ドキュメンTVガチ?演出?ドキュメント系の素人レーベルを、現場の人間が観た
一覧で「ドキュメンタリー」の札を見た瞬間、路上で声をかける側として素通りできなかった。看板の読み方、カメラの立ち位置、字幕、時間の飛ばし方。現場で見てきた「本物の間」と照らして、ドキュメンTVが俺にどう見えたかを書く。ガチか演出かの二択じゃなく、俺の目の話。
体験レポREAD10分
読了目安HOOK画面と現場の
ズレを見る
一覧の中で、その札だけ浮いて見えた。「ドキュメンタリー」。素人系の棚を上から下までスクロールしてる途中で、棚の脇に並んでる絞り込みの札の中に、それが混ざってた。ナンパ、企画、素人。そこまでは見慣れた並びなんだけど、ドキュメンタリーだけ、こっちに何か言ってくる。路上で人に声をかける側の人間としては、この単語を看板に使われると素通りできないんだわ。「これは本物です」って、観る前から宣言されてる気がして。
レーベルの名前からしてドキュメンTV。素人系レーベルを3つ並べて比べた回で、机にコピー用紙を3枚並べておきながら、この棚は「名前だけ挙げて、観てないから書かない」で置いたやつだ。あの回で約束した通り、手を付けたんで書く。で、観てどうだったかは、ガチか演出かの二択じゃ答えが出なかった。代わりに分かったのは、この「ドキュメント」って看板は読み方を間違えると損する、ってこと。どこをどう読んだか、俺の目線で順番に書いていく。
「ドキュメント」って看板を、俺はどう読んだか
看板の話の前に、俺の現場で「本物」って言葉が指してるものを書いとく。路上でも相席でも、俺が本物だと思ってるのは会話の中身じゃなくて「間」だ。声をかけた直後、相手が止まるか止まらないかを決める半秒。相席でグラスを持ち上げてから置くまでの、誰も喋らない2秒。「じゃあ、どうする?」って言ったあとの、答えが出るまでの沈黙。あの間だけは、こっちが台本を書けない。相手の頭の中で何かが決まる時間だから。
だから「ドキュメント」って札を見たとき、俺が期待したのは、その間が切られずに残ってることだった。で、9月3日の昼に、レーベルの棚を上から下までめくった。MGS動画のメーカー一覧に【独占】の札つきで名前が載ってて、一覧は3ページ分。看板シリーズの番号は三百の手前まで来てた。棚一つ分の量がちゃんとある、ってことだ。当然ながら18禁の棚なんで、そこは各自で。
で、めくってて気づいた。絞り込みの札の並びに、「ドキュメンタリー」と「企画」が両方ある。この2枚が同居してる時点で、看板の読み方はもう決まってるんだよ。看板シリーズは、深夜の駅前で終電を逃した相手に声をかけて、タクシー代を出す代わりに家までついていく、って建て付け。俺が観た数本は全部この建て付けだった。建て付けがある時点で、それは企画だ。テレビの密着番組が「密着」って言いながらロケの段取りを組んでるのと同じで、器は作ってある。
じゃあ「ドキュメント」の札は嘘かっていうと、俺はそうも読まなかった。あれは「事実です」の札じゃなくて、「撮り方の名前」なんだと思う。企画の器の中で、カメラを止めずに回し続けて、起きたことをそのまま拾う。この撮り方を看板にしてる棚。そう読んでから観たら、画面の見え方がだいぶ落ち着いた。

「ドキュメント」の札を「本物保証」って読むと、たぶん裏切られる。「撮り方」って読むと、ちょうどいい。

アキさん、まだ1本も再生してないのに看板の話で20分は喋ってますよ(笑)

前置きが長いのは持病なんだよ。ここから観る。
カメラの立ち位置と字幕。近い点と、遠い点
再生して最初に目が行ったのは、カメラの位置だった。ナンパTVを路上の人間の目で検証した回で書いた通り、あっちは「インタビュー」って建て付けなんで、カメラが相手の正面に立つ。相手はカメラに向かって喋る。こっちの棚は、俺が観た数本の範囲だと、カメラが半歩後ろにいる。声をかけてる人間の肩越しか、少し横。手持ちで揺れる。で、相手の目線が、カメラじゃなくて声の主のほうに行ってる時間が長い。
これが、近い点だ。俺が路上で見てる景色って、正面の顔じゃなくて、横顔と目線の動きなんだよ。声をかけて、相手の目がこっちの顔と後ろの道を一往復する。その往復を、肩越しのカメラは拾ってた。相席でも同じで、隣に座った子が俺の話の途中で友達のほうを一瞬だけ見る。あの一瞥で、その夜の残り時間がだいたい決まる。俺が見てるのはいつも、そういう横顔の側の動きだ。ナンパTVの正面カメラだと、この一往復が「カメラを見る」に置き換わる。どっちが上って話じゃなくて、俺の現場に近い画はこっちだった、って話な。

今の目線。カメラじゃなくて声の主のほう見た。これ、路上で一番見たいやつ。

あ、いま後ろの道も見た。帰るか迷ってる目だ。ここで畳みかけたら負けるやつ。
遠い点は、字幕だ。この棚、字幕が多い。時刻と場所の字幕、相手の年齢と職業の字幕はまだいい。名札みたいなもんだから。俺が引っかかったのは、相手の気持ちを先回りして説明する字幕だ。場面の空気が変わる直前に、変わりますよ、って文字が出る。路上には字幕がない。相手の頭の中は分からないまま進むのが現場で、その分からなさに耐えるのが、俺の仕事のほぼ全部なんだよ。字幕が読み方を決めてくれるのは楽なんだけど、楽すぎて、俺は途中から消したくなった。消せないんだけど。笑

テロップが本人より先に動揺すんな。笑

字幕に文句言いながら観てる人、初めて見ました(笑)
ただ、字幕を全部悪者にする気もない。相手の声が小さい場面で、字幕がなかったら何を言ってるか分からなかったカットが何回かあった。深夜の駅前って、風と車の音で、実際の路上でも聞き取れないことが多い。あの字幕は、路上でいうと「もう一回、なんて?」って聞き返す作業の代わりをやってる。それは、まあ、ありがたい。
家に着いて、玄関のドアが開くところまでが、俺の専門の範囲だ。そこから先は作品で観てくれ。うちのサイトで書くのはドアの手前まで、ってのはいつも通りな。
時間の流れ方。編集で消える時間と、路上で消えない時間
次に見たのが、時間だ。この棚の作品は、時刻の字幕で時間を飛ばす。駅前で声をかけた時刻、タクシーに乗った時刻、家に着いた時刻。数字が変わった瞬間に、その間の時間は画面から消えてる。
路上で消えない時間ってのがあって、それは移動の時間だ。店まで歩く5分、タクシーの中の沈黙、エレベーターの中。この時間、会話が途切れるんだよ。話題が尽きたんじゃなくて、お互い次の場面のことを考えてて、口が動かない。俺はこの沈黙が一番ヒリつくし、この沈黙をどう持つかで、その夜が決まることが多い。前に、新宿から乗ったタクシーで十五分まるまる無言だった夜がある。信号で止まるたびに何か言おうとして、結局出たのは「眠い?」の一言だけ。返事は「ちょっと(笑)」。それでも降りたあとは普通に続いたんで、沈黙は失点じゃない。ただ、あの十五分は今でも体が覚えてる。で、画面の中ではここが飛ばされる。時刻の字幕で、次の場面に着地してる。

時刻の字幕、変わった。今の空白、俺なら一番喋れない時間だわ。そこ飛ばすのか。
観た数本の中で、この移動の時間を残してる作品と、切ってる作品があった。俺が信じたくなったのは、残してるほうだった。タクシーの後部座席で、相手が窓の外を見てて、声の主が何も言わずにいる十数秒。玄関で靴を脱ぐまでの、妙に長い3秒。あの時間に、字幕は出なかった。出しようがないんだと思う。何も起きてないから。でも路上をやってる人間には、何も起きてない時間が一番情報量が多い。

この靴脱ぐまでの間。ここ切らなかったの偉いわ。ここが本番なんだよ、俺らの仕事は。
編集が一切入らない画面ってのも、俺は知ってる。ライブチャットを課金して使った回で書いた、つながった直後の見合いの数秒。あれは誰にも切れない。カメラの向こうに人がいて、いま同じ時間が流れてるから。それに比べると、この棚の画面は、どの時間を残してどの時間を切るかを、作ってる側が決めてる。ドキュメントって看板の下で、その選択は当たり前に入ってる。それを分かった上で、残してある時間だけを信じる。俺の観方はそこに落ち着いた。

生配信の「切れなさ」を知ってると、編集された「残し方」のほうが逆に見えてくるんだよな。
3つの棚を並べる。ドキュメンTV・シロウトTV・ナンパTV
ここまでの話、コウに口で説明しようとして3回失敗したんで、並べる。ドキュメンTVと、応募で来た子との待ち合わせから始まるシロウトTV、街の声かけから始まるナンパTV。数字は入れてない。全部、俺の目にどう映ったかの言葉だ。
| 項目 | ドキュメンTV | シロウトTV | ナンパTV |
|---|---|---|---|
| カメラの立ち位置 | 半歩後ろ、肩越し。手持ちで揺れる | 待ち合わせの正面。同席してる人の目線 | 相手の正面。「取材」として立つ |
| 入りの見せ方 | 深夜の駅前。終電を逃した相手に「家まで」の建て付け | 応募で来た子との「はじめまして」から | 「インタビューいいですか」の一言から |
| 時間の流れ方 | 時刻の字幕で飛ぶ。残す間と切る間がはっきり | 初対面のぎこちなさが溶けていく速度のまま | 声かけからの過程が長い。序盤は路上のテンポ |
| 向く夜 | 人の家に上がるまでの空気を観たい夜 | 平熱の夜。素の初対面をゆっくり | テンションが残ってる夜。過程を全部 |
並べて見ると、ドキュメンTVは「時間」の行で一番はっきり色が出る。他の2つは時間が画面の中で流れてるのに対して、この棚は時間を字幕で管理してる。管理してるからこそ、管理から漏れた時間が目立つ。俺がこの棚で観てたのは、たぶんその漏れた時間だった。

「向く夜」の行は、俺の平日の使い分けそのまんまだわ。月曜はこの棚、水曜はシロウトTV、金曜は路上に出るから観ない。
向く人、向かない人。俺の場合で書く
誰に向くかを、俺の場合で書く。俺は、声かけの結果より、そのあとの移動の30分にいちばん心拍が上がる人間だ。店までの道、タクシー、エレベーター。この時間が長いほど、その夜が濃い。だからこの棚は、俺には向いてる。人の家に上がるまでの空気を、肩越しのカメラで観られるのは、他の棚にはない。
向かない夜もある。字幕に読み方を決められるのが鬱陶しい夜だ。疲れてて、自分の頭で間を読む余裕がない夜は、字幕が親切に見える。逆に、路上帰りで頭が現場のままの夜は、字幕が先に喋るたびに舌打ちが出る。俺はそういう夜、この棚は開かない。展開が読める安心が欲しい夜は、シロウトTVのほうに行く。
あと、テンポ良く進んでほしい人には、この棚は遅いと思う。時刻の字幕で飛ばしてるくせに、残してる間が長いから、全体としては待たされる。俺はその待ち時間が好物なんだけど、コウに1本観せたら、途中でスマホをいじり始めてた。

靴脱ぐとこ、3秒でしたよね。アキさん、そこ巻き戻したの2回目ですよ(笑)

3秒に何が詰まってるか、お前もそのうち分かる。分かったら奢る。
聞かれそうなことを3つ
ドキュメンTVはどこで観られる? 作品はどれくらいある?
MGS動画のメーカー一覧に、【独占】の札つきで載ってる。品番の頭が全部そろってるんで、棚で見れば一目で分かる。量は上で書いた通り、棚一つ分。正確な本数は数えてないし、日々増えるもんなんで、量の感覚だけ持って帰ってくれ。俺は本家で買った。
料金はいくらだった? 月額で観られる?
俺が9月に買った分は、ストリーミングだけの7日間のやつが千円弱、ダウンロード付きの無期限が二千円弱の2段だった。初回購入の還元キャンペーンの札も付いてた。ただ、これは俺が買った日の値札で、最新は公式で確かめてくれ。月額見放題のチャンネルに入ってるかどうかは、俺は確認しきれなかったんで、そこも棚で見てほしい。単品で買う分には、今日書いた通りの形で買える。
シロウトTVやナンパTVと、どっちを先に観るべき?
入り口の違いで決めるのが早い。約束して会う空気を観たいならシロウトTV、街で声をかける過程を観たいならナンパTV、深夜に声をかけて家までついていく空気を観たいならこの棚。最初の1本の選び方は、後輩に公園のベンチで教えた回に書いたんだけど、あの回で出した3択にこの棚は入ってない。3択の外にある4つ目の入り口だと思って、余裕ができてから手を出すのがいいと思う。俺もそうした。
棚に残った1本と、深夜のコンビニ前
俺はこのレーベルの棚で、9月に入ってから単品を3本買った。最後の1本はストリーミングの7日間のやつで、期限内に2回観た。2回目は字幕を読まないで、目線と間だけを追った。そしたら、1回目に「演出だな」と思った場面の半分くらいが、2回目には違って見えた。字幕が読み方を決めてただけで、画の中で起きてることは、意外と何も決めてなかった。
- 「シロウトTV」「ナンパTV」を配信してる大手。素人系の作品数と更新はここが軸
- 単品購入と月額見放題が選べる。気になる1本だけ試す、って買い方ができるのが気楽
- 会員登録は無料。セールとポイント還元がちょいちょい来るから、買う前に一度中を見とくといい
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2回目を観終わったのが、たぶん1時前。部屋にいられなくなって、外に出た。
いま、コンビニの前にいる。缶コーヒーを1本買って、袋は断って、店の灯りの端っこに立ってる。終電はとっくに出てて、駅のほうから歩いてくる人が、ぽつ、ぽつと減っていく。誰にも声をかけない。画面の中の駅前と同じ時刻なのに、時刻の字幕も、気持ちを先回りする文字も、ここには出ない。何分経ったかは、俺が数えるしかない。缶が冷えていく。街は、切れない時間をそのまま流してる。
観る側の夜を、もう一段読む。
検証、買い方、支払い、無料の範囲。家で観る夜に要る記事を並べています。


