卓を囲んだ25歳が人狼で化けて→お持ち帰り
ボドゲカフェに男女で集まって何卓も囲む「ボードゲーム会」に行ってきた話。本命は同じ卓になったIT事務のユイ(25)。普段は控えめで端のほうで小さく笑ってるだけの子なのに、人狼みたいな正体隠匿ゲームになった瞬間、平気な顔で嘘をついて場を回しはじめる別人に化けた。協力ゲームの素直さと、裏切りゲームの強気のギャップ。卓の上だけで本性が透けて距離が縮んだボドゲ会の体験談を、アキが実況します。
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今回は「ボードゲーム会」の話。ボドゲカフェに男女で集まって、テーブルを囲んで何卓もゲームを回す、っていう集まりな。一本のゲームを攻略する会じゃなくて、軽いやつから重いやつまで、メンツを入れ替えながら何ゲームも遊ぶ。協力して全員で勝つやつもあれば、嘘をついて出し抜く正体隠匿系もある。で、その「嘘をついていい」ゲームになった瞬間に、人の本性がベロッとめくれる。これがめちゃくちゃ面白かった、って話です。
本命は、同じ卓になったIT事務のユイ(25)。普段はかなり控えめで、最初の一卓目なんか、ほぼ喋らずに端のほうで小さく笑ってるだけの子だった。なのに、人狼っぽい「誰かが嘘をついてる」系のゲームになった途端、平気な顔でしらばっくれて、人を疑って、場をかき回しはじめる別人に化けた。その落差が、もう、ずるいくらい可愛かった。ちなみに俺はルールを覚えるのが致命的に遅くて、最初の数卓はずっと足を引っぱってた側です。
ボードゲーム会って、卓を入れ替えながら何ゲームも回すやつ
ボードゲーム会の出会いの入口、現場での空気、会った後の動きまで。場面ごとの温度を拾いながら、アキの現場感をそのまま読む記事です。
ボドゲ会がどういうものか、軽く説明しとく。場所はだいたいボードゲームカフェ。壁一面に何百個ってボドゲが並んでて、ドリンク頼んで好きなだけ遊べる、っていう店な。そこに男女合わせて十人ちょいで集まって、4〜5人ずつの卓に分かれる。一ゲーム終わったら、メンバーをシャッフルして別の卓へ。これを何回か繰り返す。要するに、固定席じゃなくて、卓ごとにメンツが入れ替わっていく。
俺が行ったのは、ボドゲ好きの男女が集まる、出会いも一応アリ、みたいな緩い会。ガチの大会じゃなくて、ルール説明をしてくれる進行役のスタッフがいて、初心者でも置いていかれない。「ボドゲ未経験OK」って書いてあったから、家で一人将棋アプリくらいしかやらん俺でも申し込めた。

ボドゲ会って、あの、人生ゲームみたいなやつをみんなでやるんすか?

あんなのんびりしたやつばっかじゃない。協力して全員で勝つやつもあれば、嘘ついて仲間を出し抜く”人狼”みたいなのもある。その人狼系が、今回の主役な。

嘘つくゲームを、初対面の女の子とやるんすか…?気まずくないっすか

それが逆なんだわ。嘘つき合うゲームのほうが、一気に距離縮む。役になりきると、初対面とか関係なくなるから。
ボドゲ会の何がいいって、「役割」が最初から配られることだと思う。普通の合コンって、自分が誰で何を喋るか、全部自分で決めないといけない。それがしんどくて沈黙する。でもボドゲは、座った瞬間に「あなたは村人」「あなたは探偵」「あなたは脱出する側」って役がもらえる。喋る内容も、その役がある程度決めてくれる。だから、自分から面白いこと言わなきゃ、っていうプレッシャーが無いんだわ。喋るのが得意じゃない人でも、役に乗っかればいい。
もうひとつデカいのが、同じ相手と、性格の違うゲームを何回もやれるとこ。一回喋って終わりじゃない。協力ゲームでのその人、対戦ゲームでのその人、嘘をつくゲームでのその人。卓を重ねるごとに、その人の別の面が見えてくる。一発勝負の場だと、相手の一面しか見えないまま終わる。でもボドゲ会は、何卓も囲むうちに、その人の素が少しずつ、しかも別々の角度から透けてくる。これが、座って自己紹介し合う合コンには無い厚みだった。
俺がボドゲ会を選んだのは、正直、ゲーム自体が好きってより、この「役で喋れる」気楽さが気になったから。盛り上げトークでガンガン回すタイプの飲み会、地味に消耗するんだよな。役を被って、ゲームに集中してるうちに自然と喋ってる、くらいがちょうどいい。
一卓目は協力ゲーム。ユイは端で小さく笑ってるだけだった
会場のボドゲカフェは、思ったより落ち着いた雰囲気だった。ガヤガヤしてなくて、各テーブルにランプみたいな照明があって、木のテーブルにカードやコマが並んでる。スタッフがドリンク運んできてくれて、軽く乾杯してから、最初の卓分けが発表される。俺の卓は男女で5人。その中にユイがいた。
第一印象は、おとなしそうな子。自己紹介のときも声が小さくて、「ユイです、よろしくお願いします…」って言ったきり、あとは他の子が喋るのをニコニコ聞いてる側。目が合うとちょっと逸らす感じの、ザ・人見知りだった。正直この時点では、卓の中でいちばん印象が薄かったまである。
一卓目は、進行役が選んでくれた協力ゲーム。全員で力を合わせて、時間内にミッションをクリアする、みたいなやつ。誰かと競うんじゃなくて、卓の全員が味方。これがアイスブレイクには良くて、初対面でも「次どうする?」「ここ任せていい?」って、勝つために自然と相談が始まる。

最初は肩慣らしに、全員協力のやつでいきましょう。これはみんなで一個のゴールを目指すゲームなので、どんどん相談しちゃってくださいね
協力ゲームでのユイは、控えめなまま、でもちゃんと働く子だった。前に出てガンガン仕切るタイプじゃないんだけど、隣の子が迷ってると「あ、それ、こうしたほうが…」って小声でアシストする。手堅い。気が利く。ただ、声がやっぱり小さくて、自分の手番が来ると「えっと…これでいいのかな…」って自信なさげに置く。

ユイさん今の判断、めっちゃ正解じゃない?それで一個進んだよ
あ…ほんとですか。よかった、間違ってたらどうしようと思って


全然合ってた。俺なんかさっき完全に足引っぱったのに
…ふふ、さっきのはちょっと、おしかったですね

この一卓目だけ見てたら、ユイは「おとなしくて手堅い、いい子」で終わってたと思う。卓の中でいちばん地味で、いちばん安全な子。明るい女子が二人いて、卓を回してたのはその子たちで、ユイはそのおまけ、みたいな立ち位置だった。

じゃあその時点では、ユイさんノーマークだったってことっすか

正直、まだ。地味だけどいい子だな、くらい。化けたのは、次の卓からなんだよ。協力ゲームが終わって、メンツ入れ替えて、人狼系をやることになってからな。
協力ゲームが終わって、進行役が「次は趣向を変えて、ちょっと裏切りのあるやついきましょうか」って言った。ここから、ユイが別人になる。
正体隠匿ゲームで、控えめなユイが平然と嘘をつき始めた
二卓目は、いわゆる正体隠匿ゲーム。詳しいルールは省くけど、ざっくり言うと、参加者の中に何人か”裏切り役”が紛れてて、そいつらは正体を隠したまま場をかき乱す。村人側は会話と推理で裏切り役を当てる。人狼ゲームの、もうちょいライトな版だと思ってくれればいい。要は「この中の誰が嘘をついてるか」を、喋りと表情で読み合うゲームな。
卓を組み直して、進行役が各自にこっそり役職カードを配る。俺は普通の村人側だった。で、ゲームが始まって、最初の話し合いのターン。ここでいきなり、ユイがおかしかった。
さっきまで「えっと…」って小声で喋ってた子が、すっと顔を上げて、はっきりした声で言った。
私は村人です。最初に言っときますね。で、さっきから黙ってる人、ちょっと怪しくないですか


え、ユイさん急にスイッチ入った…さっきまでの控えめどこいった
え、なんのことですか(笑)私はずっとこうですけど


こうじゃなかったわ、絶対。さっき手番のたびにビクビクしてたじゃん
この「私はずっとこうですけど(笑)」のしれっと感が、もう完全に別人だった。あとで分かるんだけど、このときユイ、本当は裏切り役だった。真っ先に「私は村人です」って宣言したのが、まず嘘。それを、おとなしい子の顔のまま、平気で言ってのける。しかも「黙ってる人が怪しい」って言って、疑いの矛先を他人に流す。完全に、嘘つきとして場を支配してた。

え、それ、嘘ついてるってことっすよね…?控えめな子が、そんな堂々と嘘つくんすか

それな。これがボドゲ会の怖いとこ。普段おとなしい子ほど、嘘をつくゲームになると化けることがある。たぶん、普段抑えてる部分が、役を被ると出てくるんだよ。
俺、このとき完全にユイを村人だと信じてた。だって、ずっと控えめでいい子だった子が、嘘つくわけないと思うじゃん。その「いい子だから信じちゃう」っていう先入観を、ユイは利用してた。地味で安全に見える子ほど、正体隠匿ゲームでは最強の嘘つきになる。これ、ゲームの作りがそうさせてるんだけど、ユイは初対面の卓でいきなりそれを使いこなしてた。
で、議論が進んで、村人側のひとりが「いや、ユイさんちょっと喋りすぎじゃない?逆に怪しい」って言い出した。普通ここで控えめな子なら、ビクッとして崩れる。でもユイは崩れなかった。
えー、喋ったら怪しいって、それずるくないですか。じゃあ黙ってる人は全員シロなんですか


う、正論っぽい…いや待て、それっぽいこと言って流そうとしてる気もする
アキさん、私のこと疑ってます?さっき協力ゲームであんなに褒めてくれたのに(笑)


それとこれとは別、っていうか、その言い方がもう揺さぶりに来てるでしょ。笑
この、さっきの協力ゲームの話まで持ち出して揺さぶってくるあたり、頭の回転がめちゃくちゃ速い。控えめなのは、頭が悪いからでも気が弱いからでもなくて、ただ普段は前に出ないだけ。嘘と読み合いの土俵に上がった瞬間、その回転の速さが全部、攻めに回る。協力ゲームのときの「手堅さ」と、正体隠匿のときの「強気」が、同じ子の中にある。このギャップが、見てて全然飽きなかった。
結局この回、ユイの裏切りは最後までバレずに、ユイ側の勝ちで終わった。役職オープンの瞬間、ユイが「ばーん」って感じで自分のカードを見せて、ちょっと得意げに笑った。
はい、私、裏切り役でしたー。みんな信じてくれてありがとうございました(笑)


やられた…完全に信じてたわ。ユイさん、嘘つくの上手すぎでしょ
ふふ、こういうゲームだけは、自信あるんです

「こういうゲームだけは、自信あるんです」。この一言が、ユイの中身を一個めくった気がした。普段は自信なさげなのに、嘘の読み合いだけは胸を張れる。たぶん、現実だとなかなか出せない”勝負強さ”を、卓の上でだけ思いっきり出してる。その姿が、待合スペースで小さく会釈してたユイとは、別人だった。
裏切り合いと読み合いで、卓の上だけ距離がゼロになる
ここから卓をいくつか替えながら、何ゲームか回した。協力系、ブラフ系(ハッタリの掛け合い)、心理戦系。ゲームのタイプが変わるたびに、ユイの違う面が出てくる。で、面白いのが、正体隠匿やブラフ系をやると、初対面同士でも一気に距離が縮むことだった。
理由はたぶん、こうだ。普通の会話って、相手を疑ったり、嘘をついたりしたら失礼じゃん。だから初対面は遠慮し合う。でも正体隠匿ゲームは、「疑っていい」「嘘をついていい」がルールで許可されてる。だから、「ユイさん絶対嘘ついてるでしょ」って面と向かって言える。普段なら絶対言わない、踏み込んだ言葉を、ゲームの皮を被って遠慮なくぶつけ合える。これ、距離を詰めるにはとんでもなく効く。

今のユイさんの顔、完全に嘘ついてる顔だわ。俺、今回は騙されないからな
えー、ひどい。私こんなに正直なのに(笑)


その「正直なのに」がもう嘘くさい。笑 今回こそ当てる
当てられるもんなら、どうぞ。…言っときますけど、私まだ一回も負けてないので

「私まだ一回も負けてないので」って、ちょっと挑発するみたいに言うのが、もう最初のユイとは別人。負けず嫌いなんだよな。卓の上だと、勝ちにこだわる強気な顔がどんどん出てくる。で、この読み合いのバチバチが、そのまま俺とユイの掛け合いになってた。気づいたら、卓の他の三人より、俺とユイが一番喋ってた。お互いを疑い合うことが、結果的に、一番お互いを見てることになる。

それ、傍から見たら、二人がイチャついてるみたいになりません?(笑)

なってた、たぶん。笑 疑い合ってるだけなんだけど、ずっと相手の顔見て、相手の言葉に反応して、っていうのを延々やってるからな。喋りの密度がやばい。
そのうち、俺がユイの嘘を一回見抜いて、ユイの裏切りを止めることに成功した。役職オープンで「ほら、やっぱり裏切り役じゃん」ってなった瞬間、ユイがちょっと悔しそうに机に突っ伏した。
あー!なんでバレたの。私、完璧だったのに


さっきの「正直なのに」のとこ。あそこだけ、目がちょっと泳いでた
…うそ。そんなとこ見てたんですか。やば、次から気をつけよ


もう手の内バレてるからな、ユイさん。今日はもう勝てないよ
…ぜったい、次は勝ちます

この「ぜったい、次は勝ちます」を、ちょっと唇とがらせて言うのが、最初の控えめなユイからは想像できなかった。負けると悔しがる。悔しがると、また向かってくる。勝負ごとになると、ユイは取り繕うのをやめて、感情がそのまま顔に出る。その、計算してない素の悔しさが、めちゃくちゃ可愛かった。俺がこの日ユイに惹かれたのは、ほぼこの「負けて悔しがってる顔」のせいだったと思う。
休憩のドリンクタイムで、卓の上のユイがそのまま喋ってくれた
何卓か回したところで、ドリンク追加がてらの休憩タイムになった。みんな飲み物取りに行ったり、トイレ行ったりで、卓がいったんバラける。で、自然な流れで、俺とユイがテーブルに残って二人で喋る形になった。さっきまで嘘をつき合ってた相手だから、二人になっても全然変な空気にならない。むしろ、ゲーム中のテンションがそのまま地続きで続いてた。

ユイさん、ゲーム始まると人変わるよね。最初の協力ゲームのとき、めっちゃおとなしかったのに
えー、そんな変わってます?…まあ、人狼系だけは、昔からなんか強くて


強いってもんじゃないでしょ。嘘つくの天才じゃん。普段からそんな堂々と嘘つけんの?
いや、ぜんぜん(笑)普段は、嘘とか無理。ゲームだから言えるだけ

ここで、ユイの中身が少し分かってきた。普段は控えめで、自己主張も苦手。仕事はIT系の事務で、一日中もくもくとパソコン触ってて、職場でもあんまり喋らないらしい。家でも一人で対戦系のボドゲアプリやったり、たまにオンラインの人狼をやったりしてる、ガチのインドア派。普段は出せない「勝ちに行く自分」を、ゲームの中だけで解放してる子だった。
普段、人と喋るの、そんな得意じゃなくて。でもゲームしてる間は、役があるから喋れるんですよね


あー、それめっちゃ分かる。俺もテンション高い飲み会、苦手なんだよ。ボドゲ会くらいの距離感がちょうどいい
アキさんも?意外。さっき普通に場を回してたから、こういうの慣れてる人かと


いや、俺ルール覚えるの遅すぎて、最初の卓ずっとお荷物だったでしょ。あれが素だよ。笑
俺がここで意識したのは、ユイの”卓の上の顔”を否定しないこと。「普段おとなしいのに、ゲームだと強気でびっくりした」って、その化けるとこを面白がって、ちゃんと褒めた。控えめな子って、自分が前に出ると引かれるんじゃないか、って思ってることがある。だから、「その強気な感じ、いいじゃん」ってこっちが言うと、安心して、ゲーム外でも少しそのテンションを出してくれる。その子が一番イキイキしてる瞬間を、こっちが肯定する。これだけで、ユイは普段の自分と卓の上の自分の境目を、ちょっと下げてくれた。
…あの、さっきの、目が泳いでたって、ほんとに見てたんですか。私のこと


見てた見てた。っていうか、ユイさんの嘘見抜くために、ずっと顔見てたからな今日
…なんか、それ、ちょっとずるい言い方(笑)

「ずるい言い方」って、ちょっと頬を赤くして言ったんだけど、これは嘘じゃなくて、本当にずっとユイの顔を見てた。ゲームのために。でも結果的に、それが「ずっとあなたを見てた」になる。正体隠匿ゲームは、勝つために相手を凝視するから、その副産物として、めちゃくちゃ相手を観察することになるんだわ。
そのまま二人で飲みに。手の内のバラし合いが、自己開示になる
会がお開きになって、解散の空気になった。連絡先は、これはもう自然に交換できた。ボドゲ会の場合、口実なんて探さなくていい。「次もどっかの会で人狼やろうよ、リベンジさせて」で十分通じる。さっきまで卓を囲んでた相手だから、連絡先を聞くハードルが、もともと低い。

ユイさん、今日めっちゃ楽しかったわ。連絡先教えてよ、絶対また人狼でリベンジしたいから
いいですよ。…でも、リベンジって、負けたのアキさんでしたっけ?私でしたっけ(笑)


う、痛いとこ突くな。1勝1敗だろ。だから決着つけたいんだよ
ふふ、いいですよ。決着、つけましょ

で、解散したあと、ユイと駅の方向が同じだったんで、一緒に歩いた。歩きながらも、ずっとさっきのゲームの話。「あの場面、ユイさんあそこで誰に投票するか迷ってたでしょ」「迷ってない、最初から決めてました(笑)」って、感想戦が止まらない。共通の勝負があると、会話のネタが尽きない。で、駅前まで来て、まだ二人とも話し足りない空気だったから、軽く一杯だけ飲んでくことにした。
近くの、静かめのバルに入った。ここで、ゲームの感想戦からもう一歩進んで、お互いの”手の内”のバラし合いみたいな話になった。

ぶっちゃけ、ユイさん何で嘘つくのあんな上手いの。コツとかあんの
コツっていうか…嘘つくとき、嘘だと思わないようにしてるんです。自分でも村人だって信じ込む


こわ。笑 それガチの嘘つきの理論じゃん
ゲームの中だけですって(笑)現実では、ほんと、嘘下手なんですよ。すぐ顔に出るし

「現実では、嘘下手で、すぐ顔に出る」。これ、さっき俺がゲーム中に見抜いた、あの目が泳ぐ瞬間のことだ。卓の上では完璧な嘘つきなのに、素のユイは隠しごとが下手。このギャップを自分で言うあたり、ユイは二杯目あたりで、だいぶ素を出してくれてた。ゲームの「手の内」を明かす話が、そのまま「私はこういう人間です」っていう自己開示にスライドしてた。勝負を語ってるつもりで、自分を語ってる。これが、ボドゲきっかけで会った相手の喋りやすさだった。
アキさんも、私の目が泳いだの見抜いたじゃないですか。あれ、結構ショックだったんですよ


ショック?なんで
…だって、そんな細かいとこ見られてたら、これから嘘つけないじゃないですか。アキさんの前で


それは、これからも会う前提ってこと?
…っ、それは、リベンジするって意味です(笑)

この、自分で言いかけて自分で慌てるとこが、もう完全に卓を降りたユイの素だった。ゲームではあんなに堂々としてたのに、自分の気持ちの話になると、急に言葉に詰まって顔に出る。さっき本人が言った通り、現実だと嘘も隠しごとも下手。この、勝負強い顔と、隠しごとできない顔の落差で、もう完全にやられてた。
そのまま、いい雰囲気に
バルで二、三杯飲んで、いい時間になった。話は相変わらず、人狼のあの場面、過去にやったボドゲ、家でやってる対戦アプリ、って、ゲームの話が軸。でも、その合間にちょいちょい、お互いの素の話が混ざる。気づいたら、最初に会ったときの「声の小さい人見知りの子」は、もうそこにいなかった。

ってか、まだ全然話せるな俺ら。笑 うち、二人用のボドゲ何個かあるんだけど、これ完全に決着つくまで帰れないやつじゃない?
…え、二人用、何持ってるんですか


心理戦のやつ。ハッタリ読み合うタイプの。今日の続き、ちゃんとサシで決着つけたくない?1勝1敗のままモヤモヤするでしょ
…モヤモヤは、する。負けっぱなしも勝ちっぱなしも、なんか嫌だし

誘い方は、最後まで「決着をつける」を口実にした。ストレートに「うち来る?」をぶつけたら、素のユイは多分固まる。でも「サシで決着」なら、今日ずっとやってた勝負の延長だから、自然に頷ける。それに、ユイは負けず嫌い。「1勝1敗のまま終わるのモヤモヤするでしょ」は、勝ち負けにこだわる子に一番刺さる誘い文句だった。もちろん「いや、今日はいいや」って言える逃げ道も残してある。乗ってこなければ「だよな、次の会でいいや」で普通に解散できる形。慎重な子に押し付けたら、その時点で全部終わるから。
ユイは、グラスをちょっと見て、少し迷ってから、「…一回だけ。今日のうちに決着つけないと、寝れないんで」って、小さく笑って言った。最後まで”勝負”を理由にするのが、ユイだった。

結論だけ言っとくと、そのままうちで二人用ボドゲして、決着つくころにはいい雰囲気になって、お持ち帰りは成功。…まあ、最後のほうゲームは完全に口実になってたけどな。ここから先は、いつも通り省きます。
毎回書いてるけど、これは合意のある大人同士の話な。ユイは泥酔もしてなかったし、こっちが押し切ったんじゃなくて、お互いの空気で自然にそうなった。特にユイみたいに、普段は控えめで、嫌なことを「嫌」とはっきり言うのが苦手なタイプは、こっちが「乗り気じゃなさそうなら今日は解散」を本気で構えとくのが大事。卓の上で見せる強気と、素のユイの引っ込み思案は別物。ゲームで強気だったからって、何にでもグイグイいける子だと勘違いしたら終わり。間とか、グラスを見る一瞬の沈黙とか、そういうサインで相手のペースを読む。それが読めないなら、こういう子には手を出すな。ボドゲ会は「役を被って距離が近づく」から、その近さを実際の好意だと取り違えやすい。卓の上の距離と、本当の気持ちの距離は、ちゃんと分けて考えろよ。
その後。ボドゲ会は不定期だから、アプリも回してる
ユイとはその後も続いてる。ボドゲで出会った相手は、デートがずっと「次は何のゲームで勝負するか」で回せるから、本当にネタが尽きない。約束通り家での決着戦のリベンジもやったし、その後も別のボドゲ会に二人で参加したり、二人用の重ためのゲームを買い足したり。一緒に卓を囲んで、勝った負けたで一喜一憂する。初回のボドゲ会でやってたことを、そのまま二人で延々やってる感じ。
今の通算、私の12勝10敗ですからね。アキさん、そろそろ追い上げてこないと


いや戦績つけてんのかよ。笑 しかもちゃっかり勝ち越してるし
当たり前です。負けっぱなしは、私の主義に反するので(笑)

ただ、ボドゲ会みたいな男女混合のイベント自体は、そんなに頻繁にはやってないのがネックで。ボドゲカフェに男女で集まる出会い系の会なんて、自分の街で都合よく毎週あるわけじゃない。月一あればいいほうだし、地域によってはもっと少ない。今回ユイみたいな子に当たれたのは、正直かなり運がよかった。これを待ってるだけだと、出会いの母数が全然足りない。
※この段落はマッチングアプリ訴求の差し込み枠(AFFILIATE_MODE=placeholder。ASPリンク確定後に差し替え)
だから俺は、ボドゲ会みたいな”当たれば濃いけど滅多にない”出会いと並行して、マッチングアプリも回してる。アプリなら、プロフやタグで「ボードゲーム」「人狼」「ボドゲカフェ」「インドア」みたいな趣味で絞れるから、今回みたいな「家でゲームしてるタイプの子」を、イベントの開催を待たずにいつでも探せる。ボドゲ会が”その日その場の一発勝負”なら、アプリは”いつでも趣味で繋がれる常設の入り口”、って棲み分け。実際、インドア派の子ってプロフに「休日は家でゲーム」「ボドゲカフェ巡りが趣味」って書いてること、わりと多いんだわ。だから今回ボドゲ会で掴んだ「一緒に卓を囲んで距離を詰める」やり方は、そのままアプリのデートにも応用できる。「今度ボドゲカフェ行かない?」が、めちゃくちゃ通りやすい二回目の誘い文句になる。アプリごとの細かい違いは、ちゃんと比べて紹介できる準備ができたら、また別の記事で書く。
距離の詰め方そのものは、相手が控えめだろうが強気だろうが共通してて、前に連絡先交換後のLINEの記事で書いたみたいに、最初のメッセで何を送るか困らない状態を作っとくのが効く。ボドゲ会は「次のゲームで決着つけよう」っていう次の口実が最初から手に入るから、LINEの一通目で頭を抱えなくて済むのが楽だった。
同じ”何かを一緒にやって縮める”系だと、前に書いた脱出ゲームの謎解きコンや撮影散歩のフォトウォークとも通じる。ただ、謎解きコンは”全員で一個の正解を出す協力”、フォトウォークは”一緒に歩いて同じものを見る”のが軸だったのに対して、ボドゲ会は“嘘をつき合って、裏切り合って、その人の本性が透ける”のが軸で、距離の縮み方の種類が違う。協力で縮むんじゃなくて、疑い合うことで縮む。ここがボドゲ独自のとこだと思う。ちなみに、同じく手を動かして仲良くなる系だと、前に行った料理教室の料理コンもある。あっちは二人で一皿作る系で、また別の距離の縮め方をするから、興味あれば読んでみてくれ。
今日のボドゲ会はこんな感じ。最初は端っこで小さく笑ってるだけだった控えめな子が、嘘をつくゲームになった瞬間に堂々と人を欺く別人に化けて、負けると本気で悔しがって、最後は「決着つかないと寝れない」って言うまでになった。トーク力で押す合コンとも、ガンガン声かけるナンパとも違う。「卓を囲んで、騙し合って、その人の本性が透ける」っていう、それだけで距離が縮んでいくのが、ボドゲ会の一番面白いとこだった。普段おとなしい子の”裏の顔”が見たい人とか、喋りで勝負するのが苦手な人ほど、こういう”役を被って遊ぶ場”は向いてると思う。…まあ、結局その日にいい子が同じ卓に来るかは運なんで、アプリと併用しとくのが現実的だけどな。笑
全部実際に使った俺の本音ランキング。目的別の使い分けも載せてる。
場の空気を崩す読み物へ。
相席、合コン、飲み会で、隣の席やグループを自然に巻き込む記事を続けて読めます。


