ワクワクメール 名古屋セルフィー認証済で絞った「いいかも!」に返事が来て、名駅の横丁で28歳の経理と
名古屋に一泊の出張の前の晩、ワクワクメールのプロフ検索を愛知にして、セルフィー認証済の項目にチェックを一個足した。趣味欄が「新規開拓」の経理の28歳に「いいかも!」を押して、翌朝マッチング。名駅の横丁の立ち飲みで、俺より先に店のおじさんがアヤネに気づいた夜の話。二軒目は味噌おでんのカウンター。
名古屋市内の電気工事会社の経理 PLACE名古屋
現場 HOOK現場感を
そのまま読む
名駅の横丁の立ち飲みで、俺より先にアヤネに気づいたのは、カウンターの中のおじさんだった。暖簾をリュックごとくぐりかけた俺を一回見て、おじさんは奥のほうに向かって顎を振った。それで振り返った人と目が合った。合流って、こういう決まり方もあるんだな。
10月半ばの火曜、名古屋に一泊の出張。アヤネのことは、この週の頭まで何も知らなかった。始まりは前の晩で、自分の部屋でワクワクメールのプロフ検索を愛知にして、条件のところにチェックを一個足したところからだわ。そこから立ち飲みを一軒、味噌おでんのカウンターを一軒。
月曜の夜、愛知の検索条件に「セルフィー認証済」を足した
出張が決まったのは先週で、先方は名駅から電車で20分ほど行った先の工場だった。打ち合わせが終わるのが19時の見込み。日帰りもできる時刻ではあるんだけど、19時に工場を出て新幹線に乗ると、家に着くのは22時を回る。それなら泊まって、次の日の昼にゆっくり帰る。宿は栄に取った。名古屋で俺が立ってきた場所を10個、表にした回で、出張の宿は名駅じゃなく栄か伏見、と俺は自分で決めてる。名駅の横丁が出張族と一人客の、よそ者同士の空間だっていうのも、あの表に自分で入れた一行だわ。名駅の横丁に立とう、と言い出したのは、今回は俺の側だった。
で、月曜の夜。風呂から上がって、床に座って、ワクワクを開いた。ポイントは前に入れたぶんが手元に残ってて、この夜はそれで動いた。ハピメとPCMAXに並べて書いたワクワクの回で、俺はここを三番手に置いた。ただ出張の前の晩だけは、開く順番が入れ替わる。
プロフ検索のエリアを愛知にして、年齢の幅をいつも通りにする。ここまでは毎回の手順。この夜はそこに、セルフィー認証済っていう項目があるのを見て、チェックを一個足した。セルフィー認証は、プロフの人物が本人かどうかを運営が確かめる仕組みで、年齢確認とは別の、任意の手続きなんだよ。済ませた人には認証のマークが付いて、検索ではその人たちだけに絞れる。
チェックを一個足してから、一覧を一人ずつ最後まで読んだ。読むときは名詞を数える。年齢確認は使っていい歳かどうかを見るもので、登録の目的までは見ない、とプロフの違和感を4パターンに分けて業者を見分けた回のQ4で俺は答えてる。認証のマークがあっても、そこは変わらないと思ってる。ただ、プロフの人が本人だっていう裏付けが一個増えるだけで、読むときの力の入れ方は変わるんだよな。
アヤネのプロフは、28歳、名古屋市、経理。自己紹介が「電気工事の会社で経理をしています。平日は19時を過ぎれば動けます。」で、趣味の欄に「新規開拓」。名詞が、電気工事、経理、新規開拓。写真は2P払って開いたら、どこかの店の棚に並んだ焼酎の瓶だった。ラベルの字は遠くて読めない。これで名詞が一個増えた。

趣味欄が「新規開拓」って、営業の人の言葉っすよね

俺もそう思って開いた。経理だった。笑
いいかも!を押した。2P。これ、一人に対して一回しか押せなくて、取り消しも効かない。押す前にプロフを頭からもう一回読み直したのは、そのせいだわ。検索結果に並んでる時刻は、その人が最後にログインした時間で、アヤネのは月曜の23時台。俺が押したのは日付が変わる少し前だった。
アヤネとのあいだにハートのマークが付いてるのを見たのは、火曜の朝6時半。歯を磨く前だった。向こうからもいいかも!が返ってくると、それでマッチングが成立する。この時点で、メールはまだどっちも一通も送ってない。
趣味欄の「新規開拓」を、店のことだと思わずに一通目を送った
一通目は俺から。新規開拓の四文字に、そのまま質問で返した。

新規開拓って、店ですか、人ですか。今日、仕事で名古屋に一泊します。19時半には名駅に戻れます
7時5分に送信、5P。俺の側だと、メールで減るのは送るときだけで、受け取って読むぶんには何も減らない。ちなみにこのサービスは、18歳未満と、歳に関係なく高校生も使えない。
返事は昼だった。12時20分。
店です(笑)人は開拓しとらん

火曜なら、名駅のほうが近いです

人は開拓しとらん。工場の食堂で、カレーが来る前に二回読んだ。笑ったのは俺のほうで、向こうは別に笑わせる気で書いてないんだと思う。近い、っていうのは、アヤネの会社が名駅側なのか家が名駅側なのか、この時点では分からなかった。

じゃあ名駅で。横丁の立ち飲みに、出張の人に混じって立つつもりでした。一緒に立ってもらえますか
12時32分、二通目。5P。これにも昼のうちに返ってきた。
立ち飲みでよければ、太閤通口のほうに一軒。20時なら入れる

一軒、で止まってる。店の名前も、横丁のどのへんかも、書いてない。聞けばもう一通増えるんで、聞かなかった。午後の打ち合わせがちょうど休憩に入った17時50分に、三通目を送った。

20時で。横丁の中、一軒ずつ覗いて探します。たぶんいちばん出張っぽい顔で入っていきます
了解です。二人ぶん空けとく

これが18時10分。俺が3通で、アヤネが3通。俺のほうは5Pずつだから15P。いいかも!の2Pと瓶の写真の2Pを足して、この時点で減ったのは19P。Sが残ってるうちは、減るのはSのほうからっていう順番で、そこは気にしてない。
「出張っぽい顔」に、アヤネは何も返してこなかった。この時点では、スルーされたんだと思ってた。
太閤通口の横丁で、俺より先に店のおじさんが気づいた
工場を出たのが19時すぎで、名駅に戻ったのが19時半。改札を出て、桜通口じゃなく反対の太閤通口へ抜けた。高層ビルの側から見ると、こっちは急に背が低くなる。横丁は、その低いほうの通りを何分も行かないうちに見えてきた。
20時少し前。横丁の中は、赤い提灯と白い暖簾と、間口の狭い店が肩を寄せて並んでて、通路に出てる椅子に座ってるのは、だいたいスーツの一人客だった。リュックを背負ったまま、一軒ずつ暖簾の下から中を覗いていく。三軒目の暖簾に頭を入れたら、カウンターの中のおじさんが手を止めてこっちを見た。

アヤネちゃん、来たんじゃない?
俺に言ったんじゃない。奥に向かって言った。奥の壁ぎわで、グラスを持ったまま振り返った人がいて、俺を見て、小さく手を上げた。
こっちです


どうも。え、おじさん、なんで分かったんですか

二人ぶんって言われてたでね。入口で止まる人、あんたが最初
出張っぽい顔、しとった


読んでたんだ、それ。返事なかったから
返す前に、見たかったもんで

深い緑のカーディガンに黒いパンツで、髪は耳の後ろにまとめてある。仕事帰りそのまま。隣に入って、リュックを足元に下ろしたら、アヤネの目がそのリュックに一回落ちて、靴まで下りて、戻ってきた。何も言わない。言わないけど、見たのは分かった。

リュック、下ろさないまま入ったんすか

横丁の半分がそういう人だったから、目立たなかったはずなんだよ。目立たなかったのに、おじさんには見つかった。笑
生ビールを二つ。アヤネはさっきまで持ってたグラスを空けてから、俺と同じのを頼み直した。つまみは、おじさんが聞かずに出してきた揚げ物の串が二本。

先に入ってたの、何時から
ちょっと前


さっきのグラス、ほとんど底だったけど
ちょっと前(笑)

この人、笑うのが遅い。俺が何か言って、間があって、次の話に行きかけたころに、前のやつで笑う。最初は聞こえてないのかと思った。

経理って、電気工事の会社の
そう。現場の人の領収書、毎日見とる


新規開拓は、その会社の話?
半分。会社の飲み会の店、決める係なんで


経理が決めるんだ
お金の出どころが経理だもんで

言われてみればそうじゃん。飲み会の店を決める係が経理の人って、俺の会社だと考えたことも無かった。残りの半分は、自分の分。平日の夜に一人で立ち飲みに入って、自分の通う店を増やしてるらしい。この横丁も、その流れで来た店の一つだった。おじさんが名前で呼ぶくらいには来てる。

じゃあ今日も下見?
ここはもう済んどる


済んでる店に、俺を呼んだんだ
済んどる店じゃないと、人は呼べん

隣のスーツの人が、串を一本残して出ていった。おじさんがその皿を下げながら、「アヤネちゃん、今日は連れがおるで静かだね」と言って、アヤネは返事をしなかった。そのかわり、俺の生ビールの減り方をちらっと見た。見たのは、たぶん三回目。
21時を回って、アヤネがグラスを置いた。
次、歩けます?


歩ける。どこ
まだ入っとらん店

セルフィー認証済にチェックを入れて絞ったのは、前に、送った一通目が全部止まったまま終わった週があったからだわ。返事が来ない理由は分からない。ただ、プロフが本人のものだって運営が確かめてる相手にだけ送るほうが、止まったときに自分を納得させやすい。それだけの理由で、月曜の夜はチェックを一個足した。
- 運営20年超の老舗だから、ぽっと出のアプリより落ち着いて使える
- 無料ポイントの範囲で雰囲気を試せるから、合う合わないを確かめやすい
- 検索条件が細かくて、近場で条件の合う子を探しやすい
18歳未満(高校生を含む)はご利用いただけません。登録には年齢確認が必要です。本コンテンツには広告(PR)が含まれます。
味噌おでんの鍋の前で、店を決める係の下見に付き合った
横丁を出て、名駅の裏の大きい通りを渡って、7、8分。アヤネが引き戸に手をかけたのは、通りから一本入った角の店だった。席はカウンターの七つと、いちばん奥の二人がけが一つ。カウンターの端で、四角い鍋が湯気を立ててる。茶色い汁の中に、大根と、こんにゃくと、玉子。

これが味噌おでん
そう。東京の、透明なやつと違う


汁、飲めるの
飲まん(笑)

鍋から遠いほうの二席に、並んで座った。日本酒を一合ずつ、おでんは大根とこんにゃくと玉子を、アヤネが一個ずつ指さして頼んだ。頼み方が速い。店の人に聞く前に、鍋の中を見て決めてる。

ここ、入ってない店って言ってたよね
前から気になっとった


気になってたのに入らなかったのは
一人だと、頼める数が少ないもんで


……俺、下見の相方なんだ
半分

また半分。残りの半分が何なのかは、聞かなかった。大根が来て、味噌の汁が皿の底に溜まってて、箸で割ったら芯まで茶色かった。甘い。思ってたより、だいぶ甘い。

甘いな、これ
名古屋の人は、それ言われると困る


困るんだ
甘いのが普通だもんで、何て返していいか分からん

ここで、アヤネが初めて声を出して笑った。笑ったのは、俺が「困るんだ」と言ってから、だいぶ経ってからだった。玉子に箸を入れたあたり。

今の、さっきのやつ?
さっきの(笑)


笑うの、毎回遅れて来る?
来るのが遅いだけ。ちゃんと来とる

ちゃんと来とる。横丁の「ちょっと前(笑)」も、たぶんそういうことだったんだわ。
飲み会の店を決める係の話は、ここで本題に入った。電気工事の会社は現場の人が多くて、飲み会の日も作業着のまま現場から直接来る人がいる。だから駅前のきれいな店はあんまり使えない。個室か、それに近い区切りがある店。領収書が一枚で出る店。焼酎の瓶を置いてくれる店。アヤネが喋ったのは、そういう条件の名前だけ。一個言うたびに猪口に口をつけて、間を置いてから次を言う。

じゃあこの店は、会社の飲み会には使えないじゃん。カウンターだし
使えん


じゃあ何の下見
自分の

自分の、のあとに続きは無かった。俺の猪口に酒を足して、自分のにも足して、鍋のほうを見てた。
一合目が空くころに、なんで返してくれたのかを聞いた。いいかも!のほう。

月曜の夜のやつ、なんで返してくれたの
新規開拓に、何の、って聞いてきた人おらんかったもんで


店か人か、は一通目だよ。いいかも!は、その前
……


言わないんだ
言わん(笑)

この(笑)は遅れなかった。たぶん、答えを用意してなかったんじゃなくて、用意してあるのを出さなかっただけだと思う。
二合目は、どっちもゆっくりだった。カウンターの下で、アヤネの膝が俺の膝に一回当たって、戻らなかった。鍋の湯気で、引き戸のガラスが内側から白くなってた。店の人は奥のテーブルの客と喋ってて、こっちを見てない。アヤネは俺の顔を見ないで、猪口の縁を指でなぞってた。
22時半、猪口が二つとも空いたところで、アヤネが財布を出した。半分ずつ。お札の向きを揃えてから、カウンターに置いた。
タクシーに乗せて、俺は広小路通りを栄まで歩いた
引き戸を開けたら、外は思ったより冷えてた。10月も半ばになると、22時すぎの名古屋の風は乾いてる。アヤネはカーディガンの前を合わせて、大通りのほうを見た。
タクシーで帰る。家、東のほうなんで


地下鉄は
乗り換えが面倒。アキさんは


栄まで歩く。宿、栄なんだよ
歩く?


広小路をまっすぐでしょ。30分くらい
……東京の人、歩くんだ

歩くんだ、の言い方が、感心してるのか呆れてるのか分からなかった。たぶん両方だわ。
大通りに出て、タクシーの空車を待った。火曜のこの時間は、通りに空車がなかなか来ない。並んで待ってたあいだのことは、アヤネの口数と同じくらいしか書かないでおく。アヤネは最後まで、思ってることを口に出さない人だった。
来た空車に、アヤネは一回振り返ってから乗った。窓は開けなかった。ドアが閉まって、車が動き出してから、窓の内側で手が一回だけ上がった。
俺は駅の向こう側へ抜けて、広小路通りを東へ歩いた。名駅のビルの灯りが背中にあって、前は暗い。伏見のあたりは会社帰りの人がもう引いてて、ビルの一階の、まだ点いてる窓の灯りだけが並んでる。栄が近づくと、人がまた増えた。

手、上げたの乗ってからなんだよな。あれも遅れて来たやつか
誰にも聞こえない声で言って、歩き続けた。宿に入ったのが23時10分。リュックを置いて、シャワーを浴びて、そのまま寝た。
翌日の昼、二軒目の店は会社の人に回ってた
水曜は仕事が無い。寝て、起きて、宿の朝飯を食って、荷物を詰めた。この宿、チェックアウトが12時で、12時ちょうどに下りたら、フロントの前に列ができてた。出張の人が、俺と同じことを考えてたらしい。
列に並んで最初に読んだのが、アヤネからの一通だった。
昨日の店の二軒目、会社の人にも教えた

届いてた時刻からすると、昼休みに入ってすぐ打ったんだと思う。二軒目は会社の飲み会には使えない店だって、本人が言ってたんだけどな。使えない店を、会社の人に教えてる。たぶん、飲み会じゃないほうの用で。

褒められたの、店のほうだけっすね

店を決めたのはアヤネで、俺は横に座ってただけだわ。それでも一通もらえた。笑
返しは一言にした。5P。

大根、甘かったって伝えといて
アヤネとのことを頭から辿ると、最初にあるのは月曜の夜に俺が押したワクワクの「いいかも!」で、2P。あの2Pの手前にあるのは、愛知の検索結果と、足したチェックが一個と、焼酎の瓶の写真だけ。
- 運営20年超の老舗だから、ぽっと出のアプリより落ち着いて使える
- 無料ポイントの範囲で雰囲気を試せるから、合う合わないを確かめやすい
- 検索条件が細かくて、近場で条件の合う子を探しやすい
18歳未満(高校生を含む)はご利用いただけません。登録には年齢確認が必要です。本コンテンツには広告(PR)が含まれます。
列が一人ぶん進んだ。俺は、昨日アヤネが二軒目を決めたのが一軒目のどのタイミングだったのかを、まだ当てられずにいた。
会った後の流れまで、次に読む。
アプリで会ったあとに失速しないように、連絡、待ち合わせ、次のデートへ繋がる記事を置いています。