湘南の玄関口で声かけ→25歳海好きミズキと南口へ
夜の藤沢に出動した話。湘南の玄関口は都心通勤の人と海ローカルが混ざる不思議な街で、南口の小さい飲み屋で当たったのが25歳のミズキ。マリンショップ勤めで海とビールが好きな日焼けの子を、立ち飲み一杯から南口の安い店へ、いい雰囲気までの一晩を実況したアキの出動レポです。
湘南のマリンショップ店員PLACE東京
現場レポHOOK声かけから
次の店へ
今回は藤沢に出てきた話。普段は渋谷だ新宿だってさんざん都内でやってるけど、相棒のショウが「たまに海のほう行こうや」ってうるさいんで、夕方の東海道線に揺られて藤沢まで来た。江ノ島でも鎌倉でもなく、なんで藤沢かっていうと、ここが湘南の入口で、海帰りの子と仕事帰りの子が同じ駅で混ざるって聞いたから。試してみたかった。
先に言っとくと、これがなかなか面白い街だった。北口でいきなり一回滑って、駅前のデッキで二組連続スルーされて心が折れかけて、最後に南口の細い飲み屋通りで当たったのが25歳のミズキ。マリンショップで働いてる日焼けの子で、海とビールがあればだいたい機嫌がいい、っていう湘南育ちらしい子だった。その辺の空気も込みで書いてく。塩だった組もちゃんと書く。
夕方の藤沢に到着。北口と南口は別の街だった
藤沢ナンパの入口、東京での空気、会った後の動きまで。場面ごとの温度を拾いながら、アキの現場感をそのまま読む記事です。

藤沢に着いてまず思ったのが、駅でかいな、ってこと。JRと小田急と江ノ電が全部刺さってるターミナルだから、夕方の改札はけっこうな人の流れがある。スーツの帰宅組がどっと出てくる横を、ビーサンに日焼けの兄ちゃんが当たり前の顔で歩いてる。この混ざり方が藤沢なんだな、っていうのが最初の感想だった。
で、ショウと駅前のデッキでコーヒー飲みながら一回整理した。北口と南口、出口を間違えると今日が終わるからだ。藤沢は東京の繁華街みたいに「とりあえずどこでも歩けば人がいる」街じゃない。エリアの顔がはっきり分かれてて、そこを読まないと、いい子がいても拾えずに帰ることになる。
| ゾーン | 藤沢ストナン的な使いどころ |
|---|---|
| 北口(ビックカメラ側のデッキ) | 人通りは一番多いけど、ほぼ通過動線。家路を急ぐ帰宅組とバス待ちが大半で、足を止めてもらいにくい。声かけのリズムを作る練習にはなるが、当たりは薄い |
| 南口(飲み屋が固まる路地) | 小さい居酒屋と立ち飲みがぎゅっと集まってる。湘南ローカルが「今日も一杯」で寄る感じの、地に足ついた飲みゾーン。一人や二人で飲みに来てる子に当たりやすい本命 |
| 江ノ電方面・海寄り | 夜はぐっと静かになる。海帰りがそのまま一杯、の流れがあるエリアだけど人の絶対数は少なめ。当たれば話は早いが、母数は期待しないほうがいい |
藤沢の面白いところは、海が生活の隣にある人と、東京に通ってるだけの人が、同じ駅前で平気で混ざってること。渋谷みたいに「全員が遊びに来てる」街じゃなくて、半分くらいは普通に暮らしてる人の生活圏だ。だから声かけも、お祭りのテンションでいくと浮く。生活の延長で一杯やってる人に、自然に混ざる感じのほうが効く。これは最初に肌で感じた。

北口は人多いけどみんな帰る顔してんな。声かけは南口の飲み屋通りに賭けたほうがよさそう。

やな。ここで止まってくれる気せんわ。暗くなってきたし、ぼちぼち南口潜ろか。

おう。とりあえず北口で一回肩慣らしして、本番は南口な。

え、藤沢ってそんな細かく分かれてんすか。海のイメージしかなかったっす。
北口で肩慣らし。いきなり二連続スルーで心が折れかける

決めたとはいえ、いきなり南口に突っ込んで滑ると引きずる。だからまず北口のデッキで肩慣らしをすることにした。声を出して、断られて、また出す。このリズムを取り戻しておかないと、本命の場で固くなる。ナンパは結局シャトルラン(同じ場所を何度も往復して数を打つこと)なんで、最初の数本は捨て駒のつもりでいく。
一本目。ショッピングバッグ提げた子に「お疲れさまです、藤沢の人ですか」って軽く声かけたら、目も合わせずスッと横に逸れていった。きれいなスルー。まあ帰宅動線だしな、って自分に言い聞かせる。二本目、改札出てきた二人組に話しかけたら、片方が露骨に早歩きになって、もう片方が苦笑いで会釈だけして去っていった。連続スルー。

…二連続でスカされたわ。ここの人、足止まらんな。笑

せやから言うたやん。北口は通過やって。気にすんな、ここはあくまで肩慣らしや。
正直ちょっと折れかけた。知らん街で出だしスルー食らうと、土地ごと自分に合ってない気がしてくる。でもこういう時に焦って手当たり次第に声かけると、もっとスルーが続いて泥沼になる。一回深呼吸して、コーヒー買い直して、デッキの端で人の流れだけ五分ほど眺めた。誰がどこ向いて歩いてるか、足が止まりそうな人はどんな顔か。これだけで打率がぜんぜん変わる。
そうこうしてるうちに日が落ちて、駅前の灯りが点いて、帰宅組の波が引いて飲みに行く顔の人がぽつぽつ増えてきた。空気が変わったのが分かった。よし、と。ここからが本番だ。北口に未練はない。

人の質が変わってきた。帰る顔から飲む顔になってきたわ。移動するか。

待ってましたや。南口の路地、ええ店から灯りついてきとるで。
南口の飲み屋通りへ。立ち飲みのカウンターで隣になった子

南口に回ると、北口とは空気がまるで違った。細い通りに小さい居酒屋と立ち飲みがぎっしり並んでて、暖簾の隙間から人の声と煙が漏れてる。スーツもいれば、明らかに昼まで海にいたんだろうなって感じの、日焼けにパーカーの子もいる。生活の延長で一杯、っていう街の顔がここに全部出てた。
路上で声かけてもいいけど、ここは店に入ったほうが早いと踏んだ。一回ショウと立ち飲みの一軒に入って、ハイボール頼んで様子を見る。L字のカウンターで、斜め向かいに一人で飲んでる女の子がいた。日焼けして、ビール片手に、スマホも見ずにただ店の貼り紙の手書きメニューをぼーっと眺めてる。一人飲みが妙に板についてる感じ。これは話しかけやすい。
「それ、何頼んだんですか」って、相手が持ってた小鉢を指して軽く聞いた。ナンパっぽくならないように、まず店の話から。そしたら「あ、これ?日替わりのやつ。アジのなめろう」って普通に返ってきた。声のトーンがやたらフラット。テンション高くも低くもなく、一定。
なめろう、ここの当たりだよ。ビールしか勝たん。


ビールしか勝たんって。笑 じゃあ俺もそれ頼みます。一人で来てるんですか?
うん、仕事終わり。海の店で働いてるから、上がってそのまま一杯。

海の店、で引っかかった。聞いたらマリンショップの店員だっていう。サーフ用品とかウェットスーツとか売ってる店で、藤沢で生まれて藤沢で働いてる、生粋の湘南っ子。海とビールがあれば機嫌がいい、って自分で言ってた。テンションは終始一定で、こっちが多少すべっても表情が変わらない。掴みどころがないけど、嫌がってる感じも全然ない。マイペースなだけだ。

湘南育ちって、毎日海見て暮らしてんの普通にすごいな。俺、海年一回見れたらいいほうだわ。
年一?やば。笑 こっちは逆に都会のほう年一だよ。


それはそれでちょっとうらやましいかも。
掴みどころのない子こそ、こっちが無理にテンション上げず、相手のペースに合わせると急に距離が縮む。ミズキはまさにそのタイプだった。ガンガン押すと逆に引かれる気配があったから、店のメニューの話、海の話、藤沢の安い店の話、って雑談を一定の温度で続けた。
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南口の安い店へ。海とビールが好きな子のペースに合わせる

立ち飲みで一杯やってたら、ショウが空気を読んで「ちょっと電話してくるわ」って外に出ていった。相棒のこういう引き際がほんとありがたい。二人になって、ミズキに「この辺でもう一軒、安くてうまい店知ってます?」って聞いたら、「知ってるよ、すぐそこ」って当たり前の顔で連れていってくれた。地元の子に店を任せると、この距離の詰まり方が早い。
連れていかれたのは、南口のさらに奥の、看板も控えめな小さい店だった。常連で半分埋まってて、ミズキが入ると大将が「お、ミズキちゃん」って声かける。完全に地元の子だ。ここで飲んでるミズキはさっきより少しだけ表情がやわらかくて、テンション一定なのは変わらないけど、たまにふっと笑うようになった。
ここ、刺身が地のやつで安いの。観光の人来ないから穴場。


地元の子に連れてきてもらう店、間違いないやつだわ。俺一人じゃ絶対入れん。
だね。看板地味だし。笑

刺身つまみながら、ミズキの話を聞いた。週末は朝から海入って、午後から店、夜は南口で一杯、っていうのが普通の流れらしい。都会に出たいと思ったことは?って聞いたら「ないなあ。海ないとこ無理」ってあっさり言われた。海が生活の隣にある人って、こういう揺るがなさがあるんだなと思った。こっちが調子よく東京の話をしても、ふーん、で流される。でもそれが冷たいんじゃなくて、ただ興味の重心がそこにないだけだ。
途中で「お兄さん、ナンパでしょ」って急に言われた。バレてたか、と思いつつ、ここは変に否定しないほうがいい。
立ち飲みで声かけてくる時点でね。笑 まあいいけど。


バレてた。笑 否定しても格好つかんからもう言うけど、普通に話したくて声かけた。なめろうも本当にうまかったし。
なめろうで誤魔化すの草。

「まあいいけど」が出た時点で、警戒は半分降りてた。ナンパだとバレてもその場が壊れないのは、相手がこっちのテンションを不快に思ってないってことだ。無理に押してたら「いいけど」は出てこない。ここはミズキのペースに乗っかったのが効いた。

ナンパでしょって言われたら俺なら焦って否定しそうっす。笑
江ノ電方面まで散歩。夜の藤沢でいい雰囲気になる

二軒目を出たら、ミズキが「ちょっと歩こ。酔い覚まし」って言うんで、江ノ電の駅のほうへぶらぶら歩いた。南口の喧騒を抜けると、夜の藤沢はけっこう静かで、潮の匂いがほのかにする。さすが湘南、海まで歩いて行ける距離だ。歩きながらの雑談ってのは、向かい合って飲むより距離が縮むことが多い。横に並んで、同じ景色見て、同じテンポで歩く。これが効く。
ミズキは歩きながらも相変わらずテンション一定で、でもさっきより口数が増えてた。地元の海の話、好きなビールの銘柄の話、店の常連のおっちゃんの話。掴みどころのない子が、自分の話を自分のペースでし始めたら、それはもう心開いてるサインだ。こっちは相槌打って、たまに笑って、急がない。
この時間の藤沢、好きなんだよね。人いなくて。


わかる気がするわ。さっきの飲み屋通りとぜんぜん違うな。
でしょ。…なんか、もうちょっと飲みたいかも。

「もうちょっと飲みたいかも」が、急がず横並びで歩いた後に向こうから出てきた。これがこの夜の流れの分かれ目だった。ここで焦って引っ張る空気を出すと一気に冷める。あくまでミズキのペースのまま、「じゃあ俺の知ってる店…はないから、静かなとこ探すか」って軽く返したら、ふっと笑って「お兄さんの店ないんかい」って。
そこから先は、まあいつも通り書かない。テンション一定のミズキがその夜だけ少しだけ崩れて、ちゃんといい関係になった、とだけ。隣で潮の匂いがして、遠くで江ノ電の音がして、ミズキはずっとマイペースなままだった。
お兄さん、急がないね。なんか珍しい。


急いでスベるよりいいわ。笑
その後。ミズキからのLINEと、藤沢で空振った日のこと

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ミズキとはLINEを交換した。数日して向こうから「こないだのなめろうの店、また行った」って写真つきで連絡がきた。相変わらずテンション一定の短文で、用件は特にない。海入ったとか、ビール飲んだとか、そういう日常の報告がぽつぽつ来る。こっちが返すと既読すぐつくのに返事は半日後だったりして、そのマイペースさがいっそ気楽でいい。次は週末、海上がりに南口で飲もうって緩く約束した。約束も緩い。それがミズキらしい。
正直に書いておくと、藤沢は当たり外れのある街だ。あの日たまたまミズキに当たったけど、北口で二連続スルー食らったのは事実だし、南口の路地も日によっては一人客が全然いなくてカウンターが常連のおっちゃんだらけ、なんてこともある。海寄りに至っては夜は人がほぼいない。都内の繁華街みたいに「出れば母数がある」街じゃないから、ストナン一本で勝負すると、ボウズで終わる夜も普通にある。
だから俺は、藤沢みたいに当たり外れのある街に行く日は、着く前の電車でアプリも開いて藤沢周辺の子と何人かやり取りしておく。北口で二連続スカされたあの日も、頭の片隅に「最悪アプリで会う子おるしな」があったから、変に焦らず南口まで腰据えて回れた。ミズキはたまたま街で当たったけど、マリンショップ勤めみたいな地元の子は地域絞れば普通にアプリでも出てくる。

ミズキ、また南口の店行ったって。相変わらず用件ない連絡。笑

いいっすね。そういうの逆に続きそう。

な。俺は乗ってこない子は引くタイプだけど、ミズキは緩く続いてる。
藤沢の南口、海寄りの夜の空気が気になった人は、真夏に海の家のカウンターで隣になった子と飲んだ夜の話もどうぞ。昼の海とはまた違う、夜の海街の緩さがミズキの回と地続きで分かると思う。同じ神奈川でガラッと顔が変わる夜が知りたいなら横浜の野毛で声かけした夜、海そのものを起点にした出会いなら海でBBQ企画をやった回も合わせて読むと、海と街の距離感の違いが見えてくる。
東京の次の動きまで見る。
声をかけた後、どの街でどう流すか。場所選びと飲みの入口に近い記事を並べています。


