木屋町・先斗町でナンパ→京都の26歳をホテルまで
京都・木屋町〜先斗町の遠征レポ。観光客ずれした地元の子は手強い、という前評判を背負って入った夜。和雑貨店スタッフのマコ(26)は、はんなり見えて中身は毒舌、地元プライドの塊だった。京都の路地と鴨川を舞台に、京都の子との距離の詰め方をアキが実況します。
和雑貨店スタッフPLACE東京
現場レポHOOK現場感を
そのまま読む
今回は京都。正直に言うと、京都はナンパの遠征先としては「鬼門」だと思ってた。観光客は多いけど、その大半は通り過ぎる人で、地元の子は地元の子で、よそ者にはなかなか心を開かない。そういう街だと聞いてた。
で、実際に木屋町と先斗町を二晩歩いてみて、その前評判は半分当たってて半分外れてた。当たってたのは「最初の壁が高い」とこ。外れてたのは「壁の中に入ったら、めちゃくちゃ面白い」とこ。今回会ったのは和雑貨店で働くマコ(26)。はんなりした見た目で油断してたら、中身は地元プライドの塊で、しかもけっこうな毒舌だった。
京都はナンパの鬼門。だからこそ作戦を変えた
京都遠征の入口、東京での空気、会った後の動きまで。場面ごとの温度を拾いながら、アキの現場感をそのまま読む記事です。
東京や大阪や福岡の繁華街と、京都の木屋町・先斗町は、根本的に空気が違う。難波や中洲が「夜は全員が遊びに来てる」街だとすると、京都の夜は「観光で来た人」と「地元で飲んでる人」がくっきり分かれてる。同じ通りにいても、流れてる時間が別なんだわ。
だから、いつもの「テンションで声かけて勢いで連れ出す」やり方は、京都だと一番ハマらないと踏んだ。観光客の浮かれたノリで地元の子に近づくと、たぶん一瞬で「あ、こういう人ね」って線を引かれる。京都の子は、線を引くのがめちゃくちゃ上手いらしい。

京都ってそんな難しいんすか? はんなりしてて優しそうなイメージありますけど

その「優しそう」がクセモノでな。表面はめっちゃ柔らかいんだけど、中で何考えてるか読ませてくれない。だから今回は、勢いじゃなくて”観光客感を消す”ことから始めた。
具体的にどうしたかというと、まず昼のうちに普通に観光客として歩いて、店の人とか職人さんと普通に喋っておいた。錦市場、清水あたり、あと和雑貨の店を何軒か。これは下心抜きで、その土地の温度に体を慣らす作業。いきなり夜の繁華街に放り込まれると、こっちが浮く。
それと、夜は「東京から来ました!」を売りにしないと決めた。福岡や大阪だと「東京の人」ってだけで多少は引きがあったけど、京都でそれをやると逆に「ふーん、観光ね」で終わる気がした。京都の子に効くのは、東京アピールより「ちゃんとこの街を面白がってる人」感だと、昼の感触で思った。

京都は、よそ者が「すごいですね京都」って褒めてるうちはダメな気がしたんだよな。褒める側じゃなくて、一緒に面白がる側に回らないと。

めんどくさ…じゃなくて、奥が深いっすね
ちなみに今回は相棒なしの一人遠征。コウは留守番。京都はガヤガヤ二人で攻める街じゃない気がしたし、一人のほうが「ふらっと来た感」が出る。大人数で観光客ムーブしてると、地元の子はまず近づいてこない。同じ関西でも、勢いで押せる大阪ミナミの遠征とは、入り方を丸ごと変えた感じ。
木屋町と先斗町。観光客と地元の”境目”を歩く
夜の木屋町は、高瀬川沿いにずらっと飲み屋が並んでて、川面に店の灯りが映ってる。これがまあ綺麗で、観光地として完成されてる。ただ、綺麗すぎて「ザ・観光」の通りでもある。客引きも多いし、修学旅行みたいなテンションの団体もいる。ここで声かけても、たぶん相手も観光客。
俺が狙いを定めたのは、木屋町から一本入った先斗町のほう。あの石畳の細い路地。提灯がぽつぽつ灯ってて、人がすれ違うのもやっとの幅。観光客も歩いてるけど、奥のほうの一見お断りっぽい小料理屋とか、町家を改装したバーには、明らかに地元の常連が出入りしてる。この「観光客の流れと、地元の流れが交差する細い路地」が、京都で唯一それっぽい接点だと思った。

先斗町って、幅がほんと狭くてさ。人とすれ違うだけで自然に体が近くなる。あれは構造的にナンパ向きだわ。狙ったわけじゃなく、街がそうなってる。
高瀬川沿いをぶらぶらして、先斗町の路地を行ったり来たりして、空気を読む。ここで焦って手当たり次第に声をかけると、一気に観光客ムーブに逆戻りする。だから最初の一時間は、ほぼ偵察。どの店が地元っぽいか、どの辺に一人とか二人で飲んでる地元の子がいそうか。これは数をこなすより、いい一人を見つけるゲームだと割り切った。

一時間も偵察すか…俺なら待てずに片っ端から声かけてそう

京都でそれやると、たぶん全部スカる。数撃つ街じゃないんだわ。それより、当たりそうな一発を見極めるほうが効く。
で、先斗町の路地の奥、町家を改装した小さい立ち飲みっぽい和酒の店。間口は狭いけど、中が見える作りで、カウンターに一人で日本酒を傾けてる子がいた。観光客っぽいキャリーバッグもないし、店主と二言三言交わしてる感じからして、たぶん常連。これがマコだった。
ここで普通の繁華街なら、たまたま隣に座って絡む流れにできる。でも京都の一見お断り感のある店に、観光客がいきなりズカズカ入るのはリスキー。だから俺は店に入る前に、一回だけ、表で深呼吸した。
マコと出会う。和雑貨の話で、地元プライドに火がついた
店に入って、一席空けてカウンターに座った。いきなり隣はガツガツしすぎる。まずは店主に「東京から来たんですけど、地酒で何かおすすめあります?」って普通に聞いた。これは隣の子に聞かせるための質問でもある。京都の店で、東京から来たやつが地酒を頼む。それだけで、隣の子のアンテナに「お、観光客にしては」って引っかかればいい。
店主が銘柄を出してくれて、それを飲んでたら、隣のマコが、聞いてないのにぼそっと言った。
…それ、ようそんなん最初に頼まはったね。観光の人、たいてい「とりあえず生」やのに


え、ダメでした? なんか地元っぽいの飲みたくて適当に頼んだんですけど
ダメとは言うてへん(笑)まあ、悪ない選択や

この「悪ない選択や」っていう、わずかに上から目線の感じ。これが京都の子だった。褒めはしないけど、認めなくはない。ここで俺が「えー京都の人厳しい〜」って観光客ムーブをすると終わる。だから、その上から目線に乗っかった。

じゃあ地元の人的には、次これ飲んどけ、ってのあります? 完全に詳しい人に任せたい
丸投げやん(笑)…まあ、ええけど。ほな、ちょっとだけ手伝うわ

「手伝うわ」が出た。京都の子は、頼られるとちょっと弱い。というか、地元のことを「教えてあげる側」に回るのは気分がいいらしい。観光客にマウントを取れる立場って、たぶん京都の子にとっては慣れた快感なんだわ。そこをこっちから明け渡すと、機嫌よく喋ってくれる。
そこから店主も交えて酒の話をして、流れでマコが和雑貨の店で働いてるって出てきた。これがハマった。俺、昼に和雑貨の店を回ってたから、知ってる店の名前をいくつか出せた。

昼、〇〇通りのほうで和雑貨見て回ったんですよ。京都の手ぬぐいって柄がいちいち凝ってて
え、観光の人でそこ行くの渋いな(笑)あのへん、わかってる人しか行かへんとこやで


わかってないですよ全然。ただ、可愛かったから
…ふふ。まあ、ええ目はしてるんちゃう、東京の人にしては

「東京の人にしては」。この、ちょっと毒のある言い回し。これがマコの素だった。はんなり喋るのに、一個ずつ棘がある。俺はこの棘が面白くて、ここでスイッチが入った。観光客として褒められに来たんじゃなくて、こいつと喋りたいって素で思った。

なんか…ちょいちょい刺してくる子っすね(笑)

それな。でも京都の子のこの感じ、嫌じゃないんだわ。社交辞令でベタベタ褒められるより、ずっと信用できる。
和雑貨の柄の話から、京都の職人がどれだけ偏屈かって話、観光地化しすぎた京都への地元民の本音、みたいな話にどんどん転がった。マコは地元への愛が深いぶん、地元への文句も山ほど持ってた。これがめちゃくちゃ面白い。地元プライドが強い子は、地元への愚痴を振ると一番喋る。褒めるより、一緒に文句を言うほうが距離が縮まる。
町家バーへ移動。おばんざいと、京都の子の本音
立ち飲みの店で一時間くらい喋って、いい温度になってきたところで、店を移した。ここでも京都用の気の使い方をした。「この後どうする?」みたいな直球は、京都の子には重い。だから「もう一軒、地元の人が行く感じのとこ連れてってもらえません?」って、案内役として頼る形で出した。マコが「教えてあげる側」のままでいられるように。

せっかくなんで、観光客が行かへんとこ行きたいんですけど。任せていいですか
ほんま丸投げ好きやな(笑)…まあ、一軒だけ。変なとこ連れてったら承知せえへんで、自分が

マコが連れてってくれたのは、先斗町からまた一本入った、町家を改装したバー。表に看板も出てないような店で、確かに観光客は絶対たどり着けない。中は照明を落としてて、おばんざいを出してくれる落ち着いた店だった。さっきまでの立ち飲みの賑やかさとは別世界。
ここで京都の子のいいとこが出た。マコは、店主とも常連とも顔見知りで、でも俺をちゃんと立ててくれた。「東京から来た人で、和雑貨見て回るような渋い人やねん」って、ちょっと盛って紹介してくれた。さっき棘で刺してきた子が、外向きにはこっちを立ててくれる。このギャップにやられた。
ここのおばんざい、ほんま美味しいから。これだけは観光地価格ちゃうし


さっき「変なとこ連れてったら承知せん」って言ってたけど、めっちゃいい店じゃないですか
当たり前やん。うちが連れてくとこやで(笑)

この「うちが連れてくとこやで」の地元プライド。可愛い。おばんざいをつまみながら、ここでマコの距離が一段縮まった。仕事のこと、京都で生まれ育って一回も出たことないこと、たまにそれがしんどくなること。地元プライドの裏に、地元から出られない閉塞感みたいなのが少しだけ覗いた。
京都好きやで。好きやけど…たまに、狭いなって思うときはある。みんな顔見知りすぎて


わかる気がする。良くも悪くも全部つながってる感じね
そうそう。…なんで東京の人にこんな話してんねやろ(笑)

ここ、既存の遠征記事でありがちな「明日帰る人だから話せる」みたいなオチには、わざと持っていかなかった。マコがぽろっと本音を出したのは、俺が「東京の人」だからじゃなくて、地元の愚痴に一緒に乗ってくれる相手だったから。そこは、ちゃんと区別して受けた。

いや、俺が観光客っぽくないからじゃない? 知らんけど。笑
出た、関西弁のオチ(笑)にわか京都人かいな

「知らんけど」を雑に真似たら、すかさず突っ込まれた。このテンポの応酬がめちゃくちゃ気持ちよくて、もうこの時点で、この子といる時間が普通に楽しかった。落とすとか以前に、会話が転がってる感覚。京都の子は、壁の中に入れたら本当に喋るし、笑う。
鴨川の床と、二人の”間”
バーを出て、時間も時間だったけど、マコが「ちょっと鴨川見てくる?」って言った。これは俺から誘ったんじゃなくて、向こうから。いい流れだった。
木屋町から鴨川に出ると、夏場は川沿いに「床(ゆか)」っていう川の上の座敷が並ぶ。納涼床ってやつ。さすがにこの時間は床の営業は終わってたけど、川沿いに出るだけで空気が変わる。水の音と、対岸の灯りと、ちょっとひんやりした風。さっきまでの店の喧騒が嘘みたいに静かになる。
京都の鴨川って、有名な「カップルが等間隔に並ぶ」やつがある。土手に、なぜか一定の間隔でカップルが座る現象。マコがそれを指して笑った。
ほら、等間隔(笑)京都の名物やで、これ。みんな律儀に間あけて座んねん


ほんとだ、きれいに並んでる。じゃあ俺らもルール守らないとですね
守らんでええよ、別に(笑)

この「守らんでええよ」が、京都の子なりの、めちゃくちゃ控えめなGOサインだった。露骨に来るんじゃなくて、棘の中にふっと隙間ができる感じ。ここで俺がガッついたら、たぶんまた線を引かれる。だから、ちょっとだけ距離を詰めて、隣に座った。等間隔のカップルたちより、ちょっとだけ近く。
川の音をBGMに、しばらく他愛もない話をした。マコは、さっきまでの毒舌がちょっと和らいで、川を見ながらぽつぽつ喋った。地元プライドの強い子が、ふっと素になる瞬間って、本当に油断ならない可愛さがある。
…なんやろ。今日、思ったより、ようけ喋ってもうたな、うち


京都の人、最初もっと壁あるって聞いてたから、正直びびってた。笑
壁はあるで、普通は。…自分が、なんか緩いだけや(笑)

「自分が緩いだけや」。これも、まっすぐ「あなたが特別」とは言わない、京都の子らしい言い回し。でも意味は伝わる。ここで俺は、変に気の利いたことを言おうとせず、ただ「俺も今日めっちゃ楽しい」って素で返した。会話を綺麗にオチさせるより、素のテンションをそのまま出すほうが、この子には効く気がした。

なんか、京都の子って遠回しっすね。可愛いけど

遠回しなんだけど、ちゃんと意味は通ってんだよ。直接言わないだけで。それを読めるかどうかが、京都では全部な。
「もうちょいだけ、ええよ」河原町のホテルへ
鴨川沿いでしばらくいい時間を過ごして、夜もだいぶ更けてきた。終電の話になったとき、マコは家が市内だからまだ帰れる、って状況だった。つまり、ここで「帰る」も普通に選べる。その上で、俺はガツガツせず、ほんと軽く出した。

まだちょっと話し足りないけど…無理にとは言わへんよ。帰るなら送る
……「言わへん」て(笑)また京都弁パクってる


うつるんだよ、一緒におると。笑
……ふふ。まあ、もうちょいだけ、ええよ

最後まで毒のある突っ込みを挟んでくるのが、マコらしかった。「もうちょいだけ、ええよ」。これが京都の子の、精一杯の素直さだったと思う。
結論だけ言うと、そこからいい雰囲気のまま、河原町のホテルまで。お持ち帰りは成功。詳細はいつも通り省くわ。笑

ここから先はぼかしとく。毎回言ってるけど、合意のある大人同士の話な。
念のため毎回書いてるけど、これは合意のある大人同士の話。相手が乗ってないのに押すのは絶対に無し。特にマコみたいに「直接言わない」タイプの子は、棘や遠回しの裏の本音を読み違えると事故る。「守らんでええよ」「もうちょいだけ、ええよ」みたいな小さいGOを、こっちが丁寧に拾う。逆に、少しでも引いた気配があったら、迷わずこっちが引く。それができない人は、京都に限らず、こういう”間”で語る子に手を出しちゃいけない。落とし方の設計図の記事でも書いたけど、最後の一歩は押す技術じゃなくて、相手のサインを読む技術なんだわ。
その後。京都の子と、また会うためのLINE
マコとはLINEを交換して、その後もたまにやり取りが続いてる。京都の子との連絡は、ベタベタしすぎないのが正解だった。地元プライドが強くて、自分のペースを持ってる子だから、こっちが追いすぎると一気に冷める。むしろ、こっちが京都ネタを覚えてて、たまに「あの店また行きたい」くらいの軽いのを投げると、機嫌よく返ってくる。
この前のおばんざいの店、また予約しといたろか(笑)東京の人、もう常連気取りやな


マコの紹介ってだけで、めっちゃ通いたくなるんだわ。笑
調子ええなあ(笑)まあ、来るなら言うてや

最後まで「調子ええなあ」と突っ込んでくるのが、もうマコの愛情表現みたいなもんで。会った後のLINEの温度感そのものは、相手が京都だろうがどこだろうが基本は同じで、会った後のLINEの追い方の記事に書いたのと変わらない。既読即長文をやらない、ベタベタしすぎない。それを守りつつ、相手の土地ネタ・好きなものネタを覚えておくと、遠征先の子は次につながりやすい。
ちなみに今回みたいな遠征は、現地でゼロから声をかけるのもアリだけど、遠征前にマッチングアプリで現地の子を何人か仕込んでおくと、打率も滞在時間の効率も段違いに上がる。「来週京都行くんですけど、地元の人しか知らない店教えてください」みたいな入り方は、地元プライドのある子ほど刺さる。今回のマコみたいなタイプは、まさにアプリでも「教えてあげる側」に回らせる導線がハマる。現地調達とアプリ仕込みの二段構えにすると、遠征の打率は本当に変わる。アプリの具体的な比較は、ちゃんと紹介できる準備ができたらまた別で書く。

京都、鬼門って言ってたのに普通に上手くいってるじゃないっすか

鬼門なのは間違いない。たまたまマコがハマっただけで、たぶん普段の俺のやり方で正面から行ってたら全部スカってた。京都は、入り方を一個間違えたら何も起きん街だわ。
大阪や福岡みたいに勢いで押せる遠征も面白いけど、京都みたいに「入り方を全部組み替えないと一歩も進めない」街も、これはこれでめちゃくちゃ面白かった。別の街の遠征も書いてるんで、雰囲気の違いを見比べてもらえると。仙台で地酒に詳しい子と飲んだ話とか、土地が変わると子のタイプも攻め方も全然違う。次はどこ行こうかな。
遠征の夜を、もう一段深く読む。
旅行先や別エリアで空気を作る時に役立つ、街の入り方と夜の動線を集めました。


