客室乗務員の28歳と、フライト明けの短い時間で会った話
Omiaiで出会った国際線CAのマヤ(28)。フライトで予定が読めない相手と、明けの数時間だけ会った話。所作の綺麗さと時差ボケの落差、休日のマヤの脱力した顔。会えるタイミングが貴重だからこそ見えたものを、そのまま書いた体験談です。
国際線の客室乗務員PLACE恵比寿
現場レポHOOK会う前提の
導線
今回はOmiaiで会った、国際線のCAの話。マヤ、28歳。先に言っておくと、この回はとにかく「会えるタイミングがない」ところから始まった。相手の予定が、こっちの都合とまるで噛み合わない。フライトで予定が読めない人と会うって、こんなに段取りが要るのかと思った夜の話。
プロフの「次いつ日本にいるか分かりません」で逆に気になった
Omiai体験談の入口、恵比寿での空気、会った後の動きまで。場面ごとの温度を拾いながら、アキの現場感をそのまま読む記事です。
Omiaiは真剣度が高めのアプリで、プロフも気合いが入ってる人が多い。マヤのプロフは、写真こそ控えめ(横顔と、後ろ姿で空港のロビーに立ってるやつ)だったんだけど、自己紹介の最後の一文が目に残った。
「仕事柄、次いつ日本にいるか自分でも分かりません。気長な方だと助かります」
普通、マッチングアプリでこれは不利な情報だと思う。会いにくいって最初から言ってるわけだから。でも俺はそこで逆に気になった。会いにくいって正直に書く人、誠実だなと。

いいねしたら、わりとすぐ返ってきた。で、一通目から「来週は香港、再来週はずっと国内です」って。情報の出し方が完全に時刻表なんだわ。笑
すみません、予定を先に出しておかないと、誘ってもらってもお断りばかりになっちゃうので…


いや助かる。じゃあ国内にいる週で、夜が空いてる日ある?
木曜の…夕方から夜なら。でも、その日の朝に成田に着くので、ちょっと使い物にならないかもしれません(笑)

使い物にならないかもしれない、って自分で言う人、面白いなと思った。会う前から、こっちの期待値をやんわり下げにくる。仕事で何百人もさばいてる人の、予防線の張り方なんだろうなと。

フライト明けって、相当疲れてるんじゃないすか。そんな日に会って大丈夫なんすか?

そこは俺も迷った。でも本人が「その日しかない」って言うんだから、無理させない範囲で、軽く飯だけって決めて会うことにした。
木曜の夜、待ち合わせに来たマヤは姿勢だけが完璧だった
待ち合わせは恵比寿の駅前。木曜の19時。来たマヤは、写真の印象より小柄で、でも背筋がやけにまっすぐだった。立ち方が綺麗なんだよ。駅前の雑踏の中で、一人だけ姿勢がいい。
そのくせ、近づいたら目元にうっすらクマがあって、「すみません、朝に帰ってきたばっかりで顔がひどくて」と最初に謝られた。完璧な姿勢と、隠しきれてないクマ。この落差が、会った瞬間のマヤの第一印象だった。
ほんとに、今日の私で良かったのか…って機内でずっと思ってました(笑)


機内で考えてたんだ。笑 いや、来てくれただけで十分だよ。重い店にしなかったの、正解だったわ。
予約したのは、恵比寿の路地裏の小さいビストロ。気を張らなくていい店を選んだ。フライト明けにコース料理とか出されたら、たぶんマヤは気を使って完食しようとして余計に疲れる。そういう気がした。
席についてからも、マヤの所作はいちいち綺麗だった。おしぼりを使ったあと、きっちり畳んで元の位置に戻す。グラスの水位を見て、店員が来る前に「すみません」と小さく手を挙げるタイミングが早い。たぶん全部、仕事で体に染み付いた癖なんだろう。

マヤさ、さっきから俺のグラスの水ばっか気にしてない?
あ……ほんとだ。やだ、職業病です。お客さんのグラス、無意識で見ちゃう


今日は俺が見るから、マヤは見られる側でいてよ。せっかくの休みっぽい時間なんだから
このひとことで、マヤの肩が少しだけ下がったのが分かった。気を抜いた、というより、抜いてもいいんだと許可が出たみたいな下がり方だった。
ワインが入った途端、時差ボケの素が出てきた
白ワインを一杯頼んだあたりから、マヤの喋り方が変わってきた。きちんとした敬語の隙間に、ふっと気の抜けた言葉が混ざるようになる。
いま体の中、まだ香港時間なんですよ。だから今、私の体は朝の…えっと、計算できない(笑)


計算できないんかい。笑
時差って、慣れると思うでしょ。慣れないんです、何年やっても。今もちょっと、地面がふわふわする

時差ボケで地面がふわふわする、という話を、マヤはやけに楽しそうにした。たぶん、誰かにこの感覚を喋ること自体が久しぶりだったんだと思う……というのは俺の勝手な想像で、本当のところは分からない。ただ、機内の話になると、マヤの言葉数が一気に増えたのは事実だった。
香港の空港の話、機内で寝られない客の話、同期と深夜の到着ロビーでカップ麺をすする話。きちんとした人の口から、わりと泥臭い現場の話が出てくるのが面白くて、俺はずっと聞いてた。

CAさんって、なんかキラキラのイメージしかなかったっす

俺もそう思ってた。けど聞いてると、ほぼ体力と気合いの仕事なんだわ。マヤ、二の腕けっこうしっかりしてたしな。
重い荷物、毎日上げ下げしてますからね。華やかなのは地上にいる最初の5分だけです(笑)

地上にいる最初の5分だけ、という言い方に、仕事へのちょっとした誇りと、ちょっとした諦めの両方がにじんでた。こういう、職業の本音みたいなのがぽろっと出る瞬間が、俺はデートの中でいちばん好きかもしれない。
2軒目はなしにした。マヤの瞬きが遅くなってたから
ビストロを出たのが21時半くらい。普段なら「もう一軒どう?」って軽く誘うところなんだけど、この日はやめた。
理由は単純で、マヤの瞬きが遅くなってたから。喋りは弾んでるのに、ふとした瞬間に、目を閉じてから開くまでがコンマ何秒か長い。あれは眠気と疲れが限界に近いやつだ。本人は気合いで起きてるけど、体は朝にフライトを終えてる。

マヤ、今日はここまでにしよう。フライト明けに付き合わせて、これ以上はさすがに鬼だわ
え、まだ大丈夫ですよ?


いや、さっきから瞬きが遅い。プロでも体は正直だって。
……バレてました? お客さんには絶対バレないようにしてるのに

そう言ってマヤは、ちょっとだけ笑って、それから素直に「正直、助かります」と頭を下げた。無理して2軒目に付き合われるより、こうやってあっさり帰してくれた方が、次にまた会いやすい。俺がそう思っただけかもしれないけど、マヤの帰り際の表情は、来た時より柔らかかった。

タクシー乗る? 家、方向どっち?
電車で帰れます。…あの、今日、店も時間も、全部こっちに合わせてくれてましたよね。気づいてました

気づいてたのか、と思った。さすが、人を見るのが仕事の人だ。こっちの段取りを、ちゃんと見抜いた上で乗っかってくれてたわけだ。
ちなみに、こういう「会えるタイミングがそもそも少ない相手」とやり取りするようになってから、俺はアプリの母数の大事さを実感した。一人の予定を待つだけだと、こっちの生活が振り回される。何人かと並行で緩くやり取りしておくと、焦らずに「マヤが国内にいる週」を待てる。どのアプリが自分に合うかは出会えるアプリのランキングにまとめてあるんで、母数で消耗してる人は見てみてくれ。
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その後。次のフライトの前に、もう一回だけ
別れたあと、その日のうちにマヤから連絡が来た。「ちゃんと寝ます。今日はありがとうございました」って、最後まで律儀だった。
それから二週間くらいして、マヤがまた国内にいる週があった。今度は向こうから「次のフライトの前の日、夜なら起きてられます」と連絡が来た。前回は明け、今回は前夜。どっちにしても、マヤの生活はフライトを中心に回ってて、俺はその合間にお邪魔させてもらう感じになる。
二回目は、もう少しちゃんとした店にした。マヤも前回より元気で、ワインのペースも速かった。きちんとした所作は相変わらずだったけど、今度は最初から、俺のグラスの水を見ても「あ、見ちゃった」と自分で笑うようになってた。
そのあとのことは、まあ、ぼかしておく。いい夜だった、とだけ。
恋愛として続くかどうかは、正直まだ分からない。マヤは来月からまた長距離の路線に入るらしくて、しばらく日本にいない。会いにくい人なのは最初から変わってない。ただ、会いにくいって分かった上で、それでも次の予定を教えてくれる相手とのやり取りは、思ってたより悪くない。
次に会えるのは、たぶん一ヶ月後。マヤの体が、どこの時間で動いてるかは分からないけど。
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会った後の流れまで、次に読む。
アプリで会ったあとに失速しないように、連絡、待ち合わせ、次のデートへ繋がる記事を置いています。


