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【高松ナンパスポット8選】ライオン通・古馬場の歩き方と、行列で会った26歳

【高松ナンパ】ライオン通で声かけ→骨付鳥の店で26歳・地元OLとのアイキャッチ画像
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STREET REPORT / 高松

高松ナンパスポット8選ライオン通・古馬場の歩き方と、行列で会った26歳

ライオン通・古馬場・瓦町など高松ナンパスポット8選を、実際に声をかけた場所と通り道に分けて表にした。出張ついでの一人遠征で、骨付鳥の行列の前で声をかけた信用金庫勤めのマヒロ(26)と、骨付鳥から締めの夜うどんまで行った夜の実況。四国に相席ラウンジが無いこと、最寄りがどこかも公式の一覧で確認した。

高松ナンパスポット8選 高松 読了 14分
01 STREET声をかける 02 WALK高松で流す 03 DRINK店で温度を上げる 04 CLOSE次へ運ぶ
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TYPEマヒロ 26歳
地元の信用金庫勤務
PLACE高松
現場
HOOK現場感を
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今回は香川・高松に遠征してきた話。といっても最初から狙ってたわけじゃなくて、平日の高松出張が入って、夜が丸ごと空いたからついでに動いた一人遠征回。四国は正直ノーマークだったんだけど、歩いてみたら高松の夜は想像の3倍ちゃんと「街」だった。ライオン通ってアーケードの飲み屋通りから古馬場(ふるばば)の路地まで歩いて、最終的に、骨付鳥の行列の前で声をかけた地元の信用金庫勤めのマヒロって子(26)と、骨付鳥→締めの夜うどんまで行った。

ただ、綺麗な話だけじゃない。夕方のアーケードでは買い物帰りの子に感じ良くかわされて地味な軽傷を負ってるし、古馬場では客引きのおっちゃんに二回捕まりかけてる。その辺の滑った場面も隠さず、歩いた順に書いていく。

Scene 01

高松ナンパスポット8選|場所ごとの俺の入り方

歩いた順のレポの前に、高松の中心部で俺が足を使った場所を並べておく。声をかけたのは丸亀町からライオン通にかけての屋根の下だけで、古馬場は路上では誰にも声をかけてないし、瓦町と駅前は通り過ぎただけだ。「一言」の列でそこは分けてある。通り道のほうは、俺がこの目で見た人の流れの話であって、そこで何かが起きた話じゃない。

スポット 動く時間帯(俺の体感) 人の流れ 俺の入り方 一言
ライオン通(アーケードの飲み屋通り) 19時〜23時 仕事帰りのグループ、店決めで止まる二人組、案内板を見上げる出張族 歩いてる人を追わず、行列や案内板の前で止まってる人の隣に立つ 声かけた。骨付鳥の行列の前でマヒロと
丸亀町商店街(ライオン通へ続くアーケード) 17時〜18時台 買い物帰り。生活の時間で足が速い 歩く速さを合わせて軽く一言。勝負の時間じゃない 声かけた。17時半に感じ良くかわされた
古馬場(スナック・小箱の路地) 20時〜深夜 飲み慣れた社会人と常連。客引きも出る 路上は歩くだけ。自分で選んだ小箱のカウンターで腰を据える マヒロの案内で入った。客引きには二回捕まりかけた
古馬場のはずれ(締めのうどん屋の暖簾) 23時〜0時台 飲み帰りの集団、仕事明けの人 声をかける場所じゃない。隣と丼を並べる時間 0時前にマヒロと
瓦町駅前(ことでんのターミナル) 夕方の待ち合わせ帯と終電前 学生、若手社会人、待ち合わせの子 待ってる子に一言だけ。終電前は帰る顔だから短く 通り過ぎただけ。声はかけてない
高松駅前(サンポート) 昼〜夕方 出張族、観光客、仕事中の人 宿の起点。夜は通過 通り道。港の船の音を聞いただけ
兵庫町・片原町のアーケード(商店街網の北側) 昼〜夕方 買い物と通勤の流れ 中心部へ歩く助走。並走で声はかけにくい 通り道
朝の製麺所系うどん屋 朝7時台 通勤前の地元の人 声をかける場所じゃなく、翌朝用 チェックアウト前にマヒロと

8か所並べても、俺の高松は「夕方の商店街で一回滑る→夜のライオン通で行列の前→古馬場のカウンター→はずれのうどん」の一本道で、全部アーケードと路地の中で終わってる。屋根が繋がってるから、移動のたびに街の温度が切れないのがこの街のいいところで、表の上から下まで歩いても傘はいらない。

ライオン通が声をかけやすいのは、行列と案内板の前で人が立ち止まるからだわ。歩いてる人を追いかけるより、止まってる人の隣に立つほうが、街の温度が分からない初見でも入りやすい。マヒロに声をかけられたのも、行列を見てちょっと笑った顔がそこで止まってたからで、夕方の商店街で足の速い子に並走して滑ったのと、やってること自体はほぼ同じなのに結果が真逆だった。

古馬場は入る店を自分で選ぶ場所で、客引きについていく場所じゃない。俺は二回捕まりかけて、二回とも足を止めずに抜けた。あの路地で本当に距離が縮んだのは、看板を見上げてた時間じゃなくて、奥のカウンターにマヒロと並んで座った瞬間だった。

Scene 02

なんで高松|マリンライナーの「高松行き」が、ずっと頭に残ってた

なんで高松|マリンライナーの「高松行き」が、ずっと頭に残ってたの要点を表す画像
なんで高松|マリンライナーの「高松行き」が、ずっと頭に残ってた

そもそものきっかけは、この前の岡山遠征の夜の帰りだった。岡山駅のホームで「マリンライナー 高松行き」って表示をぼーっと眺めてて、そうか、瀬戸大橋を渡ったら四国って地続きなんだよな、対岸の夜はどうなってんだろうな、っていうのが頭の隅にずっと残ってた。そこにたまたま高松出張が入った。仕事は夕方前に終わる。宿は駅近のビジホ。夜が丸ごと空いてる。行くしかない。

で、ほぼ下調べなしで行った俺が着いてから知ったんだけど、高松の飲み屋街は四国でも最大級にデカい。中心部のアーケード商店街は総延長が約2.7kmで「日本一長い」って言われてる規模で、その商店街網の南のほうに、ライオン通っていう飲み屋が密集したアーケードと、古馬場っていう夜の店がぎっしり詰まった一角がくっついてる。つまり声かけも、飲みも、締めも、だいたい屋根の下で済む。雨が降っても濡れない飲み屋街。しかも瀬戸内の気質なのか街全体がゆったりしてて、路上でガツガツ押すより、店の中でじわじわ寄せていくほうが合う街だった。この温度は着いて2時間で分かった。ちなみにこのあと同じ四国の松山にも行ったんだけど、向こうも「四国最大級」を名乗ってて、しかも看板が雑居ビルの二階から上に縦に積んであるタイプだった。二番町で二回続けて滑ってから、三番町の立ち飲みで隣に座った二晩と読み比べると、同じ四国でも街の作りが真逆なのが分かると思う。

コウ
コウ

高松って、うどんの国ってイメージだったっす。夜も強いんすね

アキ
アキ

俺も完全に舐めてた。笑 四国で一番手クラスの飲み屋街、高松のライオン通と古馬場ってとこに固まってるんだわ。

コウ
コウ

ライオン通。名前だけ聞くと強そうっすね

高松駅前はサンポートっていう再開発エリアで、オフィスとホテルと綺麗な広場の区画。海が近くて、港のほうから船の音が普通に聞こえてくる。駅前だけ見ると綺麗すぎて夜の気配はゼロなんだけど、夜の中心はそこじゃなくて、駅から15分ほど歩くか、ことでん(地元の私鉄)で瓦町方面へ出た先になる。俺はホテルに荷物を投げて、明るいうちに中心部を一周下見することにした。

Scene 03

高松のゾーン早見表|ライオン通・古馬場・瓦町駅前の温度差

高松のゾーン早見表|ライオン通・古馬場・瓦町駅前の温度差の要点を表す画像
高松のゾーン早見表|ライオン通・古馬場・瓦町駅前の温度差

歩いた話の前に、高松の中心部がどう分かれてるかを表で整理しておく。初見だと「全部アーケードで繋がってて、どこが夜の中心か分からん」ってなるんで(俺がなった)、ここだけ押さえておくと迷わない。

ゾーン 顔つき 主にいる人 使いどころ
高松駅前(サンポート) 再開発の綺麗な区画。オフィス・ホテル・広場 出張族・観光客・仕事中の人 宿の起点。夜は基本通過
ライオン通 アーケードの中に居酒屋・バル・呑み処が密集 仕事帰りの地元組・飲み会の流れ・店探しの人 夜の入り口。人の流れが一番読める
古馬場 スナック・バー・小箱が路地と雑居ビルに堆積 飲み慣れた社会人・常連・客引きも出る 夜の本丸。店に入って腰を据える
瓦町駅前 ことでんのターミナル+商業ビル。若さ強め 学生・若手社会人・待ち合わせの子 夕方の待ち合わせ帯と、終電前の動き

補足すると、高松の面白さは、この表のゾーンがほぼ屋根で繋がってること。夕方の商店街で声をかけて、ライオン通の店で飲んで、古馬場に流れて、締めのうどんまで、全部アーケードと路地の中で完結する。前に川口の東口まわりだけで一晩が完結した回を書いたけど、あれの「駅から離れずに全部済む」感覚を、屋根ごと横に2.7km引き伸ばした街だと思ってもらえれば近い。

コウ
コウ

てか「古馬場」って読めなかったっす。こばば?

アキ
アキ

ふるばば、な。俺も現地で読み方知った。笑 スナックの看板が縦にえぐい密度で積んである一角で、夜はここが本丸なんだわ。

Scene 04

ライオン通で声かけ|夕方に1回滑って、骨付鳥の行列の前でマヒロと

ライオン通で声かけ|夕方に1回滑って、骨付鳥の行列の前でマヒロとの要点を表す画像
ライオン通で声かけ|夕方に1回滑って、骨付鳥の行列の前でマヒロと

17時半、下見がてら丸亀町のアーケードからライオン通方面へ歩きながら、最初の声かけ。買い物袋を提げた同年代くらいの子に、歩くスピードを合わせて軽めに入った。

アキ
アキ

すいません、地元の方ですか? 骨付鳥食べるならここ、って店があったら聞きたくて。

買い物帰りの子

あ……ごめんなさい、ちょっと急いでて。(小さく会釈)

買い物帰りの子

会釈が丁寧なぶん、じわっと効いた。笑 感じ良く断られるのって、雑にスルーされるより地味にダメージ残るんだよな。夕方の商店街は完全に生活の時間で、みんな足が速い。ここは仕込みと下見に使う時間帯で、勝負の時間じゃなかった。

一回ホテルに戻って、19時半にライオン通へ出直した。夜のライオン通はちゃんと飲みの顔になってて、仕事帰りのグループ、店決めで立ち止まる二人組、案内板を見上げてる出張族。で、通り沿いにある骨付鳥の有名店の前が、観光客っぽい行列で15人くらい膨らんでた。並ぶか30分悩む俺。その横を、仕事帰りっぽいきっちりした服の子が通りかかって、行列を見て、ほんのちょっとだけ笑った。完全に「地元の人の顔」だった。

アキ
アキ

すいません、いま行列見てちょっと笑いました? 地元の人の顔してた。

マヒロ

え、笑ってないよ(笑)……ちょっとだけかな

マヒロ
アキ
アキ

やっぱり。笑 俺これ並ぶかどうか、さっきから真剣に悩んでるんですけど、地元的にはどうなんですか。

マヒロ

んー、美味しいよ? 美味しいけど……うちらは並んでまでは行かんかなぁ(笑)

マヒロ
アキ
アキ

その言い方、絶対ほかにいい店知ってるやつじゃないですか。

マヒロ

……まあ、知っとるけど(笑)

マヒロ

出張で来てて今夜しかないこと、骨付鳥だけは食って帰りたいことを正直にそのまま出した。彼女は地図アプリで場所を説明しようとして、路地を2回ズームして、諦めた。

マヒロ

古馬場の奥やけん、口で言うのむずいなこれ……看板もちっちゃいし

マヒロ
アキ
アキ

ですよね。じゃあ図々しいついでにお願いなんですけど、店の前まで案内してもらうのって、なしですか。案内料に生1杯付けます。

マヒロ

(少しこっちを見て)……ほな、前までな。入るかは店見てから決めるけん(笑)

マヒロ

マヒロ、26歳。地元の信用金庫勤めで、この日は締め作業が長引いた帰りだと言ってた。歩くペースがゆっくりで、こっちが半歩合わせる感じ。歩きながら分かってきたんだけど、この子は声のトーンがずっと一定で、俺の軽口にも急に温度を上げない。そのくせ、俺が地図を開きかけたら「こっち」って先に路地を曲がる。穏やかなのに、決めるのは早い。押しでどうにかなるタイプじゃないなと思って、俺は喋る量を2割減らして、質問を増やした。ライオン通から古馬場に入ると、スナックの看板が積み上がった路地になって、客引きのおっちゃんに二回「兄さん、いい店あるよ」をやられた。俺はこの手の呼び込みには乗らないことにしてる。マヒロが半笑いで「ついて行ったらいかんよ」って言うのと、ほぼ同時だった。

店の前に着いた。渋い構えの小さい店で、換気扇からニンニクと鶏の油の匂いが、もう路地まで来てる。

マヒロ

ここ。……匂い、先に来とるやろ(笑)

マヒロ
アキ
アキ

来てる来てる。やば、店の外まで匂いが出待ちしてるじゃん。もう俺、入る以外の選択肢が消えたわ。

マヒロ

ふふ。……しゃあないなぁ、うちも晩ごはんまだやけん、付き合うわ

マヒロ

「店の前まで」の約束が、匂いの前であっさり崩れた。ありがとう換気扇。

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Scene 05

古馬場の骨付鳥|カウンターで讃岐弁講座が始まった

古馬場の骨付鳥|カウンターで讃岐弁講座が始まったの要点を表す画像
古馬場の骨付鳥|カウンターで讃岐弁講座が始まった

店は小さいカウンター主体で、地元の常連っぽいおっちゃんと仕事帰りの二人組で7割埋まってた。俺とマヒロは奥のカウンターに並びで滑り込む。椅子の間隔が最初から近くて、ここまでの30分で一番物理的に距離が縮まった瞬間が「入店」だった。注文はマヒロが全部仕切った。

マヒロ

おやどりとひなどり、両方いくで。初めてなら比べんと始まらんけん

マヒロ
アキ
アキ

両方いくんだ。笑 りょうかい、じゃあ生2つで。

生ビールが来た。ジョッキ、表面張力ぎりぎり。

マヒロ

お、まけまけいっぱいや(笑)

マヒロ
アキ
アキ

まけまけ……? 何すかそれ。

マヒロ

こぼれる寸前まで注がれとるってこと。讃岐弁ね。……今、ちょっとかわいい言葉やなって思ったやろ

マヒロ
アキ
アキ

思った。笑 ずるいんだよな、その系統の単語は。

骨付鳥は、おやどり(親鳥)とひなどり(若鶏)の二本勝負。ひなどりは柔らかくてジューシーで、まあ誰が食っても美味い。問題はおやどりで、これがしっかり硬い。

アキ
アキ

かった!笑 あごが仕事してる……でも噛むほど味出てくるなこれ。皮のとこ最高だわ。

マヒロ

やろ? みんなひなどりから入るんやけど、おやどりのほう美味しいって言う人は、ちょっとだけ信用するんよ(笑)

マヒロ
アキ
アキ

え、じゃあ俺いま何かの試験受けてました?

マヒロ

さあ(笑) ……合格やけどな

マヒロ

皿に残った鶏油にキャベツを浸して食うのが正解、っていう作法もここで教わった。こってり重ための味を讃岐弁で「むつごい」って言うらしい、って豆知識も。骨付鳥はほんまは丸亀が本場なんよ、と言いつつ、この店の油には忠誠を誓ってるらしい。うどんと骨付鳥の話になった瞬間だけマヒロの口数が1.5倍になるのが分かって、俺はしばらく聞き役に回って、その早口を眺めてた。教えるのが好きな子は、こっちが美味そうに食うたびに目に見えて機嫌が良くなっていく。途中、店のおばちゃんがマヒロに「彼氏?」って聞いて、マヒロは否定も肯定もせずに「行列から拾った人(笑)」って返した。拾われたのは事実なんで、俺は黙ってジョッキを軽く上げといた。隣の常連のおっちゃんには「にいちゃん、ええ店教えてもろたなあ」って言われた。狭い店の距離感が、そのまま会話の距離感になる。

アキ
アキ

さっきから語尾の「けん」って、聞き心地いいよね。方言の中で一番攻撃力低いと思う。

マヒロ

攻撃力て(笑) 地元やけん普通に出るんよ。……あ、ほら今も

マヒロ

方言は一回笑いになったら、それ以上はいじらない。マヒロは仕事の話(窓口で一日中お金を数えて、夕方に必ず1円ズレる話)もしてくれて、俺は東京の話を聞かれた分だけ返した。気づいたら生が3杯目で、ジョッキが来るたび二人で「まけまけ」を確認して笑うようになってた。その一円の話が妙に頭に残ってて、何週間か置いてMGS動画のレジで、クレカ以外の欄を上から下まで見てきた回をやったとき、俺が一番引っかかったのも端数のところだった。ポイントを先に買って払う道だと、買った分が作品の値段ときっちり揃うとは限らなくて、余りが出る。残ったぶんを使い切るまで買い足す自分の未来が、けっこうはっきり見えた。

Scene 06

締めの夜うどん|0時前のカウンターで、終電の話が消えた

締めの夜うどん|0時前のカウンターで、終電の話が消えたの要点を表す画像
締めの夜うどん|0時前のカウンターで、終電の話が消えた

23時すぎに店を出た。会計は約束どおり俺。生1杯どころか晩めし一式になったけど、案内料としては破格に安い。外に出たら小雨が降ってて、降ってるのに、俺らの歩く道はずっと乾いてた。アーケードすげえな、と一人で感心してたら、いい感じに酔ったマヒロが時計をちらっと見てから言った。

マヒロ

……お腹、まだ入る? この街、締めはラーメンやなくてうどんやけん

マヒロ
アキ
アキ

聞いたことある、それ。笑 じゃあ従いやす。てか案内、今日2軒目じゃないですか。

マヒロ

ふふ、乗りかかった船よ。ここまで来たら最後まで面倒見るけん

マヒロ

古馬場のはずれ、暖簾と湯気。飲み帰りの集団と仕事明けっぽいおっちゃんで、0時前なのにカウンターが埋まりかけてた。かけの小を頼んで、ネギと生姜は自分で乗せる方式。マヒロに倣って天ぷらを一個だけ取る。

アキ
アキ

……なにこれ。飲んだ後のこの出汁、発明でしょ。

マヒロ

ええ顔で食べるなぁ(笑) 連れてきた甲斐あるわ

マヒロ
アキ
アキ

生姜、テンション上がって入れすぎたかも。笑

マヒロ

あー、それはいかん(笑) 出汁の味が飛ぶけん、生姜はちょっとでええんよ

マヒロ

食いもんにだけ妙に厳しい26歳、面白すぎるだろ。出汁を飲みきったマヒロが、ふう、と息をついて、「県外の人にこの流れ、最後まで全部やらせたんはじめてかも」って小さく言った。自分の好きなものを正解の順番で食わせて、全部いい顔で食われた夜って、たぶん案内した側もそれなりに気持ちいいんだと思う。俺はもう完全に、この子のペースに乗せられてた。で、丼が空く頃には、椅子の間隔以上に隣が近くなってて、マヒロがことでんの時間を一回だけ調べて、それからスマホを鞄にしまった。この先は、いつもどおり細かくは書かない。ちゃんと、いい夜になった。それだけ。

Scene 07

高松ナンパFAQ|瀬戸大橋を渡る前に俺がよく聞かれること4つ

Q1. 高松は日帰りでいける?

岡山からマリンライナーで1時間かからないんで、岡山泊なら日帰りは組める。ただ古馬場が濃くなるのは20時を過ぎてからで、締めのうどんは0時前だった。俺は出張の宿が駅近にあったから最後まで付き合えたけど、終電を見ながらだと古馬場に腰を据える前に席を立つことになる。

Q2. 雨の日でも動ける?

俺が歩いた夜は途中から小雨で、それでも歩いた道はずっと乾いてた。ライオン通も古馬場の入り口も屋根の下で、締めのうどん屋までほぼアーケードが続く。雨で人が減る街じゃなくて、屋根の下に人が寄ってくる街だと思って動いてた。

Q3. 古馬場の客引きにはどう対応してる?

俺は二回捕まりかけて、二回とも足を止めずに抜けた。ついていった店で隣との距離が縮んだことは一度もないし、古馬場は自分で選んだ小箱に入るための路地だから。俺の夜は、マヒロが地図アプリを二回ズームして諦めたあと、店の前まで歩いて連れてってくれたから、あの看板の小さい店に辿り着けた。

Q4. 高松に相席ラウンジや相席屋はある?

いちばん近いので、瀬戸大橋を渡った岡山になる。系列の公式の店舗一覧に四国は一軒も入ってなくて、相席屋の一覧も関東の6店舗で終わってる。つまり高松で座って待てる場所は無い。岡山の店はシングルチャージ1,100円が乗れば一人でも入れるんだけど、俺はまだそっちには渡ってない。だから高松の夜は二択で、ライオン通の行列や案内板の前で止まってる人の隣に立つか、古馬場で自分で選んだカウンターに腰を据えるか。俺がマヒロと会ったのも骨付鳥の行列の前だしな。

Scene 08

その後|翌朝のうどんと、マヒロからの宿題リスト

その後|翌朝のうどんと、マヒロからの宿題リストの要点を表す画像
その後|翌朝のうどんと、マヒロからの宿題リスト

翌朝。「朝は朝で行く店がちがう」というマヒロの主張で、チェックアウト前に朝うどんに付き合うことになった。朝7時台から普通に人が並んでる製麺所っぽい店で、かけ小に温玉。朝の高松、パン屋より先にうどん屋が動いてる。マヒロは俺より小さい丼にして、代わりに俺の丼から天ぷらを一個だけ持っていった。昨日の夜より近いのか遠いのか分かんない距離感で、でも全然嫌じゃない。窓の外を通勤の自転車が流れてって、この子はこのあと普通に窓口に立つんだよな、と思ったら、帰るのがちょっとだけ惜しくなった。

マヒロ

昨日の行列の店もな、ほんまは美味しいんよ。うちは並ばんってだけで(笑)

マヒロ
アキ
アキ

結局知ってる味なのかよ。笑

マヒロ

地元やもん。……次来るときは、実家のほうの製麺所連れてったげるわ。朝しかやっとらん店

マヒロ
アキ
アキ

それ、次の約束って解釈していいやつ?

マヒロ

……さぁ、どうやろなぁ(笑)

マヒロ

帰りのマリンライナーが瀬戸大橋に乗ったあたりで、マヒロからLINEが来た。うどん屋が12軒、骨付鳥が3軒、ご丁寧に行くべき順番付き。『次までの宿題な。順番はうちが決めるけん』って一文まで付いてた。1泊でどうしろと。笑

正直に書いとくと、遠征がこんなに綺麗に転がるのは珍しい。夕方は普通に滑ってたし、あの行列の前を通るタイミングが5分ズレてたら、俺は一人で骨付鳥をかじって静かにホテルに帰ってた。遠征は当たり外れがデカい。だから俺は一人遠征のときも普段からマッチングアプリを並行して回してて、この夜も空振りだったらホテルからアプリに切り替えるつもりでいた。マヒロと会えたのは、ほぼ引きの強さだけ。

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乗り継ぎの新幹線では、暇つぶしにこの前の広島・流川の夜の記事を読み返してた。で、スマホにはあの宿題リストが残ってる。一番上の釜玉の店の横にだけ、星が三つ付いてた。

NEXT ROUTE

高松の次の動きまで見る。

声をかけた後、どの街でどう流すか。場所選びと飲みの入口に近い記事を並べています。

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