらない。っていうか俺が終わらせたくなかった。「腹減ったし飯行く?」って誘ったら、さっきまで貝だった子が「行きます」って即答した。好きな話で温まると、人ってこんなに動くのか、って思った。
入ったのは、向こうの家の方向にあった深夜のファミレス。ここからがまた長かった。ノノが、自分のスマホで描きかけの「現実逃避のほう」の絵を見せてくれて、それの解説が始まった。仕事の絵じゃなくて、誰にも頼まれてない絵。これが本人いちばん楽しそうで、ドリンクバー何往復もしながら、気づいたら深夜2時を回ってた。
これ、誰にも見せたことなくて…なんか言える人いなかったんで


え、初めて見せるやつ? 俺、絵わかんないのに(笑)
わかんない人のほうが、変な気い使わないから…言いやすい


それは光栄だわ。じゃあ素人の感想でいい? 俺この右下のやつ好き。
えっ…そこ一番時間かけたやつ(笑)なんでわかるんですか

たまたま当たっただけなんだけど、ここでノノの距離が一段縮まったのは分かった。詳しいやつに語られるより、わかんないやつに「ここ好き」って言われるほうが嬉しいタイプ。深夜のファミレスで、絵の話のまんま、ずっと笑ってた。
時間が時間だったし、ノノも久しぶりに長く外にいて電池切れかけてたんで、その日はそのまま店の前で解散にした。いい雰囲気ではあったけど、初日に無理に引っ張る空気じゃなかった。こういう子は、ここで急ぐと逆に冷める。タクシー乗る前に「今日めちゃ喋った…久しぶり」って言われて、それで十分だなと思った。
その後、夜の連絡が定位置になった
別れたあと、その日の夜(っていうかもう朝方)に、ノノから「無事帰りました」と一緒に、さっきファミレスで見せてた絵の続きの写真が送られてきた。家帰ってそのまま描き始めたらしい。会った帰りにテンション上がって手が動いた、みたいなことが書いてあって、それがいちばん嬉しかった。
それから、ノノとの連絡は深夜が定位置になった。昼は相変わらず返ってこない。けど深夜になると、描いてる絵の途中経過とか、「今日も夕方起きた」みたいなどうでもいい報告が飛んでくる。こっちも夜型寄りだから、その時間帯のぽつぽつしたやり取りが、けっこう心地よかった。何度か飯に行って、二回目以降は最初の貝モードも短くなった。ちゃんといい関係になってきてる、くらいで止めとく。ここから先はいつも通り書かない。
ノノとはTinderで出会った。写真の盛りとか勢いで会うアプリってイメージだったけど、ノノみたいに机ごと好きなもの見せてくる子も混ざってる。俺が使ったのはこのへんのアプリ。
- 余裕のある大人の子が多い印象だから、変な探り合いが少なくてやり取りが楽だった
- 「会う前提」で繋がる空気だから、いいなと思った子とも上品なまま話を進めやすい
- 下見だけなら無料。本気で会いに行くなら、男は有料で動くのが結局いちばん早かった
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そういえば、好きなものの話で勝手に温まっていく感じは、前に書いたTinderでカフェ店員とコーヒーの話だけで二軒目まで行った回とちょっと似てた。ノノもそうだったけど、こっちが詳しくないと逆に気楽に喋ってくれるのが面白かった。どのアプリで誰と会うのが自分に合うかは、結局やってみないと分かんないんで、全部触った所感は使ったアプリのおすすめランキングにまとめてある。ノノの新作が深夜に送られてきたら、また飯誘うわ。
会った後の流れまで、次に読む。
アプリで会ったあとに失速しないように、連絡、待ち合わせ、次のデートへ繋がる記事を置いています。


